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78小品目 霊感はない

わたしには霊感はない。だが、たまに山から出してもらえなくなることがあって、でもそれって珍しくないことだと思っていた。あと、地震の数秒前にゴゴゴゴ……という迫りくる音がするのだが、おかんも地震の前にクサイ臭いがすると言っていたので、よくあることかと思っていた。人間も動物だし。あと、地震の数秒前に音がしたとしてもいつも役に立たない。あ、地震だ、と想ったら地震が来るだけだ。


あと、まわりにいる霊感のある人から比べたら、たいしたことはない話ばかりなので、霊感はないと思っていた。



でも山から降ろしてもらえない話をしたところ、まあまあレアがらたので、ネタとして話すようになった。でもまあ、2、3年に一度あるくらいの毎回じゃないから、新ネタもない。最近だと、去年の11月の高千穂だ。どっかで日記に書いた。あと、一番受けるのはトンネルの真ん中でナビが「目的地に着きました」と言うやつだ。そんなわけないやんけ。



だが、娘がどうも霊感のある人らしい。もしくは2歳なのでだいたいみんな、あるかもしれない。ちょっと前に階段の下から上をじーっと視ているから、なんなんだろうと思っていたところ、ある晩、向かいの部屋の弟に廊下からオカンが話しかけていた。2階には私と娘の部屋、弟の部屋、クローゼットの部屋、畳の部屋があって、小さい廊下があるのだ。

分かってるって!

と、弟は声を荒げていて、おかんもグダグダ返し、雰囲気が悪かった。こんな夜中にこどももいるのに争いはやめてほしい、と次の朝注意すると、

え?わたし上には行ってないで

と返される。弟もそんな話はしていないという。なんだったんだよ、あれ?とぞわぞわしていたが、そういえば若いときに泥棒が入ったと思いきや身体をスルーされたり、男の子供に蹴られたり(一人暮らしなのに)、夏なのにコート姿の女の人とすれ違って、あら?と思って振り返ったらいなかったりしたことがあった。ここ数年はなかったけど、登山しようとしたらからだのそこここが痛くなって登れないことは有った。

山って不思議

で済ませていたが、もしかしてどちらかというとわたしは霊感があるのさもしれない。

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