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絆32(2次小説:類つく)
〜類 30歳〜
3日間、ほぼ眠りもせずに仕事をこなしたからか
飛行機に乗ると直ぐに眠ってしまった。
羽田空港にはあきらと総二郎が迎えに来てくれていて
用意してくれていた店の個室でもう一度、ハワイでの
話を聞かせてもらった。
類「その子の年齢から考えても俺の子供に間違いは
無いと思う…まさか俺の子を産んでくれていたなんて
想像もしてなかった。
あきら、総二郎本当にありがとう。」
あきら「礼を言うのはまだ早いぞ。
あれからコックス社の事を調べてみた。先代の社長が
12年ほど前に亡くなり妻のケイティが引き継いで
業績も大きく伸ばしてる。だけど10年ほど前から
表には出ずにほとんどリモートで采配しているらしい。
かなりのやり手だぞ。社員達には尊敬され取引相手
には怖がられてもいるな。ついたあだ名がマダムK
彼女の拠点は明らかにされてないからハワイにいる事は
ごくわずかな人間しか知らないとも言われてる」
類「短期間によくそこまで調べてくれたね。さすがだよ」
あきら「会社の方からアプローチさせたんだ。
これは公にされてる情報ばかりだよ。俺達はハワイに
住んでいる情報は先に掴んでいたからな」
類「そうだった。総二郎のお手柄だよね
マダムKは完璧につくしと子供の事を隠していた
司が手を回しても何も掴めなかったんだ。
でも9歳の女の子の口までは封じられないよね
本当に奇跡みたいだよ…」
総二郎「本当に偶然なんだぜ、着物姿が珍しかったん
だと思う。TV局を出た所で声をかけられた、俺は
流石に覚えてはいなかったけどな。話を合わせるのは
得意だしその子の母親が偶然にも西門流のホノルル支部で
習っていたんだ。母親はあきらのテリトリーだからな」
類「ハハハ 俺には無理な芸当だよ。でも本当に
ありがとう、感謝するよ。
まずはマダムKにアポイントを取らないとダメだと思う
彼女達の旅の予定も調べないと…」
あきら「同級生の話だと、夏は3週間くらいバカンスで
島を留守にするらしい。あれから10日以上は過ぎたが
まだ帰国はしていないはずだ。もし帰国した時は連絡を
もらえるように頼んで来た。頑張れよ!」
類「うん。俺は絶対に牧野を離したくない。
親子3人で暮らしたい。今、俺の両親も日本にいるんだ
牧野と子供の事をきちんと話す。もし反対したら…
花沢を出る。」
総二郎「牧野は逃げ足が早いからな。慎重にしろよ」
この間、コーヒーだけを運んでもらい話に集中していたが
俺はすぐに両親との話し合いをするべきだと思い、
先に帰る事にした。2人はそのまま店で食事をして
帰ると言ってくれた。
あきら「後はお前次第だが…何かあれば協力するから
ちゃんと報告してくれよ!」
頼りになる親友にもう一度礼を言って邸に急いだ…
〜ケイ〜
ミマサカとニシカドの報告を受けたから東京で
何か動きがあるかと考えていたけれど何も無かった
ただ…今日の報告で会社の事を調べている日本商社が
いると言っていたから、私が彼女達を隠していたと
確信したのだと思う。だから慎重なのかしら?
ハナザワにもまだ動きはないようだけど…
ケイ「トワには京都はちょっと退屈だったわね。」
永遠「そんな事はないよ。ヨーロッパの寺院とかは
また違う感じで勉強にもなったしね。でもさ…
ここって暑過ぎない?それに日本なの?ってくらい
海外観光客が多い。
でも舞妓さんは綺麗だったよね。ママも似合いそう
ほら、着てみないか?って誘われてたし」
つくし「ふふふ 冗談に決まってるでしょう。
若い娘じゃないと似合わないわよぉ〜」
ケイ「つくしはまだ20代。ハワイではハイスクールと
よく間違えられてるでしょう?
私も着て見せて欲しかったわぁ〜」
つくしはトワの母親としてだけで生きている気がする。
仕事は有能で息子をはじめたくさんの男性から好意を
寄せられているけど気づかないふり?をしている
でもね…私はつくしには女性としても幸せになって
欲しいと思っているの。
あなたが誰の好意にも気づかないのは心の中にずっと
彼がいるからなんでしょう?
時が動き出したよ、つくし。覚悟を決めなさい…
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こんにちは
今年最後の更新です。
いつも読んでくださってありがとうございます。
巳年もよろしくお願いします
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