東方楽曲全曲感想04【東方永夜抄】編
まえがき
東方Projectの楽曲がついに、ついにサブスク実装されました!
4回目ですが今回は東方Project 第8弾―東方永夜抄の感想を記事にします。
03で記事にした萃夢想は黄昏フロンティアとコラボの格闘ゲームでしたが、
永夜抄は再びZUNさんがすべてを手掛けるSTGとなっています。
紅魔郷・妖々夢・永夜抄で初期3部作と言われています。
この3作品は今でも根強い人気のある作品で、永夜抄も多分に漏れません。
そして、私の中でも好きな曲が揃っています。
永夜抄は、東方作品で特徴的な「トランペット」や「ピアノ」が光る楽曲が揃っています。
これが好きな私にとって、もちろん曲も大好物です。
永夜抄 楽曲全体について
東方永夜抄 ~ Imperishable Night. は東方楽曲=トランペットの印象を強くした作品です。
もちろん東方の他の作品でもトランペットが使われていますし、すべての曲でトランペットが使われていないなんてことはないのですが、
この作品によって、東方の曲における特徴的なトランペットがみんなの記憶に残ったと思います。(ZUNペットなどと呼ばています)
そこから派生して、東方風自作曲や、東方風アレンジという文化も生まれました。
メインフレーズを独特のリバーブとビブラートの効いたトランペットで奏でられれば、東方ファンとして盛り上がらざるを得ないということです。
(ZUNペットが印象に残っている曲:10 恋色マスタースパーク, 11 シンデレラケージ, 13 ヴォヤージュ1969, 14 千年幻想郷, 15 竹取飛翔, 18 月まで届け、不死の煙)
さらに、東方楽曲の代名詞とも言える発狂ピアノも、この作品で強く認識するようになった気がしました。
サビのメインフレーズの途中からトランペットから代わって始まる、速弾きピアノフレーズはとても印象に残ります。
(発狂ピアノが印象に残っている曲:07 プレインエイジア, 09 少女綺想曲, 14 千年幻想郷, 15 竹取飛翔, 18 月まで届け、不死の煙)
01 永夜抄 ~ Eastern Night.
タイトル曲
「いつもの曲」をはっきりと意識させられた曲になります。
「いつもの曲」とはこの曲の裏でずっと鳴っている8分音符のフレーズです。
このフレーズは東方の色んな曲で多様されています。
実は紅魔郷や妖々夢でもタイトル曲でこのフレーズが使われていますが、
特にこの曲では、ずっと流れて、永夜抄でなんども使われているのではっきりと知覚します。
ちなみに、永夜抄以降のタイトル曲では、すべてこのフレーズのアレンジが組み込まれています。
そして、いろんな作品の曲にこのフレーズが登場するので気づくと、おっ、という気分になって、少し嬉しいです。
02 幻視の夜 ~ Ghostly Eyes
1面(夜の森、上空)道中曲
夜の森を飛んでいく曲です。永夜抄はタイトルから想像できる通り夜の異変を解決しにいくストーリーです。
満月の様子がおかしい、そして夜が明けない。そんな夜に、調査のために主人公たちは、妖怪たちとタッグを組んで出陣します。
風切り音から始まり、エコーの効いたピアノを中心に奏でられるメロディ、バックコーラスの音も不思議なディレイが効いていて、
夜の孤独感と、満月の高揚感が感じられる曲です。
03 蠢々秋月 ~ Mooned Insect
1面ボス 虫を操るホタルの妖怪 リグル・ナイトバグのテーマ曲
虫の妖怪です。なので羽で飛ぶような音が特徴の曲です。
東方の1面ボスは異変と直接関係なく、通りすがりに倒される役が多いです。
リグルもそんな他のメンツと違わず、ただのお転婆妖怪少女。
夜の妖怪なのに恐怖感や重鎮感はなく、陽気さが含まれています。
04 夜雀の歌声 ~ Night Bird
2面(夜の森、上空)道中曲
主人公は異変を探るために夜を翔けます。
夜のどこからともなく、鳥の声が聞こえてくるそんな曲です。
シンプルなメロディにピアノが装飾していく様子の美しい曲です。
05 もう歌しか聞こえない
2面 歌う夜雀の少女 ミスティア・ローレライのテーマ曲
夜雀の力によって暗闇での視界が効かなくなってしまう。そんな中に歌声が聞こえてきたという曲。
管楽器の空気が抜けるような音が裏でずっと鳴っているのですが、それが好き。
06 懐かしき東方の血 ~ Old World
3面(人間の里に向かう)道中曲
3面は人里で人間にまぎれて寺子屋を開催している妖怪―歴史を扱う上白沢慧音と出会います。
妖怪とタッグを組んでいる主人公は異変の主犯者と認定され、人里を害から守るために、歴史を操る能力で隠されてしまいます。
歴史をモチーフにした妖怪のステージということで、懐かしい感じのする曲を作ったらしいです。
(旧作のアレンジということらしい)
07 プレインエイジア
3面 歴史を操るワーウルフ 上白沢慧音のテーマ曲
ピアノがめちゃめちゃ主張してくる曲。
イントロからずっとピアノが主旋律を演奏しています。
0:38~からの細かいピアノが好きです。
そして、当時はリアルのピアノ演奏動画を動画サイトで漁りまくったり、楽譜動画を漁りまくったりしていたのを思い出しました。
それくらいこのピアノの旋律が好きです。
08 永夜の報い ~ Imperishable Night.
4面(竹林を疾走する)道中曲
タイトルと同じ「いつものフレーズ」が速いBPMで流れる曲。
11拍子でピアノのフレーズがひたすら繰り返され、異変の解決に焦りだした主人公たちの気持ちを代弁してるように感じる。
0:38~から次のフレーズに移り、
0:54~のピアノとトランペットがユニゾンするフレーズは美しさ成分を過剰摂取してしまう。
焦りと、美しさの按配が心地よい。
1:16~のフレーズではピアノの細かい動きの中に、笑いのような動物の鳴き声のような……、
夜を翔ける中、何者かに覗かれているような……。
気味の悪さと、主人公たちの手による”永夜の報い”を感じる曲です。
09 少女綺想曲 ~ Dream Battle
4面ボスA 人間の巫女 博麗霊夢のテーマ曲
永夜抄は”異常な満月”と”明けない夜”の異変なのですが、
最初、人間の主人公たちは"異常な満月"には気づきませんでした。
しかし、妖怪はそのことに敏感なので、人間を唆かして"明けない夜"を作り出し、
異常な満月の原因を突き止めようとしました。
一方で、このステージで敵対する人間は”明けない夜”に気づき、その首謀者を退治しに来たのでした。
つまり、4面ボスでは、それぞれ選択した自機と対になるキャラクターと対戦することになります。
自分が異変の主犯者として退治される側になる。これが、4面道中タイトル曲でもある”永夜の報い”と繋がるのです。
霊夢のテーマがこの曲なのですが、やっぱり、0:19~で現れ0:30~ソロを演じるピアノが最高です。
主人公のテーマなので、明るくて可愛い曲なのですが、
そんな明るくて可愛い曲を歪んだギターと発狂ピアノで強くかっこよく昇華させているのが、この曲の魅力です。
10 恋色マスタースパーク
4面ボスB 人間の魔法使い 霧雨魔理沙のテーマ曲
同じく対になる主人公なのですが、こちらも可愛くて疾走感の溢れる曲です。
霧雨魔理沙の努力を隠す努力家という側面、強がってるけれど乙女チックな側面をもっている。
ギターとトランペットの疾走感のあるフレーズの中に入る0:11~の可愛いメロディが、魔理沙の性格を感じることができます。
11 シンデレラケージ ~ Kagome-Kagome
5面道中(竹林の中の屋敷内を進む)道中曲
サブタイトルにもあるように童謡かごめかごめのアレンジが含まれた曲です。
かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?
竹林の中には大きなお屋敷が建っていました。”異常な満月”の原因だと考えた主人公は屋敷を訪れるのですが、妖怪のうさぎ少女に執拗に追い返されます。
また、この曲は中ボスのみに出演するキャラクター
地球の妖怪兎 因幡てゐのテーマ曲 のように扱われることもあります。
イントロのピアノで奏でられる「かごめかごめ」ではっとさせられます。
そこから、いきなりトランペットで奏でられるサビ。
かっこよすぎて、これがボス戦ではなく道中曲であることが信じられないくらいです。
トランペットで高音まで使い高らかに奏でられるメインフレーズ。バッグで演奏されている三味線のような音。
昔話の世界に入ったような気持ちにさせられます。
1:13~は再び、かごめかごめのフレーズが三味線の音色で奏でられます。
1:34~静かになって、「トランペットのメインフレーズ」と「三味線のかごめかごめ」のみで作られたタメのパート。
1:58~再び盛り上げます。ドラムも音を盛り上げ、力強いメインフレーズを強烈に印象付けられます。
2:23~曲がループするわけでなく、転調して再び「かごめかごめ」のフレーズに戻る意外性があります。アコギと三味線で静かに落ち着いたあと、
もう一度盛り上げてくる、ものすごい曲の構成と、ここまで完成度があると、
自分が今ままで聞いてきた中で最高に完成された曲と言っても過言ではないほどです。
そして、本当にZUNペットの力強さというものも印象付けられます。
12 狂気の瞳 ~ Invisible Full Moon
5面ボス 月の妖怪兎 鈴仙・優曇華院・イナバのテーマ曲
侵入者である主人公たちを追い返すために出迎える、月のウサギと戦います。
月の住人は近未来の能力を持っています。このキャラクターも波長操作を用いて人の視覚を操作するという能力を持っています。
不安定なイントロから始まるこの曲が、それを表しているように感じます。
16分で刻まれるサビ前のピアノも好き。
1:06~ここからはじまる力強くトランペットで奏でられるメインフレーズは当時ニコニコ動画などで流行りました。
このフレーズ結構好きなんですが、実際に聞くと不安定さをだすためにぶつ切りで終わるのが意外でした。
13 ヴォヤージュ1969
6面道中(屋敷の廊下)曲
ピアノのアルペジオを背景に美しいピアノの旋律から始まる曲。
そして、焦らせる高速ベースとドラムで作られるフレーズで焦燥感にかられます。
3拍子が終わって始まるトランペット0:54~
めちゃくちゃ高い旋律を奏でているのが好きです。
14 千年幻想郷 ~ History of the Moon
最終面A 元月の民の賢者 八意永琳のテーマ曲
永夜抄は6面が2つに別れています。初クリアのときはAルート、2回目のときはBルートに別れます。
異常な満月―偽物の月を作り出した犯人は、八意永琳だったのです。それは月からの従者から輝夜を隠すため。
そのためAルートの時点で主人公たちは月の首謀者に出会うことができます。
そして、首謀者をとっちめるため戦うことになります。
YouTubeでこの曲に対するコメントに「全編サビが詰まったような曲」とありますが、的をいている素晴らしいコメントだと思いました。
0:13~アルペジオのきれいなフレーズでイントロから落ち着いて何かが始まる予感をさせられます。
0:23~ここのフレーズめちゃくちゃ好き。トランペットで演奏されるこのメロディラインは一目惚れです(一耳惚れ)。
どこか聞き馴染みがあるきがして懐かしくなり、落ち着いてかっこいいフレーズです。
低音でなっているピアノのアルペジオと、裏でなっている細かい電子音も好きです。
1:26~2拍子になってピアノのアルペジオ。永夜抄のオープニングでも使われている「いつもの曲」のフレーズが使われて、再びタメてきます。
1:38~2つ目のメインフレーズ。ピアノとビブラートの効いたシンセの音の掛け合いで作られるフレーズ。
ピアノによる高速ベースフレーズも追加してきて最後の盛り上がりを予感させられます。
2:03~トランペット=ZUNペットでこのメインメロディが演奏され始めます。
バックでなるフランジャーの効いた音も盛り上げに一役買います。
2:15~同じフレーズをトランペットがオクターブあげて演奏します。
ここまで高音をだすか! 高音すぎてもはやトランペットではない。
でも、そんなことはどうでもいいのです。この曲の、通常ではありえないような高音トランペットで魅せられてしまっては。
最後の限界突破をしたような音で最高潮に達しますね。
2:28~ここで終わらずに始まる、ピアノパート。いわゆる発狂ピアノ。
東方の曲はピアノが美しい。そう思わせるような綺麗さと、演奏難度の高そうな過激さが、心地いいです。
2:40~ピアノとトランペットが合わさった、オールスター。もうここまでくれば何も語ることはありません。
東方の中でも屈指の名曲です。
15 竹取飛翔 ~ Lunatic Princess
最終面B 元月のお姫様 蓬莱山輝夜のテーマ曲
永琳は月から彼女を匿っていたのです。
月で罪を犯し、地上に流刑されることになった輝夜姫。
そして、その刑期が終わり、月から迎えに来る従者が来る日。
輝夜は迎えにきた永琳と伴に逃げ出したのです。
そして、隠れるうちにたどり着いた幻想郷で、遂に月の使者に見つかってしまい。
それから逃れるために偽の月を用意したのでした。
かぐや姫をテーマにした楽曲。
純和風を感じるイントロです。東方永夜抄はメロディにパワーのある曲が多いです。
この曲もそう。最初の2音で衝撃を受けました。和楽器のような音で演奏されるメロディ。そして、被さってくる高速ピアノ。
トランペットに代わって演奏される、メロディ。すべてが完璧です。
このメロディも衝撃なのですが、1:21~から始まる新フレーズも素敵です。
2ループ目からはトランペットで演奏され、トランペット→速弾き電子ピアノのかけあいもハマります。
東方の和が詰まったような曲です。
東方の二次創作アレンジで有名な「Help me, ERINNNNNN!!」の原曲でもあります。歌詞に「えーりん」がふんだんに含まれているけれど、原曲は輝夜の曲。輝夜目線で永琳に助けを求めるという内容だからです。
16 ヴォヤージュ1970
ファイナルスペルのテーマ
ヴォヤージュ1969のアレンジです。メインメロディがなくなって、速弾きピアノだけが焦燥感を煽っています。
ヴォヤージュ1969と違って、全体をループするのではなく、3拍子のパートが終わったあとの短いフレーズ(1:06~)を永遠にループするのも、また好きです。
17 エクステンドアッシュ ~ 蓬莱人
EX面道中曲
(これも)トランペットのメロディが特徴な曲です。
0:18~からイントロのリフに合わせてトランペットが響きます。
ボス曲ではなく道中曲なのに、こんなに豪華な曲を聞いていいのかと物怖じしてしまうくらいです。
でも、この曲の本番は1:46から。2つに分けたらどっちも1曲作れそうなフレーズを1曲に詰め込んだ豪華感がすごいです。
そして、2:11~の追いトランペットが最高ですね……。
18 月まで届け、不死の煙
EX面 不老不死の人間 藤原妹紅のテーマ曲
とても好きな曲……。イントロのピアノが好きです。
「”エモい”とは何か」を問われたとき、この曲を定義にしていいくらい、脳みそに染み渡る曲だと思います。
ピアノのソロから始まって脳に染み込ませたあと、バックメロディと伴に繰り返されます。
1:13~のグロッケンのような音で演奏されるフレーズが綺麗すぎて、息を飲みます。
1:48~は綺麗な音色と、メインフレーズのエモさが掛け合わさって、
2:01~タメのあと、トランペットまで追加されます。
東方楽曲の良いところばかりを抽出したような曲です。
19 月見草
エンディング曲
ダークなエンディング。入りのストリングスが暗いです。
永夜抄のいつものフレーズが変拍子で使わていることが多い印象です。(例えば、タイトルと永夜の報いが11/4拍子)
この曲も、17/4拍子の奇数で構成された拍子です。
それもまた、不安定さを感じさせてダークさを感じさせられるのかも。そしてそれが、夜ダークさに繋がっているのかもしれません。
20 Eternal Dream ~ 幽玄の槭樹
スタッフロール曲
永夜抄はピアノが目立つ曲の多い印象もあります。この曲もそうです。
長い夜を超えて解決を図った異変。すべてが終わってピアノで夜明けを迎えます。
新しい夜明けというより、仕事を遂げた夜明け感です。
21 東方妖怪小町
ラストワードのテーマ
東方永夜抄にはステージを通して練習する他に、スペルプラクティスというボスの特定の攻撃(スペル)だけを分離して練習できるモードがあります。
ですが、ある条件を満たすとスペルプラクティス限定のスペルに挑戦できます。それがラストワードです。
登場1キャラにつき1ラストワード。本編では採用されないような鬼畜難易度なものもあり、やりがいがあります。
使われている場面の特性上(何度も繰り返し挑戦する前提)、永遠に聞くようになる曲でした。
ですが、私はこの曲を嫌いにならずに好きということは、それだけ素晴らしい曲ということです(もしくは、私が何度も繰り返すことが嫌じゃなかったのか、もしくは怠けてラストワードを途中で放置してるからです)。
どちらにせよ、3連符のパートと、フレーズのパートに分かれていますが、
3連符は適度に焦らせ、強敵感をだし、
フレーズは耳障りでなく飽きさせない素晴らしい曲なのだと思います。
あとがき
永夜抄の記事を書き終えました。全21曲と多いので、それだけ文字数も増えてしまったような気がします。
曲の感想を書く記事なので、本編のあらすじを書いてしまうのは違うなと思いつつ、本編の内容を踏まえた感想を書いてしまうので、結局あらすじを書いてしまうという。
でも、あらすじばかり詳しく書いてしまうと、小学校の頃の読書感想文みたいになってしまう(あらすじ8割、感想2割みたいなやつを提出したような記憶があります)ので、
その配分が難しかったです。
でも、感想を書くのはいいアウトプット~~
ZUNさんが作曲した曲のうち、サブスク対応しているすべてを時系列順に登録したプレイリストを作りました(幺樂団の歴史は、幺樂団の発表日です)。
これで、永遠に聞いてられるね……(489曲 33時間54分)
Apple Musicのみです、Youtube musicの方はおいおい作ります。
この記事は私が感想をただただ書き連ねているだけです。
ですが、私もみなさんの感想をみたいです。よければ短くてもいいのでコメントで書き捨てていただけると私が喜びます。
最後に永夜抄のアルバムURLを貼ってこの記事の締めにします。
書き始め:2021/09/05
書き終り:2021/09/16
投稿:2021/09/17
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