【男性育休】雨宿りしている人に自分の傘をさしだした妻
我が家は、夫婦で1年間の育休を取っている。いわゆるダブル育休というやつだ。
子育てや家事をしつつ、合間にnoteを書いたりいろいろやっているが、夫婦で分担しているせいか、働いていたころよりも時間があるので何かと気づきも多い。
4月に妻と子どもと植物園にお花見に行った。子どものはじめてのおでかけだ。
そこで売られていた、「ニオイガマズミ」という植物を買った。小さくてきれいな花を咲かせていて、子どもにピッタリの木に思えた。
家に帰ってさっそく鉢植えして、毎日水をやった。しばらくすると、たくさん花を咲かせた。めちゃくちゃ春だった。嬉しくて、将来は鉢から出して庭に植えようかな、なんてことも想像していた。
我が家では、子どもに将来渡すためのファイルをつくっている。子どものマイナンバーカードや銀行口座の情報やらを保存しているものだ。
久しぶりに見ていると、ニオイガマズミのぺージがあるのに気づいた。
妻が、ニオイガマズミの写真や解説を載せた一枚の紙をファイリングしていたのだ。
これはあなたの木だよ、という子どもへのメッセージだと読み取れた。
妻はなんてやさしいんだ。
涙が出そうになった。
自分にはこんな発想はなかった。
自分にはできないことをやってくれていた。
そして、最近ニオイガマズミをほったらかしにしていたことにも気づいた。
もっと水やりをして、ちゃんと世話しよう。
そんなことを考えていると、結婚する前、妻と付き合っていたころのことを思い出した。
ある雨の日に、2人で歩いていると雨宿りをしている人がいた。
妻はその人に自分が持っていた傘を「どうぞ使ってください!」と差しだした。
家まであと少しの距離だったとはいえ、私の傘で妻と相合い傘しても、結構濡れるくらい雨は強く降っていた。
私には、たぶんそんなことはできない。
その日も、雨に濡れないように急いで家に帰ろうと、周りを見る余裕なんてなかった。
自分にはないやさしさ、他人への思いやりを持っている人だと思った。
この人となら結婚できるかも、と思った瞬間だった。
妻には感謝したい。
今のこの気持ちを忘れないように、残しておく。