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復帰プログラム 1

管理職との懇談の日。静かな会議室に入り、机を挟んで相対した。話し始めると、病休に至った経緯が自然と口をついた。あの頃、相手からの要求はいつも不当で、私には荷が重すぎるように感じた。「もしかすると、自分の能力が低いからこうして過剰な要求をされてきたのかもしれない」と、心のどこかで思わざるを得なかった。それに、ハラスメント行為も少なくなかった。振り返れば、今でもあの行為に対しては深いトラウマやプレッシャーが残っている。職場環境が変わったからといって、それが消えるわけではない。だから、特別支援に関わることは今はとにかく考えたくない、そう話した。

懸念もいくつか浮かび上がった。「学校職員とのコミュニケーションがうまく取れるのだろうか?」という不安が常に頭をよぎる。加えて、これまで自分が取り組んできた授業や指導方法が、今のやり方と大きくかけ離れているのではないか、そんなギャップを感じてしまう。それが自信を持てない原因になっている。

日程の変更も話題に上がった。特別支援学級の参観や支援については、2週間後から開始するということに決まった。来年度の人事についてはまだ未定とのことだった。

懇談が終わり、簡単な業務に取りかかった。まずは印刷作業。それからPCの設定にも手をつけてみたが、パスワードなどが分からず、思うように進まなかった。それでも、外部からデータをダウンロードすることは何とかできた。しかし、タブレットPCがかなり古いもので、ほとんど動かず、思わずため息が漏れた。

業務の合間、久しぶりに顔を合わせたなじみの先生が声をかけてくれた。「ゆっくりやっていこう」と優しく励まされたものの、その言葉さえも、今の私には少し重く感じた。こちらからは何も話しかけることができず、ただうつむいたまま、その場を後にした。

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