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絆14(2次小説:類つく)

**回想**
〜類 25歳〜

パリ大学を卒業して3年。
あれから俺は誰とも連絡は取っていない
TVも雑誌も仕事で必要な物以外は極力見ない

こっちに来て半年くらい過ぎた頃、あきらが
わざわざ会いに来てくれた。でも俺は会わなかった
屋敷に掛かってきた留守番電話さえも聞かずに消す
あきらから牧野と司の話しを聞くのが怖かったんだ
それから…誰も俺に連絡はくれなくなった。
それで良いって思っていた

もし司が牧野と婚約でもしたら経済誌にも載るだろう
それを目にするのも怖いけど、流石に目を通さないと
仕事に影響が出るものもあると覚悟したけど…
この5年、そんなニュースも出ないし雑誌で見る司は
牧野と出会う前の顔をしていた。
俺の中で少しずつ疑問が湧いた…この5年、司が出席
しそうな場所は避けていたから他のみんなにも会わない。

類「田村、司のゴシップとか読んだことある?
あいつ、婚約発表とかした?」

仕事中に突然聞いたから田村は一瞬、驚いたけど
田村「道明寺様の婚約などのニュースは聞いた事は
ございません。ゴッシップ記事などはたぶん…
出る前に対処されているとは思います。
これは聞いた話ですが…大学生の頃はかなり派手に
遊んでいたとの噂がありました。
暴力事件も起こしたようですが…あくまでも噂です。」
類「それっていつ頃?俺が日本にいた時期?」
田村「いえ。専務はパリ大学に通われていました」

え?じゃぁ牧野がNYに行ってからって事?
それはおかしい…やっぱり単なる噂だろうな

田村「現在、花沢と道明寺HDの取引はありませんが
楓社長以上の冷徹な仕事ぶりだと有名です。
成果を上げない企業はバッサリと斬られるそうです

専務が道明寺様の事を聞かれるのは珍しいですが
何かございましたか?」

類「いや…なんでも無い」

田村の話を聞いて俺は牧野が心配になった
もしかして俺とのことがバレたんじゃないだろうか…
あいつは彼女に執着してるはずだから側からは
離さないだろうが冷遇してるとか?
そこまで考えて…何未練な事を思ってるんだと
自分が情けなくなった。
俺は…あれからまだ立ち直れていないんだ。

〜花沢 護 〜

是枝(護秘書)「社長、タスコムの創立パーティーに
類様もぜひ、出席して欲しいと再度申し込みが
ありましたがどういたしますか?」

護「あの社長の魂胆なんてわかってる。自分の娘を
売り込むつもりだろう?類が出席する筈ない
是枝、類の事をどう思う?」

是枝「仕事の成果は充分にあげておりますし
役員の皆様の評価もかなり高いです。
ただ…女性に対しての拒絶反応が強く、女性秘書を
付けるのも嫌がっております。田村さんがあらぬ噂を
立てられて困ったとの話も聞きました。
本当に女性に興味が無いのでしょうか?」

護「そんな事はないと思うが…休日もほとんど邸から
出ない。何が楽しくて生きているのか心配になるよ」

是枝「どなたか良い女性が現れると良いですね。
そういえば…道明寺のJrがまた婚約破棄になった
と噂になっております。確か彼は類様と幼馴染
でしたよね?タイプは違いますが女性に関して
どこか似ている気がします。」

護「司君の破談の原因は知っているかい?」

是枝「婚約は楓社長の指示での政略的なものだと
思いますが、お相手の女性は周りにも婚約を
自慢していたらしいです。
でも…破棄を言いだしたのは女性からだと聞きました
破棄の理由が『彼は私を見ていない』だそうです
今までも同じような理由らしく噂になってます」

5年前、入ったばかりのメイドに金を渡して陰口を
聞かせて牧野さんを類から遠ざける事に成功した。
彼女はNYに行き類は失恋しパリ大学に留学した
全ては類の為だとあの時の私は信じていた。
離れれば彼女の事も忘れるだろう
しかし…今の類はロボットのように毎日働くだけで
感情を失ってしまった。

類が大学を卒業した年だっただろうか…
あるパーティーで楓社長に話しかけられた。
いつもは軽く挨拶するくらいなのに何だろう?
人払いまでされて驚いた
楓「花沢さん、牧野さんはお元気?」
護「は?彼女はNYにいるんじゃないんですか?」
楓「そう…やっぱり」
彼女はそれだけ言うと去ろうとしたから
護「楓社長、どういう事ですか?」
楓「あなたも…私も間違った選択をしたらしいわ」
その言葉がずっと頭から離れなかった。
あれから私は密かに牧野さんの事を調べさせたが…
どこに依頼しても何も掴めなかった。
楓社長が隠していると思い抗議の電話を入れたが
楓「確かに一時は情報をロックしましたわ
でも今は私にも何も掴めない状態ですよ。
嘘はついていませんわ」

あれからまた2年…あの日からは5年が過ぎた。


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おちゃめママ
花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします