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#982 業務の属人化を防ぐコツは、発想の転換にあり

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日の放送のテーマは、「業務の属人化を防ぐコツ」こんなテーマでお届けをしたいと思います。
放送のきっかけは、チャンネルの質問ボックスにご質問をいただきました。
質問者さんは、ばななさんです。
ばななさん、いつもありがとうございます。

業務の属人化を防ぐコツとは?

【小田木さん、こんにちは。毎朝、元気をいただいております。
早速ですが、小田木さんにアドバイスをいただきたいことがあり、メッセージをしました。
ずばり、「業務の属人化を防ぐコツとは?」です。
先日、尊敬している同じチームの先輩の退職を告げられ、大きなショックを受けています。
しばらくは心にぽっかり穴が開いたようにやる気をなくしていたのですが、具体的に引き継ぎを進めていく上で、いかに業務が属人化していたかを実感し、悲しんでいる場合ではないと目が覚めました。
その先輩は、大変仕事ができる方なので、一人で何役もこなし、業務が集中していることは本人も周りも感じていました。
しかし、ついつい日々の業務に追われ、いざ先輩の退職が決まった今になって、引き継ぎにてんやわんやしている状態です。
ですので、これを機に自分自身の業務も見直し、普段から属人化を避けられるような仕組みをチームに取り入れたいのですが、例えば、共有フォルダーの整理整頓、レギュラー業務に定型フォーマットを活用など、ありきたりなアイデアしか浮かびません。
具体的なアドバイス、考え方、もっと根本的な問題点まで、小田木所感をぜひ伺いたいです。
よろしくお願いします。】

ばななさん、ありがとうございます。
一緒に考えたいと思いますが、まずは、大好きな先輩の退職、バナナさんが言う、心にぽっかり穴が開いたような状態も想像がつきますし、一方で、現実に引き継ぎを進めていく上で、悲しんでいる場合ではないという、まさに現実に目を向けながら奮闘している様子が目に浮かぶようでした。

業務の属人化って、このテーマがないチームってあんまりないんじゃないかなというぐらい、割りと鉄板の課題感ですよね。
そこを脱する必要があるというのは頭では分かっていても、なかなか難しい。それが業務の属人化なんじゃないかなと思います。
その人ならではの強みとかパフォーマンスを大いに発揮してもらいながら、一方で、チームとして持続可能な再現可能な仕事のクオリティや品質を担保していく。このバランスの難しさも、業務の属人化というテーマの中には含まれていたりしますよね。

属人化している状態とは

ここからは小田木所感ですが、解決すべき業務の属人化に対してどう考えていくか?どこに考えたり実行していく着眼点がありそうか?それを共有させていただきたいなと思います。
まず、解決したほうがよさそうな属人化している状態とはどういう状態か?というところなんですけど、私はシンプルに二つに分けられるかなと思っていまして、一つは、やり方が分からない。もう一つは、やれる人がいない
この二つですよね。
やり方が分からないというテーマについては、まさにばななさんが挙げてくれた、共有化とか標準化とか可視化が具体的な手段になっていくと思いますし、やれる人がいない、それを再現したり、広げたりすることが難しい、こっちについては、やれる人を増やす、教えていくとか育てていく。こういう方向性になりますよね。

属人化の解消に向けて本気になれない

ただ、今回はたぶんここじゃないと思うんですよ。
ここではないというのは、じゃあどうやってやり方を共有化していくか?でもないし、どうやってやれる人を増やしていくか?でもない部分だと思っていまして、皆さん、ちょっとフラットに考えてみていただいていいですか。属人化を防ぎたい。例えば、今回のばななさんの文脈だと、異動や退職時の引き継ぎに困るので、やっぱりの属人化を防いでいかなきゃいけないよね、こういう文脈になるんですけど、これだと本気になれないな。そう思いませんか。
異動や退職で引継ぎが必要になった時に困るというのはもちろん分かるけれども、本気になれない。
だって今は回ってるしとか、そんな時間の余裕もないし
だから万が一の時に備えましょうと言いながら進めようとする属人化って、本気になれない問題が実は一番大きいと思うんです。
言い換えると一番難しいのは、属人化の解消に向けて、みんなが動き出せない。ここだと思うんですよね。

じゃあ、属人化を防ぐコツについて一番難しいのが、そこに向けてみんなが動き出せないという難所であれば、ここについてどう考えるのかというところなんですけど、私は、属人化というテーマが大きすぎる問題があると思うんですよね。
さらに、属人化というテーマは、実は取り組みの目的にも理由にもならない
これが、実は真に解消すべき課題かなと思っています。
分かりますか。
属人化というテーマそのものは、取り組みの目的にも理由にもならない。
どういうことかというと、本来は具体的に生じている困りごとが、何かをチームで進めるときの理由になり、そしてその困りごとを解消して実現したい望ましい状態が、本来の目的になるんですよね。
それを属人化を防ごうとか、属人化を解消しようみたいなスローガンで語っちゃうと、範囲も広すぎちゃって、どこに焦点を絞っていいのかも分からなくて、それでどうしたらいいんだったっけ?というところも見えなくて、みんなが立ちすくむ。
これが、進める難しさなんじゃないかなと思います。

解消したい困りごとや、どうなりたいかを徹底的に具体的に絞り込む

じゃあ、どうしたらいいかなんですけど、今の「属人化というテーマが大きすぎて、取り組みの目的にも理由にもならない」これを切り替えていくというのが、具体的な実践方法になるかなと思います。
なので、具体的に生じている困りごとは何か?
それを解消して実現したい望ましい状態は何か?
これを具体的に言葉にしていく感じですよね。

例えば、こんな感じです。
具体的に生じている困りごとは、顧客へのレスポンスが遅いんだよね。本当はもっと顧客にレスポンスを早くしたほうがいいんだけれども、どうしても属人化しちゃっているしとか、その人しか分からないことが多いし、だからチーム全体でレスポンスが遅いんだよね。
これが具体的に生じている困りごとで、じゃあどうなりたいの?といった時に、実現したい望ましい状態は、スピーディーにレスをして、顧客の支持を上げたい。
ここまで具体化すると、じゃあ具体的にどうするか?
これが、チームのみんなだったら見えると思いますし、それを今、やる意味やって変わる世界観も魅力的に見えるし、じゃあやろうかみたいな、そこのテーマだったらいけるんじゃない?こんなふうに進んでいくイメージですね。
例えば、他には、今、会議が進捗確認だけでめちゃくちゃ時間がかかっていて、これをなんとかしたいよね。
これが具体的に生じている困りごとだとすると、じゃあ、その問題を対象にして、相談や検討ができる会議にして、仕事の効率をみんなで上げようぜ。ここまでフォーカスができると、たぶんこれはもう前進させていけるんじゃないかなと思います。
ここまでテーマが具体的であれば、何が原因か?何が解決すべき問題か?というのも、たぶん具体的に出てきますし、じゃあどうするか?というのも、具体的にみんなで決められる。
なによりも、具体的に前進させると、小さい成功体験を生みやすくなるんですね。
そうしたら、次はあっちを変えていこうとか、これもなんとかしようぜ、そんなプロセスや体験をチームみんなですることで、改善体質が定着していくという、そんなイメージです。
伝わりますか?

なので、超シンプルに考えると、業務の属人化を防ぐコツというのは、具体化
とにかく、解消したい困りごとや、どうなりたいかを徹底的に具体的に絞り込む
そこからやっていくというのが、私が考える業務の属人化を防ぐコツだなと思います。
なぜ具体化する必要があるかというと、広くあまねく属人化を防いでいきましょうだと、みんなが動き出せないし、本気になれないし、具体的に何をやったらいいのか見えにくい。
こういう状態が、たぶん実行をより難しくしてしまうので、具体的にフォーカスして、小さい成功体験をみんなで積んでいけるというスタイルを、ぜひおすすめしたいなと思います。

ということで、ばななさん、ご質問ありがとうございます。
先輩の退職は残念だと思いますけれども、チームが困らない状態をつくっていけそうなので、先輩、頑張ってくださいと、笑って送り出せるような、そんな環境が作っていけるといいですよね。
私はばななさんを応援しております。
ご質問ありがとうございました。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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