ideco掛金上限額引き上げについて思うこと
2024年5月23日(木)。FP2級試験の総仕上げの時期にきております。
さて、idecoの掛金上限額引き上げに向けて検討を開始する、というニュースが出てきました。
idecoなので年金に関するお話ですが、年金は今のところ65歳になるともらえます。ですが、十分な金額をもらえると思っている人はほとんどいないと思います。
今の年金制度は現役世代が払う保険料を高齢者に給付する「賦課方式」で成り立っており、高齢者が受給する年金は若い世代(現役世代)が負担する、いうのが基本的な考え方です。
厚生労働省ホームページ
公的年金制度はどのような仕組みなの?
https://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/01/01-02.html
で、十分な金額をもらえないというのはまさにこの仕組みによるもので、もらう側の高齢者の人口はどんどん増えているのに対して(高齢化)、負担する側の現役世代の人口は増えていかない(少子化)ので、当たり前といえば当たり前の話なわけです。
そこで、賦課方式に対して「積み立て方式」という考え方があります。文字通り年金の原資を積み立てて準備するということですが、その原資を負担するのは将来の年金受給者本人というのが、賦課方式との一番の大きな違いです。
これからの年齢構成を考えた時、賦課方式では近い将来に限界がくる、かといって賦課方式をやめて積み立て方式にします、と明確に宣言するのはショックが大きくかつ政治的にも難しい。
で、今日のタイトルの通り「idecoの掛金上限額(つまり所得控除額)を引き上げ」て積み立てを応援するので、自分の将来の年金は自分で準備してください、つまりこれからは積み立て方式に緩やかに移行していきます、ということを
「明言はしないけど察してください」
というのが、今回のideco掛金上限額引き上げに含まれる政府(国)のメッセージだろうな、と個人的には理解するわけです。
idecoは個人の話ですが、会社においても従来のような退職金をやめて、その代わりに企業型確定拠出年金制度を導入。月々の積み立てを原資とすることで、従来の退職金制度に変わる保障に取り組んでいる企業もかなり多く出てきているようです。
今回のニュースは、自分のようなあといくらも積み立てる時間が残っていない高齢者予備軍ではなく、20台、30台のまさに若い世代が真剣に考えていくべきテーマです。若い人たちに今回のニュースがしっかり伝わってくれることを切に望みます。