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繊細女子の映画鑑賞記録「シン・ウルトラマン」

映画鑑賞記録11本目。

 私の知っていたウルトラマンの知識。
・巨人
・ヒーロー
以上。

 見たことのあるウルトラマン。
ご縁があって出掛けた2016年ウルトラマンフェスティバルのヒーローショー。
以上。

 私の大好きな幼馴染の女の子がウルトラマンに詳しいので、一緒に行ってもらうことにした。
 幼馴染「世間一般的なみんなが知っているウルトラマンの情報と、これが庵野樋口作品だ。ってことだけ頭に入れておけばええんやないかと。」
 私「多分世間一般的なみんなが知っているウルトラマンの知識もない。」
 幼馴染「ウルトラマンが宇宙人で、光線とか撃てて、怪獣や他の宇宙人と戦ってて、世界中で愛されるキャラクター、とだけ知ってれば十分よ。」

 私「待って、私ウルトラマンが宇宙人だってことすら忘れてた。」

 という会話があったレベルでウルトラマンについて知らなかった。


 見終わったあとの第一声は「ちょっと待ってね。感想が言語化出来ない。」だった。
 映画館から30分くらい街中を歩きながら、ぽつぽつと少しずつ言葉にしていったのを幼馴染は、遮りもせず嬉しそうに聞いてくれた。

 後半が丁寧に描かれてる分、前半が怒涛であんまり記憶に残らなかったこと。
 メフィラスが、人間から見たら冷酷であまりにも強者だったけれど、それは地球外生命体の強者から見た点では確かに理にかなっているからこそ恐ろしかったこと。
 シン・ゴジラに比べて、立ち上がってガッツポーズをするような、ヒーローがかっこよくわかりやすく盛り上がるシーンが無かったからこそ、人間の無力さが苦しかったこと。
 人間はどこまでも怪獣に対して無力だったけれど、最後までウルトラマン一人に世界を押し付けず、人間が世界中で力を合わせれば出来ることがあることを描いてくれたのが嬉しかったこと。

 私の知っている唯一のウルトラマンの記憶が、ヒーローショーだったから、ゼットンにウルトラマン一人で立ち向かい、手も足も出なかったシーンで

「ウルトラマン!頑張れーーーー!!」という子どもたちの声の幻聴が聞こえて、涙が出たこと。


 それを一つずつ話していって、カフェで紅茶を飲みながら、疑問点を一つずつ聞いていって、幼馴染の解説を聞いたら、心がどんどん満たされていって、心から「シン・ウルトラマン、面白かった!!」と声に出た。

 まるで穏やかな海みたいだと思った。
 強くて巨大で静かだけれど、満ちてくる波のように心が「シン・ウルトラマン」という作品に飲み込まれていった。

シン・ウルトラマン視聴前に幼馴染に送ったLINE。

 私が、ウルトラマンが宇宙人だということを忘れていた理由。

 今回の作品では、大人の視点で見るウルトラマンしか出てこなかったけれど、きっと目に見えないところできっと子どもたちの声もあったんだと思う。
 「ウルトラマン、頑張れ。ウルトラマン、負けるな。」

 だってウルトラマンはヒーローだから。
 人間に、子どもたちに寄り添って、守ってくれる、優しい巨人だから。
 だから大人たちはウルトラマンとともに戦わなければならない。
 「おじさん、頑張れ。お姉さん、負けないで。」

 さっき、家に帰ってきて米津玄師さんの「M八七」を歌詞付きで聞いた。

 君が望むならそれは強く応えてくれるのだ。

 きっと「シン・ウルトラマン」は大人たちへの応援歌でもある。
そんな気がする。

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