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絆34(2次小説:類つく)
〜類 30歳〜
類「彼女は自分で命を絶ったりしませんよ。
あきらと総二郎のおかげでやっと…やっと消息がわかったんだ。
俺が帰国したのは彼女に会ってプロポーズする為です。
でもその前に2人に宣言します。もし反対するなら
俺は花沢を捨てます。その覚悟で会いに行く」
最初に口を開いたのは志乃だった
志乃「牧野様が見つかったんですか!」
類「あぁ 総二郎が糸口を見つけてくれたんだ。
彼女はハワイにいる事がわかった。
あきらと総二郎がハワイまで行って確認してくれたから
間違いない。志乃…これ見て?」
立ち上がり志乃のそばに行きあきらから預かった写真を
見せた。母さんもそばに来る…
志乃「牧野‥様。
笑っていますね…全然変わっておりません」
ジッと写真を見ていた母さんが
麗「志乃!この子を見て?この子…」
母さんの声が震えている。顔を見て俺の子だって
気づいたんだろう
志乃「浅草で会った男の子です!間違いありません」
類「え? 会ったの?」
志乃は数日前の浅草の出来事を話してくれた
まさかそんな偶然があったなんて
類「それで何か話したの?誰かと一緒だった?」
母さんもすごく興奮していた
麗「この男の子…類君と牧野さんの子なの?
あまりに似ていてびっくりしたの。
直ぐに謝ってくれて…可愛かったわ
直ぐに走り去っちゃって誰もそばにはいなかった
と思うわ」
俯いて座っていた父さんも驚いた顔で俺を見た
護「お前達…そういう仲だったのか?」
類「それはちょっと違う」
俺は牧野と最後に会った時の話をした
類「メイドの話を聞いて彼女はもう2度と俺と
会わないつもりだったんだ。
俺はこれから始まるって思って嬉しかったから
「司の所に行く勇気が欲しかった」って置き手紙を読んで
ショックで何も考えられずパリへの留学を決めた。
司やあきら達には俺を好きになったから一緒にパリに
行くって手紙を送ったらしい。
それで司もショックを受けて…お互い連絡も取らなくなった
司の隣で笑う牧野を見たくなかった…
でも司が全然幸せそうに見えなくておかしいと思い
あきらに連絡をして事実を知った。それが5年前
子供の存在は昨日知った。
総二郎がハワイで俺にそっくりな男の子を見たって
あきらに話したらしい。あきらには牧野との事を
話していたから…2人はハワイに飛んでくれたんだ。
年は9歳…永遠…永遠って書いてトワって名前だって
同級生の女の子が教えてくれたらしい」
写真を預かってくれて見せてくれたけど、俺の子に
間違いないって確信してる」
志乃「はい…本当によく似ていられます。
素直そうな所は牧野様似ですね…きっと」
護「そうか…私は反対するつもりはない。
できる事なら会ってあの時の謝罪をさせて欲しいと
思っている。麗が浅草で会ったという事は帰国して
いるんだろう?会う約束は出来たのかい?
でもなぜ今まで手を尽くして調べても所在が掴め
なかったんだろうか…子供を抱えて大変な生活を
していたんじゃないのかな…彼女は自分の親とも
いっさい連絡は取っていなかったと思う」
類「俺たちもそれが不思議だったけど…どうゆう
経緯かわからないけど牧野達はマダムKと呼ばれる
女性と一緒に暮らしているらしい。今回も3人で
観光しているんだと思う」
護「マダムKだって?そんな大物が…」
麗「あなたご存知なの?」
護「経営者で彼女の名前を知らない者はいないよ。
コックス社の会長だ。アメリカ2位の優良企業だし
花沢も取引を申し込んだ事もあるが…断られた。
道明寺HDも断られたと聞いたな」
麗「まぁ…私達、嫌われてるんじゃないかしら?
きっとあなたの事を彼女から聞いているんじゃ
ないかしら?恨まれて当然ですもの」
母さんは優しい顔でキツイ事を言うから父さんも
項垂れている。
志乃「牧野様は人を恨むような方ではございません。
きっと…類様に迷惑がかからないようにと考えて
いるのだと思います」
さすが志乃だね。彼女の性格もよくわかっている
類「さすが志乃だね。俺もそうだと思う
きっとあきら達がハワイに行った事はもう耳に
入っていると思う。俺の帰国だって知っているかも
まずはマダムKに連絡を取って面会を申し込もうと
思ってNYの本社には連絡入れた。」
護「きっとそれは無視されるだろうな…
麗が浅草で会ったというなら東京のホテルに宿泊
しているはずだ。きっとスイートルームだと思う
志乃、高級ホテルのスイート空き状況を確認してくれ
私の友人が帝国ホテルの支配人をしている。
彼にちょっと聞いて来るよ」
父さんはスマホを手にリビングを出て行った。
****
〜護〜
類の当然の帰国と訪問。
久しぶりに父さんと呼ばれた
5年ほど前から「社長」としか呼ばれなくなったが
後継の自覚が出てきたのか?なんて考えていた自分に
本当に腹が立つ。
類の話を聞いて自分の浅はかで愚かな行動を
改めて自覚させられる。
麗は私をどんな風に思っただろうか…
でも今は自分に何が出来るかを考えるのが先決だ
RRR
相澤「花沢? 久しぶりだな。どうしたんだ?」
相澤は大学の同期で今も花沢物産のパーティーなどで
帝国ホテルを利用させてもらい懇意にしてるが…
護「相澤、無理を承知で頼みがある。
ケイティ・コックスという人物が宿泊していないか?
たぶん、子供連れの3人だと思う」
相澤「おいおい 唐突に何だよ。
たとえ友人でもお客様のプライベートを答える事は
出来ない。それくらいわかるだろう?」
護「もちろん承知している。
ただ…これは仕事ではなくて私達家族の将来に関わる
事なんだ。どうしても面会がしたいと思い、今
いろいろなホテルのスイートルームの空き状況などを
調べているんだ。
かなりのセレブだからBGもつけているはずだし」
私は必死に頼んだ…
相澤「いくらお前の頼みでも即答は出来ない。
少し考えさせてくれ悪いな…」
電話は切れた。
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