【感想】鬼滅の刃/吾峠呼世晴

※盛大にネタバレしているし、お気に入りの日本酒をちょっと多めに飲んだテンションで書いているし、あくまで個人の解釈(妄想)です。

普段、少年漫画はあまり読んでこなかった。けど、大学の1番の友達や、職場の先輩など、あらゆる人が薦めて来るので読んでみることにした。

主人公はいいお兄ちゃんだと思う。ちなみに私も長女で妹がいる。だけど「長女だから耐えられた」とはさすがに言えない。ちょっと面白い。この辺は大正時代の価値観なんだろうか。

この作品には兄弟姉妹が何組かいて、それぞれの兄弟のありかたが違っていて面白い。思い出せる限りそれぞれについて書いてみたい。
竈門兄妹:長女であり、鬼になる前は「姉」禰豆子が、鬼になったら「妹」の面がすごく出ているのが可愛いと思った。けど、ほかの兄弟がみんないなくなって、「兄」と「妹」しか残らなかったことを思うと切ない。
兄妹それぞれ幸せになってて本当によかった。
煉獄兄弟:お兄ちゃんが強すぎる。いろんな意味で。でも、弟はちゃんと子孫を現代まで残している。形は違えど二人ともちゃんと煉獄家を守ったと思う。代々家業としていた家で、才能がないと早い段階で気づいてしまった弟の絶望はどんなものだったのだろう。兄弟とは少し外れるが、お父さんが杏寿郎のただ一言、お父さんに向けた遺言を千寿郎から聞いて一人で泣くシーンはただただ切ない。煉獄さんの死に際、母上がほほ笑むシーンより正直泣いた。ダメ親父の息子への愛情と、突き放してしまったことへの後悔と、それでも酒浸りな父の体を心配する息子の思いを感じたことなど、色々な思いがこもった「杏寿郎・・・」の一言だったと思う。物語の終わり、千寿郎と並んで歩くシーンが本当に良かった。千寿郎がもし兄と同様に才能があったら、入隊して兄と同様に死んでしまっていたかもしれない。
不死川兄弟:全巻通して読んで一番泣いたのがこの兄弟が一緒に戦うシーン。お兄ちゃんが颯爽と現れての第一声が「テメェは本当にどうしようもない『弟』だぜぇ」と初めてここで弟と呼ぶのがもう泣ける。不器用すぎるよお兄ちゃん。弟の服を抱きしめながら号泣、かつ神様に叫ぶシーンはこちらも号泣ものである。お兄ちゃんといえば「お袋背負って地獄を歩くよ」の笑顔がとてもかわいいのがさらに切ない。素はこっちなんだよねえ。
この兄弟も竈門兄妹と同じで、上二人しか残っていないのに、関係性は対照的だ。お兄ちゃんが下の子を守りたいという想いは一緒なのに、方法が違うと結果はこうも違うのか。
胡蝶姉妹:姉はすでに故人で、回想シーンやしのぶさんの中にしか出てこない。姉のカナエさんが亡くなった時点で、しのぶさんも一緒に死んだんだろうと思わせる。姉の仇を討つため戦うシーンで、最後の最後とても口が悪くなるしのぶはこちらが本来の姿だったのだろう。姉の夢と、自分の気持ちとの間で板挟みになり、柱として戦ってきたのはとても重かっただろう。「疲れまして」という一言がとても重い。お姉ちゃんは妹には普通の女の子として生きてほしかったはずだけど、妹の気持ちがわかるから止められなかった。カナエさんとしのぶさんが笑顔で両親のもとへ走っていくシーンはとても幸せそうであるが、一方で泣くカナヲとの対比が胸にくる。髪飾り・・・。
継国兄弟:煉獄家と逆で、弟のほうがすごかったパターン(兄も十分すごいけど、弟が神に愛されているからしょうがない)。なにもかも捨てて強さだけ追い求めたのに、弟には届かず、最期まで弟の影を追い求める・・・兄だから余計にだったのか。
冨岡姉弟:姉はほぼほぼ出てこないがここも姉弟。義勇さんの「俺は守られてばっかりだ・・・」のセリフの原点はここにあると思っている。けれど、義勇さんもいろいろなものを自覚はなくても守っていると思う。竈門兄妹がその主たるものだ。「俺は嫌われていない」からの「守られてばっかりだ」を読むと、人として嫌いだとしても仲間としてきちんと大切に思われていたのが分かる。義勇さんの握力がなくなり刀を落とし絶体絶命の時に、伊黒さんがかばい、不死川さんが落ちていた刀を投げてよこすシーンにそれが出ていると思う。あからさまに嫌ってそうなこの二人が助けにくるというのがポイント。

ほかにもいっぱい書きたいことはあるけど、飲みすぎて眠くなったので終わる。

私より先にアニメを見ていた父がハマっていたと母が言っていたので、GWに全巻持って帰った。父があまりに没頭して普段はやってくれる夕ご飯の下準備を全くやってくれていなかったと母が嘆いていた。
アニメ二期もあるし、無限列車も放送されるらしいのでちゃんと父に教えておこう。

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