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パズル47(2次小説:類つく)
このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…
〜護〜
次の日 ハドソンのヘリで病院の屋上から島に向かった
ケビン「ヘリだと島までは1時間くらいですが、南に向かうので気候は温暖で
きっとリハビリも進むと思いますよ」
私はドキドキしながら広がる海を見ていた…そして島に到着すると
ケビン「ここからルーニーの住む丘まで20分ほどです、病院はその奥にあります。この頃は2人でこの辺りまで散歩や買い物に来るみたいで、つくしの料理の
レパートリーも増えたと言ってました。何でも新鮮で栄養も豊富ですから類も 以前より顔色も良くなりましたよ」
なだらかな丘を走っていると
ケビン「ほら あの赤い屋根がルーニーのアトリエです。つくしが来てからキッチンと部屋を広く改装しました。まだ狭いんですが「どこにいてもルイが見えて安心する」と、つくしは言っています。ルーニーもつくしが見えないと不安がるので建て直しはやめました。」
その前を通る時に車はスピードを落としてくれ、庭に洗濯物が干してあるのが見えた…
護「2人はここで生活しているんだなぁ…」護さんがしみじみと言った。
病院はそこから5分も掛からず、玄関にDrと何人かの看護師さんが出迎えてくれた
Dr「島には入院施設のある病院はここしかありません。でもみんな健康なんで それほど忙しくないですよ。あなたの部屋に案内しましょう」
護さんの頼みを聞きケビンさんは私のために部屋の改装とリハビリに必要な器具やリハビリ専門の先生、専門に担当してくれる看護師を整えてくれていた
護「何から何までありがとうございます。この大きな窓からあの庭が良く見える
ここなら亜里沙も快適に過ごせるでしょう。よろしくお願いします」
ケビン「彼が有名なルーニー・ブラウンだと島の人間は知りません。それでも彼らの存在は島を明るくしてくれています。あの大きな木の下で2人はよく過ごしています、ここからよく見えますよ。窓は外から中は見えないガラスになっているので安心して下さい。」
疲れたでしょうから今後の詳しい話やルーニーの状態の説明は午後からにしましょう。お2人で休んでいて下さい、食事もここに運んでもらいます
護「みんな温かくて良い人達だね。類は本当に運が良かったよ…」
亜里沙「そうね。2人の姿を毎日のように眺めながら過ごせるなんて幸せだわ。
でも…あなたはこれでいいの?」
護「あぁ 私は類に会わせる顔が無い。この島には2度と来るつもりはないんだ。
君を1人にするのは申し訳ないが…みんなが守ってくれているから頑張って歩けるようになっておくれ。マッサージも毎日やってもらえるよう頼んであるから 離れていてもいつも君を想っている。これからはTV電話で会って欲しい。ちゃんと連絡するよ」
亜里沙「あなた…私だけごめんなさい。歩けるようになったら会いに行くから… 変な事は考えないでね。白井さんとはもう関わらないでちょうだいね」
護「あぁ約束する。白井の事は許せないが神の判断に任せる事にしよう。彼は今、窮地にある。琴音の結婚相手の口車に乗って犯罪を犯したんだ、警察に追われているよ。琴音も罰を受けるらしいよ…バカな親子だ」
亜里沙「そう…もう名前も聞きたく無いわ」
運ばれて来た食事を窓際のテーブルセットで食べていると、隣の庭に車が止まり類と彼女が降りてくるのが見えた
亜里沙「あぁ…類だわ…笑顔で彼女と手を繋いでいる…」
護「あぁ…2人とも元気そうだ…良かった」
護さんには目に焼き付けてもらいたいけれど涙で霞んでしまう。2人とも涙が止まらなかったの(亜里沙)
Drの空き時間を待って2人は救出された時からの類の病状を聞いた
護「まだ記憶は戻っていないのですか…戻る見込みはありますよね?」
亜里沙「さっき、窓から2人を見ることが出来ましたの、2人とも笑顔で幸せそうで記憶喪失とは思えませんでした」
Dr「つくしを一眼見た時から他の女性とは全然違いました、怖がる事もなく…
『キャンディ』と呼び、初めて日本語で話しました。キャンディはルーニーの
ファンタジーの主人公の名前です…物語の中から出て来たと思ったようでした。
彼の本は読みましたか?」
亜里沙「はい。キャンディを人間にするために冒険するお話ですよね?」
Dr「えぇ…ルーニーはつくしをキャンディだと思っています、今でも… それでも今はだいぶ現実の世界を理解できていますが、島の人間は彼を天使と呼んでいるんですよ、無垢な天使です。つくしには辛い事もあるでしょう…恋人というよりママになった気分だと思いますよ。でも彼女は我慢強い」
護「つくしさんがそばにいてもなぜ思い出さないのでしょうか?」
Dr「それだけ強いショックを受けたという事です。ご存じですか?ルーニーは
あの日、つくしの無残な死体写真を見せられたそうですよ。彼が勘違いするほど
似ていたのでしょう。そこまでするとは…シライという人は悪魔ですよ」
亜里沙はその事実を初めて聞き嗚咽を漏らす、護も詳しくは知らされてなかったようで震えていた
Dr「でも確実に前には進んでいます。2人を信じましょう」
護「よろしくお願いします。私は2度とここには顔を出さないつもりです。妻の事を頼みます…」
Dr「あなたの気持ちは理解します。奥様の事は任せて下さい。ただ…奥様への連絡は毎日お願いします。つくしは心の綺麗な優しい子ですよ、きっとあなた方を許すでしょう。希望は捨てないで下さい」
護「ありがとうございます。」
護はあたりが暗くなってから病院の車でヘリポートに向かった。ケビンも待っていてくれ2人はロンドンに戻った。
その夜、彼は楓に電話を入れた
護「楓さん、ありがとう。今日亜里沙を島に送り届ける事が出来ました。少しですが類とつくしさんの姿も見ることが出来ました、類が…笑顔だったんです。」
話しながら護は泣いていた
楓「そう。亜里沙さんはきっと元気になるでしょうね。でもあなたはそれで良いんですか?」
護「はい。亜里沙とはTV電話で話せます。あいつの笑顔が見れればそれで…
今日、Drに写真の事を聞きました…白井は罪のない女性まで手にかけたんですね
そんな男を見抜けなかった私は本当にバカでした…あいつはどうしていますか?」
楓「生きているのがやっとの状態でしょうね。あの島に近々運ぶ事になっていますよ、琴音の準備も完了しているわ。仕上げも近いわね」
護「では…私もその島に行かせて下さい。バカな事はしないと約束します。近くであの2人の最後を確認したいのです」
***注:類の両親のお話は現在よりも少しだけ前に遡っています。****
そして今、護は滋が建てた島の管理センターで白井親子の監視をしていた。
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