絆17(2次小説:類つく)
〜司 30歳(現在)〜
楓「じゃぁ 今年中に見つけられなかったら
入籍するのね?」
司「あぁ 滋も了解してくれた。それまでに何としても
牧野の消息を掴むつもりだ。」
俺が滋と付き合い出したのは3年ほど前からだ
婚約して1年が過ぎたが【私はつくしに祝福されて
司と結婚したいの。どうして司の前から消えたのか本人からも
聞いてみたい…】そう言ってまだ入籍はしていない。
あいつの不安を取り除いてやりたいと俺も思ってる
**回想**
〜あきら 25歳(つくしが消えて5年後)〜
類とロンドンで会ってからいろいろ考え、思い切って
俺は道明寺楓社長に面会を求める事にした。
忙しい人だけど【牧野つくしに関してだ】と伝えて
もらったらNY本社で会ってくれる事になった。
当日
あきら「今日はお忙しい中ありがとうございます」
楓「あまり時間が無いの。本題に入りましょう?
牧野さんの消息でもわかったのかしら?」
あきら「いえ。何も掴めません…社長が隠しているのでは
ないのですか?類の所にいないのはご存知なんですね」
そう彼女は牧野の消息を尋ねた。
楓「えぇ 何年か前に花沢社長に確認したわ。
私は5年前、司が部屋で暴れて収拾がつかないと
連絡をもらって邸に戻ったの。司は鎮静剤を打たれ
他の部屋で拘束された状態で眠っていたわ。
BG3人にケガを負わせて…部屋も酷かった…
そこでクシャクシャになった牧野さんからの手紙を
見つけて納得したの。確かにその時はチャンスだって
思ったわね…だから司が彼女を見つけないように情報を
操作させたの。司には…牧野さんが類君の元に行ったって
報告書を渡し花沢物産との取引も辞めたの
でも直ぐに後悔したわ…司は昔に戻ったように暴れて
手がつけられなかった。毛嫌いしてた女性とも遊ぶ
ようになって…落ち着いたのもやっとこの頃だけど
私以上に冷酷な経営者だって評判よね?」
あきら「先日、5年ぶりに類から連絡があったんです。
司の様子に疑問を持ったようでした…あいつは牧野は
司と一緒だと思っていたようです。牧野は類には
司に呼ばれてNYに行くと手紙に書いてあったと。
俺はあいつが俺達に嘘をついて消えたのには何か
理由があるんじゃないかと考えました。
それであなたの話しを聞きたかったのです。」
楓「私は手紙を見つけるまで何も知らなかったわ。
彼女を認めたわけではなかったけれど静観してたの
離れた事で見えるものもあるでしょ?だから類君を
選んだってね。情報を隠したのは彼女のためでも
あるわ…だけど後悔して探そうとしたのよ。
あれから1年ほど過ぎた頃だったかしら…」
楓社長の話は嘘だとも思えなかった
楓「驚いた事に…彼女に関して何も掴めないの
渡航履歴も住民票も何もかも消えていてどこに
行ったのか住んでいるのか皆目わからないのよ
私でなければ…花沢さんだと思ってパーティーで
会った時に少し聞いてみたけど…やっぱり何も
知らないみたいだし…彼も牧野さんを探している気がするわ」
あきら「類の親父さんが牧野を探していたんですか?」
楓「そんな気がしたわね。
何か思う事でもあるのかしらね…
今、話せる事はこれが全てで嘘は無いわ。
司にはこの後、時間を作ったから話すと良いわ」
俺は秘書に案内されて司の執務室に行った。
俺たちの会話を聞いていたらしく呆然と窓に向かって
立っていた。