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パズル55(2次小説:類つく)

類が病室に戻る

つくし「お疲れ様…顔色があまり良くないけれど大丈夫?」

類はギュッとつくしを抱きしめて【思い出せて本当に良かった】と囁いた

つくし「類?午後の検診は精神科だと聞いたけど辛かった?」
「うううん ただ記憶を辿る作業でいろいろ思い出しちゃっただけだよ。
改めて、つくしが俺のサインに気づいてくれて良かったと思ったよ。」
つくし「サイン?」
「うん。俺は無意識にきっとつくしに物語って形でサインを送っていたと思う。つくしにしか気づかないサインをね。」
つくし「ふふふ あの本には2人の思い出が散りばめられていたものね。ありがとう類。」
「お礼を言うのは俺の方でしょ?」

つくし「私ね…ずっと類に謝りたかったの。あの頃…自分に自信がなくていつかあなたが離れて行くかもって不安だったの。だから類に相談しないで勝手な事しちゃった。いっぱい心配かけたよね…類が必死に私を探してくれていた事を美作さんかも聞いたよ、結婚も最後まで抵抗してくれたって…私の為にありがとう」

類「あんたが謝る事なんて何もないよ…全部俺のせい。俺が弱かったんだ」

つくし「類は弱くなんてないよ!悪いのは白井さん親子。でも彼女はもう別の幸せを見つけたらしいよ。私達も前を向こうよ!もう類と絶対に離れない。あなたもそばにいてくれるんでしょう?」

「そうだね…もう前を向こう。あいつらはきっと報いを受けるはずだ…
俺達には無関係な人達だ」

類の頭の中には自分の両親もその中に入っていた

つくし「報い?私はそんな事は望まないよ。今がすごく幸せだもの」
類はつくしらしいなぁと思ったが何も答えなかった。その代わりにもう一度  抱きしめてキスを繰り返した
こうしているとさっきまでのドス黒い気持ちが溶けていく気がする。俺はこの笑顔だけは失う事は出来ないよ。

腕の中にいたつくしが急に「あ!」っと離れて…
つくし「ケビンがこれからの活動と今までのルーニー・ブラウンとしての財産?
とかの説明がしたいんですって、ここで一緒に夕食を食べながら話したいって
ロンの部屋で待っているの。類が疲れているなら明日にしてもらう?」

「どうせ病室じゃぁイチャつけないから、ここにいる間の方が良いかな」

【///もぉ〜】なんて頬を染めながら怒るけど、そんな姿が俺のツボってあんたは知ってるのかな?

病院とは思えない豪華な部屋で美味しい料理をいただきながらケビンの話を聞いた。
ケビン「作家ルーニー・ブラウンの作品の著作権や報酬など全ては僕が管理している。本が売れ出して大きな出版社に変わったけれど権利は譲渡していないし、
つくしが島に来てからの作品はまだ発表を止めているよ。きちんと弁護士や会計士も付けているから書類はいつでも見せる事が出来る。ルーニーはこれからどうしたいと考えているの?」

「俺はこれからも作家としてあの島で活動したい。俺はケビンを信頼しているからこれからも俺をサポートして欲しい。君さえよければ…会社を立ち上げてそこで俺の作品を発表したいな。今の出版社との契約はいつまで?」

ケビン「今まで発表した本は3年の契約だけど、弁護士は類の記憶に障害があった事を医師が証明してくれれば新しく契約をやり直せると言ってる。最初の契約書にその事は記載してもらっているからね。あそこの社長はルーニーの大ファンだから契約もずいぶん緩いものになっている。それに…あの会社は君のおかげでだいぶ儲けたから文句は言わせないよ」

「そう…俺も一度社長に会ってお礼を言いたいな。短編小説でも書いてそれを
置き土産にするってどぉかな?」
ケビン「それは喜ぶと思うよ。ルーニーは日本の大きな会社の御曹司なんだろう?そっちは問題ないの?」
「俺は花沢とはもう何の関係も無い。父親も会社を退いているようだし、俺はつくしと結婚したら牧野を名乗りたい。仕事はルーニーのままで良いけどね」

類の発言につくしは驚き
つくし「それは絶対にダメ!花沢類は花沢類じゃないと…私にとってその名前は
とってもとっても思い出があるから…変えないで欲しい。」

「つくしは花沢が憎くないの?あんな目に遭わされて…」
つくし「あれは…私も悪かったの。自分に自信が持てなかったから…でも憎いなんて思った事はないよ。お願い…類」

ケビンもあきら達から話を聞いていたからルーニーの気持ちがよくわかった。
ケビン「これからはルーニー・ブラウンの名前の方が君の名前として認知されるだろうから、そのままでも良いんじゃないの?つくしが望むなら」

「そうだね。ケビン、君の弁護士にも会って今後の起業についても相談したい。忙しくなるね、頼んだよ。」
ケビン「ルーニー本当にありがとう。俺は一生君を支えるからよろしく頼むよ」

2人の固い握手をつくしも微笑みながら見ていた。

ケビン「そうだ!ロンの手術も来月に決まったんだ。今の彼の体力なら問題無いって、さっき日程が決まった。」

つくし「わぁ〜良かったわ!昨日久しぶりに会ったけれど顔色も良かったし
きっと成功間違いないわ!ロンの所にお祝いに行かなくちゃ!」
ケビン「ありがとう、ロンも手術は望んでいるけど、やっぱり不安もあるみたい
だからつくしが励ましてくれるとありがたい。」
「しばらくはロンドンに滞在することになりそうだから…お見舞いに行ってあげよう。」
類の言葉にケビンは驚いたが…
ケビン「そうしてくれると助かる…ここの方が企業の準備も早く出来るし」
「俺のお節介な友人達が島のアトリエを建てるって張り切っているんだ。
俺はあのままでも十分だけど、この前の事があったから司が煩い!」
ケビン「あぁ あきらもそんな事を言っていたなぁ…」
類「きっと今頃業者が見に行ってると思うよ…山中がいるから任せるつもり。
2ヶ月はかからないって言ってたけどね。」
つくし「そうなの?つい最近、ケビンがキッチンとか広くしてくれたばかりなのにもったいないけど。みんなが遊びに来ても泊まれる部屋も無いものね」
「それは必要ないんじゃ無い?」
ケビンは笑いながら聞いていたが『ルーニーが日本に帰らない様に何か考えないとなぁ』頭はフル回転していた。

検査も無事終わり何も問題が無いと言われた。島には帰らずロンドンメープルで
アトリエが完成するまでの時間を過ごす事に決めホテルに戻ると

「お前ら…まだいたの?暇なの?」
部屋にはあきら夫妻と総二郎、優紀が待っていた。
あきら「失礼だな、美作はイギリスにも支社がある。しばらくはこっちの仕事を
片付けるつもりさ。陸も長時間のフライトを短期間では疲れるだろうしな」
「総二郎は大丈夫なの?」
総二郎「あぁ イギリスでも日本の古典文学や芸術が人気があって、ケビンの務める出版社で開催される企画を手伝う事になったんだ。優紀もたまには重鎮達から解放してやりたいしな」
「ふぅ〜ん でも俺達の邪魔はしないでね。司は帰国したの?」
あきら「あいつはヨーロッパを回ってる。ドイツに5日ほど行って戻ってくる」
「あぁ…アトリエの改築OKしなければ良かったなぁ…」

その頃女性陣は…
桜子「先輩、こっちにいる間にいろいろ観光もしませんか?優紀さんも楽しみにしていたんですよ。滋さんも来週には来られますわ」
つくし「滋さんはドバイに住んでいるんだものね、日本よりこっちが近いよね。
そういえば私も観光って全然してなかったの。ちょっと楽しみ」
優紀「美術館とか行ってみたいのよね〜」
ワイワイと盛り上がっていた。類はそんなつくしをジトッと見ていたが…
つくしは気づいていないww






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おちゃめママ
花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします