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論理的に伝わる!コミュニケーション能力を本質から向上させる思考と準備
記事を書こうと思ったきっかけ
「ちゃんと説明したはずなのに伝わらない」「意図が違って受け取られてしまう」—— そんな経験はないだろうか?
僕自身、仕事の中で何度も感じたことがある。論理的に話しているつもりでも、相手には違う意味で伝わってしまうことがある。その理由を知りたくて、もっと効果的なコミュニケーションの方法を探していた。
そんなときに出会ったのが『「お前の言うことはわけがわからん」と言わせないロジカルな話し方超入門』という本。(※Kindle Unlimitedで読めます)
読んでいくうちに、「環境がコミュニケーション能力に与える影響」という視点に目からウロコが落ちた。普段の会話やプレゼンは無意識のうちに環境に適応している。でも、その環境に依存してしまうと、異なるシチュエーションでうまく伝えられなくなるのだ。
著書の要約
コミュニケーション能力の向上について論理的に実践的な方法をわかりやすく解説している。
特に印象的だったのは、主張・事実・理由付けの整理の仕方や、結論ファーストの伝え方の重要性。シンプルだけど効果的なフレームワークが紹介されており、すぐに使えるテクニックが満載だった。
また、単に「論理的に話す方法」だけでなく、どんな環境で自分の伝え方が形作られるのかという視点も示されている。例えば、社内ではスムーズに伝わる話し方が、社外のプレゼンではまったく通じないことがある。その理由が、環境ごとの情報量の違いにあると気づかされた。
理論だけではなく、実践しやすい形で解説されているので、「これならすぐ試せる!」と思うポイントがたくさんあった。基本的な事は、ここで僕が掘り下げるよりよっぽどわかりやすく説明されているので、ぜひ読んでみてほしい。
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僕にとって衝撃的だった気づき
この本を読んで改めて感じたのは、「普段の環境に依存した話し方では、通じない場面が出てくる」ということ。更に言うと、ずっと同じ環境ではコミュニケーション能力は向上しないし、そもそも自分に能力が無くても、時間が経てば周りの優秀な人たちが情報を補完して、結果的に問題なく進んでしまう事の恐ろしさだ。
例えば、社内でのミーティングでは、共通認識があるため、多少説明が曖昧でも理解されやすい。しかし、社外のプレゼンや顧客向けの説明となると、社内で通じていた言葉の選び方や資料の見せ方がそのまま使えない。この点も、社内レビューを通す事で改善できそうだが、社内で培われた観点のみで行われていれば困難かもしれない。
実際、僕も以前、社内向けの報告資料をそのままクライアント向けに流用したところ、意図が十分に伝わらず、認識のズレが生じたことがあった。そのとき初めて、「普段の環境で慣れ親しんだ伝え方では不十分なのかもしれない」と痛感した。
では、どうすれば環境の違いに適応しながら、
的確に伝えることができるのか?
ここで重要になのが、事前準備の段階で環境ごとの前提を整理することだ。
相手の前提知識や期待される情報量を意識する。
社内と社外、異なるシチュエーションごとに伝え方を調整する。
伝える内容を論理的に整理し、シンプルに構成する。
特にコンサルタントの仕事では、クライアントごとに異なる期待値があるため、準備の段階でどれだけ情報整理できるかが、その後のコミュニケーションの質を左右する。
話し方の技術も大事だが、それ以上に「伝わる論理」を作ることが大切だ。いくら流暢に話せても論理が破綻していれば伝わらないのだ。
この本を読んで、自分の伝え方が環境に依存していなかったかを振り返るきっかけになった。
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まとめ
コミュニケーション能力を鍛えるには、話し方の技術だけでなく、環境の影響を認識し、それに適応することも重要だ。
そのためには、
自分の環境に依存した話し方になっていないかを見直す。
異なるシチュエーションでのコミュニケーションを意識的に訓練する。
準備段階で論理を整理し、伝えるべき情報を明確にする。
プレゼン資料や提案書を作成する際に、論理の組み立て方がそのままコミュニケーションの質につながる。ここをおろそかにすると、どれだけ話し方を工夫しても説得力に欠けてしまう。論理的に整理された上で作られた資料は、実際のプレゼンや打ち合わせでも明確な説明ができるようになり、結果的にコミュニケーション能力の向上につながる。
コンサルの仕事をしていなければ気づかなかったかもしれないが、
この部分こそが価値を生む要素のひとつなのだろう。
振り返ると、著書ではコミュニケーション全体をおさらいする内容が網羅されているので、自身の能力と照らし合わせて強化すべきポイントが解りやすいのが良かった。ぜひ気になる人は手に取ってみてほしい。そして、今の自分の環境を振り返ってみると新たな気づきがあるかもしれない。