無題

第32節 松本山雅FCvs横浜F・マリノス 2019.11.23(完全マリノス視点)

スタメンはこちら。

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■松本の非保持(ゾーン1)

マリノスのビルドアップの邪魔をするのは2トップ+ボールサイドの2列目。

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ざっくりこんな感じ。松本2トップはマリノス2CHに入らないよう警戒しながら。前からがっつり嵌めてくる感じではない。

■松本の非保持(ゾーン2)

マリノスのバックスの1列前にボールが入ったら5-3-2。2列目はボールサイドへスライド。前回対戦時と同じ。

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ざっくりこんな感じ。マリノスはこの2列目のスライドを利用し、左サイド密集→バックスへ戻す→右サイドへ展開から先制点。ほとんど仲川輝人の質といっていいゴールで、逆足でこんなカットインショットが打てるのならば、もうこの男は誰にも止められない。

ダイレクトに逆サイドへ展開しなくても、2列目脇の大きなスペースを使えたことは、マリノスにとって、マツケンとテルにとって大きかった。

■徐々に攻めあぐね始める。

その後もこの「左に寄せて戻して右サイド」パターンを基本とし、攻め続けるマリノス。喜田がチアゴの右側に降り、マツケンを1列上げ、テルとのホットラインの距離を縮めたり、松本の前4枚を引きつけてその裏で扇原を浮かせる動きもグッド。しかし途中から松本の2列目がゾーン1でもあまり前に出てこなくなってから、マリノスの攻撃は停滞気味に。松本が「動かない」ことを選択したことで、マリノスは相手を「動かせない」状態が続いた。主にマツケン(たまに喜田)がワイドへ開き、テルを内へ絞らせることによりHVにあえて基準を与え揺さぶろうとする動きも序盤から見られたが、うーんどうだろう。この動きにもう少しマルコスとエリキが連動できていれば、2点目はもう少し近かったかもしれない。ただそんな停滞した時間帯でも、マテウスの独力突破でゾーン3へ運べることは、マリノスにとって大きいと感じた。

■後半になっても攻めあぐね、

後半、松本の2列目(20番と47番)はマリノスSBを見る意識が強くなる。

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上図はあんまり前半序盤と変わらないのだけれど、下図は少し厄介だなと感じた。マンツー気味に監視されることにより、前半序盤の攻撃の肝だった「サイドに寄せて戻して逆サイドへ展開」パターンが使えない。

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やはり前半と同じようにはやらせてくれない。これにより意図的に外外を使わされる。対してマリノスは松本を能動的に、効果的に動かせない。まあ、松本がうまく守備対応していたのだけれど、それにしても、マリノスのパス回しの単調感は否めなかった。ハーフスペースでの喜田ターンは痺れたけれども。

■渓太遠藤渓太Wow Wow!

トリコロールを救うのは、トリコロール生まれトリコロール育ちの遠藤渓太なのかもしれない。オフサイドにはなったが、ピッチに立って早々MALIA.の元旦那の裏を積極的に狙う。これは、どちらかというと下がって足元で受けたがるマテウスとの大きな違いだろう。タッチラインに背を向けて前へ抜ける強い意志と意識(カットインもあるよ)。インサイドへ絞っても裏へ抜ける意識(2回シュートがスカッたのはご愛嬌)。イズマが入って微妙になった松本の前線守備もあいまって、マリノスは徐々に「らしさ」を取り戻していく。

■松本は4-4-2へ

渓太がインサイドに絞って扇原がダイアゴナルに開いて・・・このノリノリの時間帯、フィーバータイム中に追加点を決めて楽に試合を進めたかったのだが、敵わず。そして松本は、アンカーの藤田に代わってパウリーニョが入り4-4-2へ。マリノス4バックに対しCF+SHを当てる形で、ビルドアップをひっかけられあわやの場面も。しかしイズマの守備の微妙さもあり、落ち着きを取り戻すマリノス。もう少しイズマがもう少し守備ができたらヤバかったかもしれない。畠中に突貫プレスをかけざるを得ない(守備時2トップ?)松本の42番が可哀想だった。

■追えるゴリれる受けられる

大津祐樹の存在は本当に大きい。シューティングゲームのホーミング弾のように相手を追い回せるし、ひとたび前を向けばそのフィジカルでゴリゴリ前進できるし、カウンターでもいいタイミングでサイドに流れるし、CFとしてターゲットにもなれる。途中出場でチームとして求められているタスクを完全に理解し、遂行している。あの李忠成がベンチ外なのは、そんな大津のせいなのかもしれない。

■扇原の守備とか即時奪回とか

扇原はボールロスト時の中盤のフィルター役として、今節もとても機能していたし、終盤は彼のアグレッシブな守備に幾度となく助けられた。イズマの守備が甘いと見るや、積極的に中央で前を向ける位置でボールを受けた。今やとても欠かすことのできない選手なので、川崎戦では是非無警告で終えてほしい(あと1枚イエローをもらうと次節出場停止)。扇原だけではない。「チーム全体としての即時奪回への意識」が、今年のチームが一番成長したところではないかと思う。「勇猛果敢→ボールロスト→即時奪回→勇猛果敢」このループがアタッキングフットボールを可能にしている。この辺りももう少し見直して書きたいけれども、最近の試合を全く見直せていない+当日レビューという事で、割愛させていただく。

そして、遂に首位。ここまで来たら、もう優勝するしかないよね?

To Be Continued
(因縁のアウェイ川崎戦へつづく)



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