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【OPV Events!】福島第一原子力発電所を視察しました。

小高パイオニアヴィレッジでも活動する起業型地域おこし協力隊のNextCommonsLab南相馬では、月に一度、学びの機会としてオープンラボを開催しています。


起業家としてのマインドや事業展開に関する講師をお招きするなどテーマは多岐にわたり、彼らの事業推進の機会につながる会になっています。

10月のオープンラボではこの地域で生活し、活動するならば知らずにはいられない、福島第一原発の視察を行いました。

2011年から2016年の夏にかけ、南相馬市の小高区は東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故後に発せられた、半径20km圏内の避難指示対象区域でした。

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(厳密には「避難指示解除準備区域」となりました。)

目に見えず感じることもできない放射線というもの、そして錯綜し、バイアスのかかった情報が飛び交うことにより、日本中に大きな不安と混乱がもたらされたことが皆さんの記憶にも残っているはずです。

10年たった今なお、様々な考えや意見がこのトピックには飛び交います。
ただ一つい言えることは、実際に目で見て、自分なりの考えを持ちながら向き合う必要があるということです。

見学当日、まだ瓦礫が山積しているエリアを通る。

まずは福島第一原発から10kmほど南の富岡町にある東京電力廃炉資料館へ。
大熊町、双葉町を通り抜けますが、未だ崩れた建物の瓦礫が残るエリアを通ります。
そのエリアの国道6号線の両脇はフェンスが建てられ、通ることができません。
あれから10年が経とうとしていますが、本当に時間が止まっているようです。

つい先日の2020年3月14日に常磐線が全線開通したことが記憶に新しいですが、それまでは富岡駅ー浪江駅間が普通により代行バスがこの区間を走っていました。

十数キロ小高から移動すると未だに時が止まったような、別の世界がそこにあることに、緊張を覚えます。

廃炉資料館でみた映像と、職員さんの謝罪。

まずは東京電力廃炉資料館に集合します。
こちらの施設では、もともと富岡町と楢葉町にかかる福島第二原子力発電所のPR館として設立されていたものを、2018年にリニューアルし、事故に対する反省と教訓を示す施設として運営されています。

こちらにて映像を導入として視聴することでこれからの視察の予備知識を学びます。

その映像が始まる前、職員さんたちによる謝罪がありました。

「東京電力は事故を引き起こしてしまったことを深くお詫びするとともに、これから数十年責任を持って廃炉に向けて取り組んでまいります。」

もちろんこの事故も含め、人類史上でも類を見ない出来事がこの地であったことが深々と刻まれます。
視察に参加した人の中にはもともとこの地域に住んでいた人、新たにこの地域に移住し暮らし始めた人、どちらもいました。

皆様々な思いが渦巻いていたかと思います。

緊張感のある構内。

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福島第一原子力発電所の構内には事前に予約をし、しかるべき情報を事前に提出し、当日も身分証明をしたうえで初めて視察が可能になります。
テロ対策の観点などからしても、非常に厳格なチェックがあるようです。

その後に構内の線量についての説明を受けます。
空間線量は単純に近ければ高い、遠ければ低い、というわけでもなく、構内すぐ近くの山は除染が進んでおらずかなり線量が高いなどの事例もあります。
また、普段から数字で示されるもののイメージがしずらいという問題もあります。今回の私たちの視察で実際に構内を一時間見学する程度では、歯医者でレントゲンと撮る程度の線量と同等とのことでした。
健康被害に関する心配はある程度軽減されます。

福島第一原発の構内は非常に広大で、バスで移動し、作業員の方の休憩所や協力企業のオフィス、汚染水を浄化する設備、貯蔵タンクなどを順々に巡っていきました。
エリア内ですれちがう作業員さんの中には防護服をきている作業員さんもいるなど、どれもこれもが見慣れないもので、異様な風景に緊張感をいだきます。
なかでも放射性物質を分離させた「処理水」のタンクは構内に大量に立ち並んでいて、貯蔵の許容量があと1~2年だそう。
この処理水の処分方法を巡っては大きな議論を巻き起こしています。

そして、バスからおりて、1号〜4号の建屋を見学しました。
一部の建屋には、爆発の跡により瓦礫が残っています。
建屋から私達の距離はわずか100mにも満たない距離。
いまだ生々しい被害の爪痕が見えました。

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ここでの発電が日本の首都圏の暮らしを支えていたものの、たったひとつの災害で何もかもが変わってしまったことの重みをひしひしと感じさせる光景です。

後日譚、ジオラマとともに振り返りの会

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小高パイオニアヴィレッジの会員でもあり、一般社団法人AFWの吉川さんをお招きし、視察で抱いた疑問や感想をお互いにシェアし、話す会を開催しました。

吉川さんは元東京電力の社員であり、2012年より原子力発電所のは色に向けた現状を多くの人に伝える活動をされています。

当日は2000分の1スケールのジオラマも持ってきてくださり、実物をみた中での質問に対し、元東京電力の社員であり、今も一般社団法人AFWの立場から廃炉や原子力に関する最前線で活動されるからこその情報量で補足・回答くださいました。

イメージだけで語られてしまいがちだったり、デリケートゆえに触れづらいトピックに対してより多くの人に正しく知らせ、考えてもらう活動をされています。

吉川さん出版の本も合わせて読んでいただければ、予備知識がなくとも、福島第一原発の歴史と今を知ることができます。

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長く向き合っていかねばならない、先送りのできないテーマ。

未だこの一連の事故にともなう問題は山積しています。
島という言葉につきまとう風評被害、残る高線量の避難指示区域、最近で言えば処理水の排出方法など。

多くの人が関わるからこそ、立場により意見は様々です。
交渉や調整が必要なこともなかなか前に進まないことがあるでしょう。

しかし、どの問題も先送りにしたり、蓋をすることもできません。
数十年、ものによりは百年をこえて付き合う問題になるかもしれません。
みながまず無関心を打破し、考えをもって向き合い、必要なときには声をあげ続けることが、私達にできることです。

お読みいただきありがとうございました。
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