パズル72(2次小説:類つく)
西門流の結婚式は由緒ある神社で挙式。その後メープル東京で披露宴が行われる
神社の参道には式殿に入る渡り廊下から少しだけ見る事が出来るかもと大勢の人が集まっていた。
訪問着姿で参列しているつくしと桜子…
つくし「優紀の白無垢姿、すごく綺麗だね…」
桜子「えぇ とてもお似合いですわ。」
類「俺たちまで渡り廊下を歩かなかくても良いんじゃないの?」
渡り廊下にはカメラマンもたくさん構えていてTVでもこの場面は使われるだろう
あきら「少しはサービスも大事だぜ」
あきらは見物客に手など振って余裕の表情
類「あんな綺麗なつくしを他人に見せたくない」
あきら「そこかよ! まぁ安心しろ、桜子が外側を歩いてフォローしてる」
2人の会話をケビンも笑いを我慢して聞いている
その後のメープルの披露宴は1,000人の招待客で厳かに開かれ無事にお開きになり
メープルの道明寺家専用のスィートルームで仲間だけのパーティーが開かれた。
女性陣は…
滋「優紀ちゃんの着物姿見てダ〜リンが私にも着せたいって言ってるの。
西門さんに呉服屋さんも紹介してもらったんだよ〜明日、銀座の店に行くの
つくしと桜子にもプレゼントしたいんだって!一緒に行こうよ」
つくし「私は着物を着る機会は少ないし、今日のために訪問着を新調して
もらったばかりだから遠慮するよ」
桜子「あら、着る機会はこれから増えますわ。大富豪のせっかくのお誘いなんですから作ってもらいましょうよ〜」
滋「そうそう、来なくても勝手に作っちゃうから来た方が良いよ」
桜子「滋さんに任せたら派手な物ばかり作られちゃいますよ」
優紀「その呉服屋さんは西門流のスポンサーでもあるの。3人が作ってくれたら
凄く喜んでスポンサー料も増えるかも!つくしお願い」
桜子「さすが家元夫人見習いですわ、そうそう優紀さんのためにも協力ですよ」
4人で楽しそうに盛り上がっている。
滋の夫のサム・ウォルトンはケビンと談笑し、F4は…
総二郎「今日はありがとうな。堅苦しい披露宴で疲れただろう」
あきら「仕事関係の披露宴は仕方ないさ、これも仕事だって割り切れ」
総二郎「あぁ俺はそれでいいが…優紀には申し訳ない」
あきら「優紀ちゃんはわかってくれてるさ。ここからが本当のお祝いだよ」
類は黙って聞いていたが『俺には無理な世界だな…あきらも総二郎も凄いや』
心の中で思っていた
類「そういえばさ…司も一度、経験してるんだよね」
司「俺はNYだったからガーデンパーティーだったな。招待客どころかパートナーの顔も覚えていないな」
あきら「お前はずっと怒った顔してたぜ。あの頃は最悪だった」
司「でも翼を産んでくれたからな、感謝してるぜ。彼女も本当に好きな男と
結婚して幸せにしてるらしいからいい選択だったぜ」
類「ふ〜ん 司が凄い大人になってる。」
司「お前なぁ〜!!」
こちらも楽しそうです。
総二郎の結婚式も無事終わり2日後
つくし「翼、今度は島に遊びに来てね」
翼「うん。つくしも元気でね」
道明寺邸の玄関ホールで翼とお別れ…
つくし「翼もお兄ちゃんになったなぁ…今回も泣かれるかと思ったけど」
元気に手を振っている翼を車の中で見て呟く
類「きっと我慢してるんじゃない?」
******
楓「翼、泣かずに見送れて偉かったわね」
翼「うん、だって来月には島に行けるんでしょう?」
そうなんです…12月の半ばに2人には内緒で島で結婚式を開く事が
決まったんです。もちろん翼も行く予定なので今からワクワクしています
*****
羽田空港
つくし「お母様〜」
羽田空港のファーストクラス用のラウンジには亜里沙がもう着いて待っていた。
亜里沙「つくしちゃん、会いたかったわ」
つくし「お父様はお元気でしたか?」
亜里沙「えぇ 好きな油絵を描いて過ごしているわ。
昔から絵がとても上手なの、社長になってからは忙しくて描いていなかったけど
楽しそうに描いていたわ。」
つくし「本当は一緒に島に来て欲しいんですが…」
亜里沙「ありがとう。でもね、牧野さんにご挨拶に行ってあちらとも仲良くなれたのよ。車で30分もあれば着くからって一緒に釣りに行こうって話も弾んだの」
類はケビンと話しているからこっちの会話は聞こえていない
つくし「そうなんですか?パパも喜んでるだろうなぁ…お母様ももっとこちらに
滞在したかったでしょう?すみません…」
亜里沙「うううん、もっとリハビリ頑張って1人で行き来出来るように頑張るつもりよ。」
つくし「お母様、すごく元気になられたと思いますよ。Drもビックリすると思うなぁ〜」
類は空港に着いた時柱の向こうで自分たちを見ていた父親に気づいていた
でも声は掛けなかったし、彼も隠れるように俺たちを見ているだけだった
まだ…俺はあの人を許す事は出来ない。気づかぬふりでつくしの肩を抱いて
母の待つラウンジへ向かったんだ。
つくしと話す母は元気そうだった。やっぱり父に会えて嬉しかったんだろうな
羽田からはロンドンまで向かい、一泊して島には専用のセスナで帰る
母も一緒だから無理はしないんだ。
ケビン「ルーニーにはロンドンでちょっと仕事をしてもらいたいんだ。
つくし達は先に島に帰ってもらう?」
類「却下。仕事は仕方ないからつくし達にも滞在してもらってよ」
ケビン「まぁそうだよね…わかった。2人にはエステにでも行ってのんびりと
待っていてもらおう」
実はこれも計画のうち…ルーニーの仕事は本当だけど、つくしのエステは
ウェディングドレスのチェックをするためなんだよね。
つくし「私ならホテルでのんびり本でも読んでいるからエステの予約は
必要ないわよ?」
ケビン「クリスマスに女王陛下のパーティーに招待されているんだ。
彼女がルーニーの大ファンなのは知ってるよね?断る事も無理。
もちろんつくしにも同伴してもらうからドレスの寸法とかも計らせて欲しいって
デザイナーに頼まれてるんだ。」
つくし「そ…そうなの?わかった…緊張しちゃうなぁ」
ケビン「クスッだから内緒にしたかったんだよ。でもつくしなら大丈夫!」
つくし「それまでにルーニーの絵本も完成出来たらお土産にできるね。
類の描く絵は優しい色味で癒されるから喜ばれると思うのよね〜」
類「もう絵は完成してるし間に合うよね?」
ケビン「あぁ…それは喜ぶね。了解だよ」
女王陛下のパーティーは本当のこと。もちろんドレスは準備してあるけど
絵本のお土産は考えていなかったなぁ…流石だねつくし。
ロンドンでの滞在は3日
今日つくしはクリスマスパーティーのドレスの試着をしている。
デザイナー「奥様、とてもお似合いですわ。ルーニーもきっと気に入って
くれると思いますが…もう一着、試着していただけますか?」
つくし「はい。でもこのドレス、とても素敵ですし…露出も少ないから
ルーニーもOKだと思いますよ?」
亜里沙「あら、せっかくだから着て欲しいわ。これからはパーティーも増える
でしょうし慌てないように何着か用意が必要よ?」
つくし「はい…でも女王陛下主催のパーティーなんて私が出席しても
大丈夫なんでしょうか?」
亜里沙「類だけの方が不安だわ」
次に試着したドレスは…
つくし「白いドレスは珍しいですね」
デザイナー「この上にレースをかけて仕上げるんですよ。何かご希望はありますか?」
つくし「いつ着るのかわかりませんが…ウエストあたりをゆったりして
体のラインが目立たない方が嬉しいです。スタイルが良くないので…」
デザイナー「そんな事はありませんよ〜とてもお似合いですよ」
亜里沙さんも何か閃いたようで…
亜里沙「そうね…つくしちゃんは可愛い感じのドレスが似合うわね。」
デザイナー「わかりました。ちょっと直してみましょう」
その場でスラスラとデザイン帳にデッサンを始める
デザイナー「いかがですか?これならそれほど直しは必要ありません
ちょっとウェストラインが緩くなりますがよろしいですか?」
亜里沙「ステキね」
つくし「ちょっとウェディングドレスみたいですけど////」
亜里沙「カラードレスに仕上がるわよ」
つくし「あ///そうでしたね。うふふ」
ちょっと亜里沙さんは焦ってしまいました。
つくしちゃんが鈍感で良かったですね〜準備は急ピッチで進みます