付かず離れずで大人になるまで見守る
御意見番よろしくアドバイスを求められることがある。ご相談の内容と私の見解について書きつつ、「お前がそれ言うか」と言われそうな過去のエピソードについて書く。
熱しやすく冷めやすいアラサーギャルさん
おかみさん(私より年上)には、よく飲みに行くアラサーギャルさん(私より年下)の飲み友がいる。
アラサーになると周囲は家庭を持ち始めて疎遠になるのか(憶測)、そもそもそこまで飲み続けられる人は他におらん問題があるのか。
年齢は離れているけれど、2人はなるべくして飲み友になったように見える。
だが、ちょっとした対人トラブル(?)があった。アラサーギャルさんは惚れやすいタイプで、おかみさんが営むお店のお客さんと付き合い始めてしまう。
お年頃だから、その気持ちは分からんでもない。おかみさんも私も、初めは応援していた。
問題は、熱しやすいと同時に、冷めやすくもあることだった。アラサーギャルさんは、付き合い始めた彼氏の嫌なところが目につくようになり、割と早い段階で別れてしまった。
その結果、もともとお客さんだった彼氏がお店から遠ざかってしまい、おかみさんは客を失うことになる。これが半年ほどの間に立て続けに2回続いた。
かけがえのない飲み友を失いたくないけれど、実害があって困っているというのが、おかみさんからの相談であった。
お互いに執着しすぎかも
期待された解決策は、アラサーギャルさんの振る舞いを「なおす」方法だったのかもしれない。
だけど、他人を簡単に変えることはできない。私の見立てでは、「彼女が運命の人を見つけて、一緒になるまでは繰り返すんでない?」というものだった。
繰り返すという前提で、お客さんを失ってでも深く関わり続けるのか。繰り返しても害を受けない程度に距離を置くのか。二択に思えた。
・・・
困った状況に陥る根本的な原因として、お互いに執着しているのが原因に思えた。
もし、アラサーギャルさんの交友関係が広ければ、別のコミュニティで次の彼氏を見つけただろう。少しずついろんな人に依存して迷惑をかけたとしても、同じところで繰り返さなければ許容される見込みは高い。
もし、おかみさんに他の飲み友がたくさんいれば、「貴重な飲み友を失いたくない」という執着がなくなり、そもそも悩み事になっていなかっただろう。
複数の依存先があることを自立という。この考え方は大事だと思う。
「絶縁しろ」と言いたい訳ではない。彼女がいろんな人に迷惑をかけながら大人になるのを、付かず離れず見守りながら待てばよい。それまで、すべての被害を被る必要はない。
夫婦と違って、友達なんてナンボでもおっていい。流石にFacebook友達5000人おじさんの友達は、友達と言えるのか謎やけど。お互いに交友関係の幅を広げることで解決することもある。
それをお前が言うか?
「って助言をしたんだ」と話せば、きっと私の過去を知る友人は「それをお前が言うか?」と馬鹿にするだろう。
学生時代にやっていたバンドで、異性メンバーに3人連続で手を出したことを未だに言われる。上に挙げた「運命の人と一緒になるまでは続く」は、ただの実体験である。
本当にクソエピソードで、打ち上げの途中でおっぱじめようとしたりとか。
バンドメンバーと共通の友人の彼女が、鍵盤やってたのでサポートで入ってもらった。途中で破局したので、私が付き合いだしたのが略奪っぽく見えて、彼とバンドメンバーの人間関係まで壊したとか。
「他人を簡単に変えることはできない」とは書いたけれど、十数年が過ぎた今は「過去の話」ということにしてもらっている。真人間っぽく助言していて、我ながら「どの口が言うてんねん」と思う。
「距離を置いて」とは書いた。私のケースでは、バンドをクビにされかけたけれど、コアなメンバーとは細く長くバンドを続けている。
生涯ネタにはされ続けるだろうけれど、文字通り「こんな私」が大人になるまで、付かず離れずで居てくれたことには感謝しかない。