絆27(2次小説:類つく)

〜あきら&総二郎〜

マリア「あ！TV局にいたお兄さんだ」

その声に驚いて…近寄った。

総二郎「こんにちは、君TV局で俺を見たの？」

アリア「えぇ　お着物着てたでしょ？カッコいいから覚えていたわ」

近くにいたその子のママが興奮して

マリア母「おぉ！ニシカドセンセ」

どうやらこのご婦人は総二郎を知っているみたいだったから
2人をビルにあるカフェに誘った。
大喜びでついて来てくれた2人に特大のパフェを
ご馳走して話しを聞き出す事にした。

この母親はオアフ島の西門流に通う茶道の生徒で
総二郎の顔は知っているしファンだと感激していて
ハワイ島の家からわざわざオアフ島の教室に通っている
と言うから

総二郎「ハワイ島にも教室を作る計画があります。
場所を検討したいから案内して欲しい。
マリアちゃんはハワイ島のスクールに通って
いるんだよね？そこに茶道を習いたいって
日本人はいないかなぁ？」

マリア「日本人？クラスにはいないけど…あ！
トワのママは日本人かも知れない」

あきら「トワ？男の子だよね。ママが日本人なの？」

マリア母「彼女は黒髪で瞳も黒いけど…トワは
どうかしら？髪も瞳もブラウン？」

総二郎「じゃぁ…トワ君はパパに似てるのかな？」

ドキドキしながら尋ねると

マリア「トワにパパはいないわよ。」
マリア母「そうね、グランマとつくしと3人よね」

その名前を聞いて2人はハイタッチしたい気分だったが
グッと我慢し、

総二郎「明日、ハワイ島に行ってみようと思います。
良い場所があると良いのですが…案内してもらえますか」

母親は喜んでと言ってその日は別れた。

その夜…

あきら「さすが総二郎だな。あんな小さな女の子に
覚えてもらってるとは！でも母親の名前はつくしって
言ってたよな？そんな名前あいつだろう？
それも父親はいない！マリアは9歳！何もかもビンゴだ」

総二郎「あぁ、絶対に間違いない！明日はその子の
写真も見せてもらおう。逃げ出さないように慎重に
やらないとな。」

そんな話しをしているとあきらのスマホが鳴り
秘書からPCに報告書を添付したと連絡が来た。
牧野家から苺を購入している人物はコックス社で
働いていた。

あきら「コックスといえばアメリカでも大手の商社だ
なんで嘘をついて購入してるんだろう？
コックスと牧野に何か関係があるのかな…」

総二郎「ちょっと飛躍しすぎだろう？どこで
知り合うんだよ？」

あきら「でもなぁ…牧野だからな。
セレブはどう言うわけかあいつに弱い笑」

総二郎「もう少しだ、慎重に行こうぜ！
類に嬉しいサプライズをしてやろうぜ」

次の日、ハワイ島に着くとマリア親子が車で迎えに
来てくれた。

マリア母「先生、家にご招待しますわ。一休みしてから
島を案内しますわ」

家に着くとマリアは得意げに
マリア「ほらあの丘の上のお家がトワの家よ。」

総二郎「へぇ〜遊びに行った事があるのかい？」

マリア「うん。とっても広いのよ。トワのママの
手作りのおやつを食べたの！」

あきら「マリアちゃんとトワ君って仲良しなんだね
一緒に撮った写真があったら見せてよ〜」

マリアは照れていたが嬉しそうに部屋に飾っている
写真を持って来てくれた。

マリア「これがトワよ。かっこいいでしょう〜
お勉強もスポーツも1番なのよ！」

写真を見て2人は顔を見合わせた…
『ルイに似てるだろ？』
『あぁ　ガキの頃の類の顔だ！』
口だけを動かした。

マリアの母の持って来てくれたお茶を飲みながら

総二郎「ハワイ島で教室を開くのに力を貸して
もらえる人はいますかねぇ？日本人ならありがたい」

マリア母「ここで1番のセレブはトワのとこね。
ケイは大きな会社の社長って噂よ。つくしも仕事を
手伝っているからきっと力になってくれると思うわ
でも…今はバカンスに出掛けているの」

マリア「トワは日本に行くって言っていたわ！」

総二郎「日本？いつ頃帰って来るのかなぁ」

マリア「夏はいつも1ヶ月近くバカンスでいないの。
8月の終わりには帰って来ると思うけど…」

あきら「そんなに長く？」

マリア母「なんでも仕事は何処にいても
出来るんですって。豪勢よね〜羨ましいわ」

総二郎「ではその頃、改めて来る事にします。
それまで私たちの事は内密にお願いします。
マリアもね！」

総二郎に頼まれて頬が赤くなる2人

あきら「僕の妹もハワイで暮らしたいと言っていて
両親も移住を考えているんですよ。
まだ10歳なんですが、こっちは親の活動もありますか？」

マリア母「まぁそんな小さな妹さんが？
マリアの学校は生徒数も多くないから親も仲良しで
この前もBBQをやったのよ！楽しかったわ
日本人も歓迎するわよ」

あきら「へぇ〜楽しそうですね。
家の親でも大丈夫かな…マリアママよりかなり年上
なんですけど…」

マリア母「あら大丈夫よ〜
そうそうBBQの写真があったわ、見る？」

マリア母はいそいそと数枚の写真を持って来てくれ
説明しながら見せてくれる

マリア「この人がトワのママよ。こっちがグランマ
トワはケイって呼んでるわ」

そこにはあの頃より大人になり綺麗になったつくしが
笑顔で写っていた。