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東方楽曲全曲感想02【東方妖々夢】編

まえがき

東方Projectの楽曲がついに、ついにサブスク実装されました!

の第二弾ということで、東方シリーズで紅魔郷の次作にあたる妖々夢についても全曲の感想を書いてみたいと思います。


妖々夢楽曲全体について

東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom. は2003年に発売された東方Project 第6弾となるゲームです。
妖々夢は、「冬が開けずに春が来ない、その原因を探りに行く」というストーリーになっています。なので全体的に冬という雰囲気の曲が多いです。
明るくなくて、暗くて寒い雰囲気。

また、東方は初期3部作(第5~7弾 紅魔郷・妖々夢・永夜抄)が今でも根強い人気をもっており、
この作品も一部の曲とキャラは東方全体を通して有名です(ファン人気投票でも上位に来ます)。

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前作紅魔郷は平均律とずれていると話しましたが、今作はそういうことはないようです。
そして、前作に続き妖々夢も同じくMIDI版が収録されているのですが、こちらもWAVE版とは雰囲気が違います。
また、妖々夢には体験版Plus版という、今公開されている体験版とは違う限定版があります。
これは立ち絵が違ったり、没になった敵攻撃が含まれていたり、1~7曲目は製品版と違うアレンジが施されています(WAVE版・MIDI版ともに)。
この体験版、オークションで10万円単位で取引されていて、さらに偽物が多いらしいので、ファンには辛いものです。

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妖々夢の正式なゲームタイトルは「東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom.」なので、
各種サブスクのアルバム名はスペルが間違っていますね……(2021/09/02)

01 妖々夢 ~ Snow or Cherry Petal

タイトル曲
前作(紅魔郷)より、低音のピアノ音が響くせいか物寂しい雰囲気を感じる曲です。
0:34~の4拍子にかわるところから、少し明るそうな雰囲気を出すのですが、やっぱり寂しい……。

02 無何有の郷 ~ Deep Mountain

1面(雪原をゆく)道中曲
読み方は「むかうのきょう」
アコギの2つの音から始まる特徴的なイントロです。それが好き。
「雪の積もる日に、異変を解決するために出陣する」のですが、この曲は雪の積もって晴れた朝にぜひ聞きたい曲トップ10に入る曲です。
管楽器の中音域がRPGのフィールドBGMのように感じるのですが(ドラクエをイメージ)、
それもまた、出発の雰囲気を醸し出す要因になっていると思います。
0:44~あたりからベースの音域がめちゃくちゃ高くなるのも好き。

03 クリスタライズシルバー

1面ボス 雪女 レティ・ホワイトロックのテーマ曲
雪でテンションがあがった雪女との戦闘曲。
出てくるキャラクターのテンションが高いので、曲のテンションも高くなっているのかな?と。
ちょっとロック風味を感じる冬の曲です。
短い主旋律ですが、トランペットで演奏されてるの好き。

04 遠野幻想物語

2面道中(進んでいくなか謎の村に迷い込んだ)曲

迷い家(まよいが、マヨイガ、マヨヒガ)とは、東北、関東地方に伝わる、訪れた者に富をもたらすとされる山中の幻の家、あるいはその家を訪れた者についての伝承の名である。この伝承は、民俗学者・柳田國男が現在の岩手県土淵村(現・遠野市)出身の佐々木喜善から聞き書きした話を『遠野物語』(1910)の「六三」「六四」で紹介したことにより広く知られるところとなった。(迷い家 - Wikipedia)

マヨイガという伝承を舞台としたステージであり、マヨイガという伝承をテーマにした曲です。
悲しいイントロから始まるのに、明るいベースがなり始めたところから
その悲しさが少し打ち消される感じがして意表を突かれる曲だと思っています。
サビの明るさが好き。
なのに、冬の寒さとか、地方の不思議なノスタルジー成分が少し含まれていることを感じる素晴らしい曲です。

ちなみに、東方を通して、トップ1割に入るレベルで好きです。

05 ティアオイエツォン(withered leaf)

2面ボス 明るい猫又少女 橙のテーマ曲
2面ボスは今までと違って明るい曲です。
というのも、ボスがまだ妖怪化して浅い猫耳少女だから。
よく聞いたら、ドラムのリズムいいなあ……。

タイトルのティアオイエツォン(Diāo Yè Zōng)とは中国語で、日本語でいう『朽葉色(#917347)』を指す。漢字では『凋葉棕(凋叶棕)』と書く (ティアオイエツォンとは - ニコニコ大百科)

曲名は色を表すらしいです。また、「凋叶棕」という名の東方曲アレンジサークルも有名です。

06 ブクレシュティの人形師

3面道中(再び雪原をすすむ)曲
作品を通して冬がテーマとあって、全体的に暗い雰囲気の曲が多い中でも、特に始まりが暗いと感じる曲。
ゲームのステージ演出としても3面は暗いところから始まり、イントロが終わるところで白い背景に変わるので、
それもイントロの暗い印象に加担してるかも。
0:50~のトランペットフレーズだけは明るさを感じる(ここで中ボスと遭遇するからかな?)

07 人形裁判 ~ 人の形弄びし少女

3面ボス 人形を操る魔法少女 アリス・マーガトロイドのテーマ曲
東方の全体の中でも有名な曲、アレンジが有名ですね(「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」、とか)。
ZUNさんも戦闘のなかに明るさを取り入れた曲らしく、
メインフレーズが明るく感じるのは二次創作だけの影響ではないと思います。
個人的な感想をいうと、そうはいっても悲しい雰囲気を感じる曲です(短調ですし)。
ループ終わり(2:27~)のキラキラだけは明るく感じます。

最初のちょっと抜けてるように聞こえるアルペジオが気になる……。

08 天空の花の都

4面(上空に向かう)道中曲

アリスから、桜の花びらが舞っていること、その元を辿ることをアドバイスされた主人公たちは、それを追って雲の上まで来てしまった。上空は地表より暖かかった。

上空に登っていくステージ。周りに構造物は何もなくなり、音が散逸していくことを感じられる曲。
上空の春に近づき、攻撃をしかけてくる妖精たちを蹴散らして、
ついに元凶であろう謎の結界にたどり着いた。
そして、雲の上の結界の前で花びらと主人公たちだけになる瞬間に流れるフレーズ(3:57~)。
1ステージが1曲として完成されたひとつの作品です。

ゲーム内だと1ループしか流れないのですが、サントラは各曲2ループずつ流れるので、この曲は長いですね。

09 幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble

4面ボス お花見の余興として呼ばれたポルターガイストの演奏家三姉妹
ルナサ・プリズムリバー/メルラン・プリズムリバー/リリカ・プリズムリバーのテーマ曲

三姉妹はそれぞれバイオリン・トランペット・キーボードの演奏家なのでそれが意識されている曲です。
サビ(0:50~)からの明るさは最高。
サビのフレーズが繰り返されるごとに賑やかさと、それぞれの楽器が各々盛り上がっていくところが好きです。

サビ1ループ目のバイオリンフレーズは有名「てててて」
演奏家は三姉妹なのですが、3楽器以上使われているのは、彼女たちがそもそも騒霊だからなので……。

10 東方妖々夢 ~ Ancient Temple

5面道中(結界の中の冥界のお寺)曲
お寺ということで、笙の音色・鐘の音色が遠くから響いてくる曲。
この「和風に訪れたことを感じさせられる」曲が好き。
曲を聞いているだけで線香の香りや、森の香りが感じられる。
ちなみに、この曲から私がイメージするお寺は閑静なお寺かな……。
実際、ステージも冥界なので亡霊しかいない(閑静)。生きた人間は自分だけ。

11 広有射怪鳥事 ~ Till When?

5面ボス 半人半霊の西行寺の庭師 魂魄妖夢のテーマ曲
妖々夢の中で1番イントロがロックな曲
サビで何回も転調します。
サビをループするのですが、静かなパートが用意されていないのは、少し珍しく感じます。
ZUNさん曰く、

強敵+幼さを曲で表現してみたつもりです。

やはり、静かなパートなのないところが、落ち着きのない幼さを表しているのでしょうか?

12 アルティメットトゥルース

最終面(お寺の境内を進む)道中曲
東方の6面は最終面ということで、短く、そして焦らせてきます。
速い、そして激しい。

13 幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life

最終面ボス 寺の主で亡霊 西行寺幽々子のテーマ曲
ピアノの主旋律から始まるボス曲。
不穏な旋律(0:13~)を通して、トランペットによるテーマが始まり、最終ボスとの戦いを感じさせられる。
その中挟まれる(0:51~)戦いというより、おしゃれなフレーズ。
そこを経過して始まるサビ(1:04~)

最終面にふさわしく、多彩な展開で、激しく、そんな中に東方らしくメロディアスな部分が含まれる曲です。
好きなところがたくさん詰まった曲。
そして、よく動くベース……いいよね。

14 ボーダーオブライフ

最終面 ラストスペルの曲
ラスボスを倒したと思ったら唐突に始まる攻撃。
ストーリー的に重要な敵と相対したときの曲です。
「幽雅に咲かせ、墨染の桜」のアレンジなのですが、こちらのほうが不気味に始まり、激しくなります。
私はこちらのほうが好きです。
オルガンの音とトランペットでシンクロして奏でられる主旋律。
そして、最後にはピアノの主旋律をバックにハードなエレキギターが繰り返されるところ。
すべてが好き。ちなみに、イントロの不気味さがもっとも好き。

15 妖々跋扈

EX面道中曲

異変は解決したけれど、冥界の結界をやぶってしまったので、幽々子におつかいを頼まれた主人公はある妖怪の元を訪問しにいく。

非常に焦る曲です。
はじめは16分のピアノがよくわからない音をひたすら弾いています。
1:31~でガラッと雰囲気変わります、ここからの低音ピアノが好きです。
具体的には、ピアノのアルペジオが上昇旋律と下降旋律を繰り返します。
繰り返しフレーズではオクターブ下に移動するのですが、
そのとき低音で響くピアノが好きです。

16 少女幻葬 ~ Necro-Fantasy

EX面ボス 妖怪の式神の妖怪―九尾の狐
八雲藍のテーマ曲
この曲もベースの発狂エレキピアノが特徴です。
というか、私がベースの発狂エレキピアノが好きなので、そこに注目してしまうというか……。

実は、2つあとのネクロファンタジアがこの曲のアレンジなので、
そちらに感想の続きを書きます。

17 妖々跋扈 〜 Who done it?

PH面道中曲

EX面で会いたかった妖怪が留守だったので、今度こそ逢いに行くとうお話。

おまけのおまけなので、道中曲、ボス曲ともにEXのアレンジになっています。

EXとちがって、PHはシンセ音がメインになるよう変わっています。
他にも、サビの直前にタメがあるのが好き。

18 ネクロファンタジア

PH面ボス 境界を操る妖怪 八雲紫のテーマ曲
いきなり曲のサビが始まったかに思われる曲。
スタートダッシュが全力。
そして、発狂ベースと騒がしいシンセ。
うさんくさい妖怪なので、うさんくささが存分にでていて好きです。

少女幻葬ではサビ(1:12)の主旋律がトランペットだったのですが、この曲ではシンセでゴリゴリに奏でられています。
サビの下でピアノのアルペジオがひたすら繰り返されているの好き。
2:00~からのディレイの効いたピコピコしたフレーズ好き。
シンセ感を全面に押し出されていて、トランペットが使われがちな東方曲との違いに面食らうのですが、そこが好きです。

「うるさい」って動画サイトでみんなコメントする(テンプレネタ)。おもしろい

19 春風の夢

エンディング曲
あけない冬があけて春になった曲。
冬より春の方が明るいはずなのに、暗いエンディングです。
冥界のお寺で開かれるお花見なので、こんなもんなのかな。
「昔の記憶」感と「寺」感を強く感じます。
小さい頃の花見を思い返しているような……。

20 さくらさくら ~ Japanize Dream...

スタッフロール曲
誰もが聞いたことのある童謡「さくらさくら」の旋律から始まります。
日本人ならみんな好き。日本人の私も好き。日本人じゃなくてもきっと好き。
東方はエンディングよりスタッフロールのほうが明るい。
ゲームで遭遇すると対比でやられそうになります……。

あとがき

東方の曲はプレイ中に頻繁に聞く曲はよく聞くけれど、エンディング曲は全然聞かなさすぎて、
こういう場面で真剣に聞いてみたのは初めてでした。
すごく、新鮮な気分でした。

東方イントロクイズというサイトがあって、やってみました。
イントロだけを聞いてどの曲か答えるものなのですれど、
難易度をLunaticにすると、本当に最初のコードと楽器が一瞬流れるだけなので、
それだけで当てることになります。でも、意外と当てられました。
しかし、エンディングとスタッフロール、小数点タイトルはよく外します。難しい!

この記事を書くにおいて、ゲームのおまけテキストで楽曲についてのZUNさんのコメントを読みました。
2003年のインターネット語録を読むと、私自身が書く文章もそれに寄ってしまって……。
そうならないように気をつけました。
頑張ったはずです。まあ、こんな記事読む人はみんなインターネット老人なので、少々残っていても大丈夫でしょう(ぉ

この記事は私が感想をただただ書き連ねているだけです。
ですが、私もみなさんの感想をみたいです。よければ短くてもいいのでコメントで書き捨てていただけると私が喜びます。

最後に、もう一度サブスクのURLを


書き始め:2021/09/02
書き終り:2021/09/05
投稿:2021/09/05

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