横浜F・マリノス/2019年フォーメーション予想~4バック編~
ウーゴヴィエイラ、伊藤翔、中町公祐、中澤佑二、山中亮輔がいなくなった2019年のマリノスは一体どうなってしまうのでしょうか。とは言っても、後ろばかりを見ていても仕方がないので、2018年のマリノスをもとに2019年のフォーメーションを勝手に妄想してみます。
まずは、2018年夏以降の基本フォーメーション(4-1-2-3)から、移籍した選手を除いてみる。
●むしり取られた前髪
ウーゴヴィエイラが抜け、伊藤翔が抜けた。マリノスの公式戦から、少なくとも39得点が消えた。FC東京にレンタル中だった富樫敬真は完全移籍でFC町田ゼルビアへ、町野修斗はレンタル移籍でギラヴァンツ北九州へ。シーズン前半はセンターフォワード(CF)での起用も数回あった大津祐樹だが、夏以降はインサイドハーフ(IH)として定着。大津のようなコンバートも含めフォワードがごっそりと抜けた結果、CFは1人も残っていない。0人である。前髪をむしり取られたような気分だ。
●刈り上げられた左側頭部
左SBも0人である。レンタル中だった下平匠がジェフユナイテッド市原・千葉へ完全移籍、さらにJクラブのほとんどが編成を終えている時期に、山中亮輔が浦和レッドダイヤモンズへ完全移籍。山中の移籍金は2億で、むしり取られたというよりは、出会い頭に左側頭部の髪をバリカンで刈り上げられたと言っていいだろう。もはやアシンメトリーである。皮肉にも山中と同じような髪型になってしまったが、気を取り直して新しく加入した選手を植毛していく。
●いざ植毛
広瀬陸斗とパギ(パクイルギュ)は、カップ戦などで結果を出してから既存メンバーとポジションを争うイメージだろう。2018年の仲川輝人スタイル。ヴァンフォーレ甲府からレンタルバックした高野遼もそのイメージだったが、図らずも即戦力候補に。李忠成、マルコスジュニオール、三好康児の3人は、間違いなく即戦力としての補強だ。ということで、まず2018年の基本フォーメーションである4-1-2-3の場合、この3選手がどこで起用されるのかを考察してみることにする。
●李忠成
まず、むしり取られた前髪の救済者となったのはこの男。鹿島アントラーズから伊藤翔にオファーが届く前から、マリノスは李の獲得に動いていたと言われている。来季のCFの軸と見られていた伊藤翔の移籍が決まったことで、李にかかる期待は想定よりも大きくなった。
李は2016年の公式戦38試合12得点、2017~2018年は出場機会が激減しているが、この2年間で先発した公式戦15試合では5得点を記録している。単純計算で、リーグ戦30試合先発なら10得点だ。得点源として十分に期待できる。
またヘディングが得意なんだそうで、最近さっぱりなコーナーキックも李次第で武器になるかもしれない。
●マルコスジュニオール
ドラゴンボールをこよなく愛する男。加入内定発表時の写真は物議を醸した。マリノスは昨夏にもオファーを出しており、マルコスJrの獲得はボス(ポステコグルー)予ての希望だと思われる。
前半がゴール集、後半がプレー集となっているこの動画を見る限りだと、攻撃的なポジションならどこでもやれそう。レイオフなど味方を使うプレーが巧く、バックドアで裏を取るシーンも。スピードもかなりのもので、がんがん裏に抜ける。サイドがフリーでもセンターにパスを通そうとするアティテュードは、如何にもボス好みだ。さらには大津顔負けの守備(6分40秒〜)まで見せられると、これはもう期待せざるを得ない。フルミネンセ公式戦144試合17得点だが、ゴールシーンだけを見ればCF起用でもマリノスの得点パターンにハマりそうな気がしないでもない。当然ウイングもいいだろうが、仲川もいることだし、ご覧の通りセンターで攻守に渡ってかなりいい仕事ができそうなので、右IHでの起用と推測する。プレーの幅が広そうな俊足のZ戦士は、動画通りならボスのポジショナルプレーにおけるラストピースかもしれない。おめぇ強えなぁ!オラぁワクワクしてきたぞ!
●三好康児
起用法で意見が分かれるのが、(あわよくば完全移籍でいただきたい)この男だ。北海道コンサドーレ札幌では主にシャドーでの起用だったが、ミヨッシというその愛称が示す通りサイドアタッカーとしても遜色ないクオリティで仕事ができる逸材。
個人的には、左ウイングでの起用ではないかと考えている。
理由は、マリノスのウイング事情。仲川輝人、遠藤渓太、ユンイルロク、イッペイシノヅカ、椿直起、(新加入のマルコスJrを含めても)全員が右利きである。左足からエグめのクロスを供給できるサイドアタッカーはマストだ。チームアシスト王の左SB山中がいなくなったので尚更である。というのも、マリノスは左サイドを天野を中心としたユニットで崩し、(時にはアーリー気味に)低弾道クロスを上げ、CF~右の仲川で仕留めるパターンが十八番(その為マリノスは前線の選手に身長を求めない)。渓太はシーズン中盤以降は左ウイングに固定されたが、やはり左足での低弾道クロスを要求される局面は多く、精度を欠くことも少なくなかった。実際、左サイド起用時に限れば渓太のリーグ戦アシスト数は2回と物足りない。圧倒的に出場機会が少なかったブマルでも、左サイド起用時のアシスト数は2回だ。今のマリノスの左サイドは、左利きがベターなのかもしれない。
とはいえ、渓太の左足のクロス精度は確実に良くなってきている(ちなみに、起点となったのは左SB的に振る舞う畠中)。
●左SBをどうするか
結論から言うと、高野か畠中を使えば済む話である。申し訳ないことに、甲府の試合は全く見ていないので高野については語れない。とりあえず、ここでは畠中が左SBに入ると想定する。畠中がいるので、偽SBのポジショニングを前提として考えれば山中の移籍はそこまで痛くないのだ。決してやせ我慢ではないぞ。
偽SB的なポジショニングで、天野へのプレスバックからの逃げ道になる畠中。
扇原とポジションを入れ替えてビルドアップに絡んだことも。もともと中盤の底でもやれそうな逸材なのだ。
ポジショニング、パス精度、プレス耐性など、インサイドに絞ってビルドアップに絡むという点だけなら、山中より畠中の方が1枚上だと見ている。
山中の武器であるミドルシュートも、飛び道具が減るという点では確かに痛い。ただ山中がハーフスペースにいない分、天野がハーフスペースで攻撃のお仕事をする時間が増えるだけなので、大きなマイナス要素にはならないと思っている。
どうしても「痛い」と認めざるを得ないのは、やはりあの高速低弾道クロスを失ったこと。こればかりは本当に代えが効かない。
●まとめ(4-1-2-3の場合)
妄想ポイント
(1)左SB畠中でビルドアップ安定、ネガトラ改善
(2)左ウイング三好で攻撃面の山中ロスを軽減
(3)右IHマルコスJrで増えそうな右サイドの崩し
(4)(3)が実現なら天野が動き回らずに済むかも
(5)(4)の結果、更にネガトラ改善
(6)そんなに上手く行くかいな・・・
個人的にあるんじゃないかと思っているのが、仲川のCF起用。時間こそ短いがCFが交代で下がり仲川がセンターにシフトする形が、記憶している限りでは2度あった。機動力のある仲川なら、アグエロばりにビルドアップに積極参加できるだろう(実際、最終節の2トップ起用時もビルドアップに参加していた)。爆発的なスピードと得意のドリブルでディフェンスを剥がすこともできる。公式戦37試合13得点と決定力も問題ない。これを「仲川メルテンス化計画(通称:テルメンス)」と勝手に呼んでいる。ブラジル人CF獲得の噂がいくつか出ているので、ただの妄想に終わるだろう。
●おまけ1(4-2-1-3の場合)
天野が1列落ちて左SBは高野。去年より前線に足が速い選手が増えたし、ビルドアップがうまくいかないときに試してほしいモンバエルツ式サッカー。
●おまけ2(天野が左ウイング)
完全にネタで考えていたが、山中なき今、あながち無いとも言えない気がしてきた布陣。最近エグいクロスを平気で放り込んでくる天野を左ウイングで、三好を右IHで起用。マルコスJrと三好には巻いたシュートをたくさん打ってもらおう。でも、たぶん実現はしない。
〜3バック編に続く〜
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