夏公演オンライン配信のいきさつ
このnoteでは「○○で飯を食う」シリーズのマガジンを付けている。具体的には「写真でメシを食う」「音楽でメシを食う」など。平たく言えば「メシをおごってくれたらやる」である。
その続編として目下「映像でメシを食う」に取り組んでいる。地元劇団と出会って夏公演の配信を引き受けた経緯やら、想いやら、やることについて記す。
「○○でメシを食う」シリーズの経緯
ありえたかもしれない人生として、クリエイティブを武器に生計を立てることに思いを馳せつつ、平凡な会社員である見返りとして与えられた安定生活から逃れる覚悟もない。
All or Nothingだけが選択肢でなく、価値を認めてくれる人の為に本業とは別の仕事で報酬が得ることには意味があるんじゃないか。あえてボランティアでないのは、私が覚悟を持ってプロの仕事をするというぞという覚悟。それから、依頼者にも身銭を切って依頼するハードルを越えることを求める自己満足もある。
報酬とは言ったものの、現金を頂くと本業の副業規定にひっかかって煩雑なので、メシを報酬に仕事を受けている。単純に「○○でメシを食う」と言ってみたかったのもある。この瞬間は会食も難しいので、報酬が受け取れない。はやく世の中よくなってほしい。
夏公演を配信キッカケで演劇に触れる
ひょんなキッカケで、行きつけの立飲み屋つながり友達から相談を受け、所属している劇団「和の木」の夏公演の映像撮影とオンライン配信を引き受けることになった。
https://kobenagominoki.wixsite.com/nagominoki
流れを掴むため何度か練習を拝見していて、「演劇ってこうやって出来上がるんだ!」と知った。決められた台本や元々の演出意図もあるだろうけれど、セリフ合わせの現場から得たインスピレーションで「こうしよう」という案が生み出され、ニュアンスが作り込まれてゆくのを目にした。回を重ねるごとに変化してゆくナマモノだったんだ。
大人が子役に教室のようなものかと思っていたら、舞台に立つと大人も子供も対等に役者として扱われていて、ステージを完成させるという同じ目標に向かっていた。一番小さい子役は私の長女と1つしか変わらないのに、セリフも覚えて堂々と演技していて凄い。
でもやっぱり大人の役者さんが本物。セリフを発すると、一気に場の空気が変わってピリッとする。素人目ながら「ガチ勢のやつだ!」とわかる。芝居あり、歌あり、ダンスありで、まさに総合芸術している。
そのために○○がある
おそらく劇団の大人達も、生業として演劇でメシを食うことを目指していた or 目指している人がいる。完全にそうなりきれなくても、本業を持つ傍ら、演劇に携わる場を創って情熱を燃やす劇団員もいる。
冒頭で「クリエイティブで生きたい憧れ」という私の憧れについて書いた。「私も同じ」と言ったら怒られるかもしれないけれど、たいへん共鳴するところがある。
軽い趣味と呼ぶにはのめり込み過ぎていて、本業でさえソレを続けるための手段になりえて、生涯をかけて続けるようなもの。
関係者の中でも「こんなご時世にわざわざやるのか?」という話もあって当然である。どうしてもやりたい友人の個人的な想いが人を動かし、「そのために演劇があるんだからやらなきゃ!」と満場一致したらしい。
とは言え、席数を減らして開催しても、お届けできる人数が限られる。だから私も「そのために映像配信がある」と引き受けた。
当日の映像撮影と後日ファイル配信
スケジュールとしては、公民館での舞台本番を8/29(日)に執り行い、後日9/11(土)にオンライン配信する。最初の話では、舞台本番にリアルタイムでオンライン配信する予定で、移動式配信セットを作った。
セキュリティ対策のための入室管理などを詰めるうちに、舞台本番で手が取られて配信に手が回らないと分かり、本番と別日の9/11(土)にファイル配信することになった。
舞台本番8/29(日)のゲネプロで映像素材を撮影して、後日オンライン配信用の映像を動画編集する。ゲネプロではフォトグラファーの写真撮影もあって、シャッター音やストロボが入り込まないかの確認や軽減策について目下検討中である。
9/11(土)の配信まわりで、各種サービスも比較検討した。配信であればYouTube LIVEが便利そうだったけれど、参加費を徴収してアクセスさせることを規約で禁じていたためZoomを選んだ。関係者向けには現場の風景をリアルタイム配信するけれど、求められるハードルは下がった。
演劇も大分仕上がってきて、週末が楽しみではある。画面ごしに迫力が伝えられるかは映像の力にかかっているので、機材の充電満タンで気合を入れて臨む。