パズル30(2次小説:類つく)
このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…
〜つくし(現在28歳)〜
翼「つくし〜今日はムサシ君と一緒の部屋で寝るね。ジョージ兄様が寝るまで恐竜の話をしてくれるって!」
パーティーの翌日から椿お姉さんと子供達3人が道明寺邸に泊まってくれて翼は大喜び!大人の中にばかりいる翼には良い刺激だと思う
つくし「それは楽しそうね。おやすみなさい」
翼はランちゃんに手を繋がれて嬉しそうに部屋の中に入って行った。ちょっぴり寂しい気持ちもあるけれど楽しそうな翼を見るのは嬉しい。私も今夜はのんびりとルーニーの本でも読もうかなぁ…
椿「つくしちゃん、一緒に私の部屋でワインでも飲みましょう?少しなら大丈夫でしょう?」
翼と入れ替わりに部屋から出て来た椿お姉さんに誘われて着いて行った。
椿「つくしちゃん、翼はとっても良い子に育っているわね。あなたのおかげよ、ありがとう。子供達のスクールもあってなかなか帰国出来ないけれど今回はみんなでお祝いに来れて良かったわ。うちの子供達は翼をすごく気に入ったみたいよ」
つくし「翼は本当に良い子です。この頃はちょっと良い子過ぎて心配なくらいで…大人ばかりの中にいるのでランちゃんやムサシ君と楽しそうに遊んでいるのを見れて嬉しいです。ジョージ君もお優しいお兄様ですよね。」
椿「ふふ、ありがとう。邸では兄弟ケンカなんてしょっちゅうなのよ。でもそれも良い経験だと思ってるの。私と司は年も離れていたからケンカにはならなかったでしょ?」
つくし「道明寺はお姉さんに弱かったですよね、でもご両親が不在が多い中でお姉さんの存在はとても大きかったと思います。翼にも兄弟がいれば…って思う事はあります。」
椿「あなたが翼の兄弟を産んであげる気は無いの?司の気持ちはあなたもわかっているんでしょう?もし貴方にその気があるなら…お母様も私も大賛成で迎えるわよ。誤解しないでね、強制するつもりは無いのよ。あなたの気持ちを聞いておきたくて…この4年、あなたは翼のために全ての時間を費やしてくれていたってとても感謝しているの。でもね、あなたの人生はあなたのものよ。私はつくしちゃんに幸せでいて欲しいの」
椿お姉さんは私の手を握りしめて優しく言ってくれる…自然と涙が流れた
つくし「お姉さん…翼の存在があったから私は生きていられたんです。彼との時間は本当に幸せなものでした。楓社長がずっと見守って下さった事を知った時は本当に驚きました。感謝してもしきれません…道明寺も何も言わずに私を守ってくれています。このまま…ここで暮らしていけたらきっと幸せなんだと思います。でも…まだ信じられないんです。どうしても…」
椿「類君が死んだとは思えないのね?」
私は黙ってうなづくしか出来なかった。
椿「実はね、桜子ちゃんから相談を受けたのよ。彼女は本当にあなたの事が大好きなのね〜」
つくし「え?桜子がですか?」
椿「私も桜子ちゃんと同じ、つくしちゃんが大好きで幸せになって欲しい。だから後悔して欲しくないの…ルーニー・ブラウンの事も聞いたわ。類君かも知れないのね?」
つくし「/// そんな事まで話したんですか?自分でも何でそう思ったか不思議なんです。大好きな本でよく読んでいたんですが…美作さんから原書をお土産にもらって読んだら、なんだか類のような気がして…類を感じるんです」
自分の素直な気持ちを椿お姉さんには話そう…そう決めたの
椿「きっとそれはつくしちゃんにしかわからない感覚なんでしょうね。 つくしちゃん、イギリスに行ってらっしゃい!パスポートは作ったのよね?自分の目で確かめて来た方が良いわ。」
つくし「え?イギリスに私がですか?でも…」
椿「あきらも行くって聞いたわ。一緒に行って調べて来なさい。翼なら大丈夫!私がロスに連れて帰るわ。きっと子供達も大喜びすると思うしピーターも賛成してくれてるのよ。だから納得出来るまで探して来なさいね」
あぁ…今回のパーティーに子供達の学校を休ませてまで連れて来てくれたのか…道明寺邸に泊まってくれたのか理解出来た。お姉さんの気持ちが本当に嬉しかった。
つくし「お姉さん…そんな事まで考えてくれていたんですね…ありがとうございます。すみません…」
涙が止まらなかった
椿「お母様も司もわかっているのよ…このままではいけないって。あなたの優しさにいつまでも甘えてちゃいけないってね。心配しないでいいのよ。さぁ!飲みましょう〜つくしちゃんの出発に!」
そして次の日…
翼「つくし…ごめんね。ロスのお屋敷には本物みたいな大きな恐竜のミニチュアが置いてあるんだって!僕に見せたいって〜行って来るね。本当はつくしも一緒がいいんだけどさ…ランちゃんが1人で来れないって赤ちゃんみたいよぉなんて言うから!」
今夜のPJでロスに帰る椿さんと子供達に誘われて翼もロスに遊びに行く事になった。どんな魔法を使ってくれたのか?翼は私にゴメンね…なんて謝ってくれ、楽しそうにロスに行く報告をしてくれた。椿お姉さんはそれを見て私にウィンクしてくれた。
つくし「私に謝る事なんてないよ。お兄ちゃんやお姉ちゃんが出来て良かったね〜いっぱい楽しんで来てね。」
翼の気が変わるといけないからと椿お姉さんに言われて、私は道明寺邸の玄関でみんなの見送りをした。寂しい気持ちはあるけれど、椿お姉さん達の気持ちに感謝して私は前に進もうと決めた。
桜子に連絡を入れお礼と美作さんと一緒にイギリスに行きたいとお願いしてみた
桜子「やっと決心して下さったんですね。あきらさんは週明けからロンドンに立つ予定です、先輩もご一緒していただけますか?私も本当は一緒に行って先輩のお役に立ちたいのですが陸を同行させるのはまだ無理なので…残念ですわ。ご自分の勘を信じて心ゆくまで探して下さい!あきらさんも協力を惜しまないと思います」
つくし「桜子…本当にありがとう。ルーニー・ブラウンが類だって確かな確証があるわけじゃぁないけれど…自分の目で確かめて来るね。」
その夜 道明寺の帰宅を待って起きていた。深夜1時過ぎに帰って来たと知らせてもらって彼の部屋に向かった
トントン 道明寺?
司「牧野か?こんな時間にどうしたんだよ。ちょっと待ってくれ…」
深夜に彼の部屋に入る事は一度だってなかったけれど、どうしても話がしたかったの。
つくし「あのね…」
私がその先を話すよりも前に…『あきらから連絡が来た』道明寺が口を開いた
司「お前はそのルーニー・ブラウンって作家が類だって思ってるんだな?俺も…あきらに聞いて少し調べたが…何もかもがシークレットだった。性別もわからない…担当者以外の誰も本人に会った事もないそうだ。ロンドンに行っても会える保証は無いぞ?」
つくし「うん…私が行って簡単に会えるとは思ってないよ。でも…自分の目で確かめたいの。翼が自分で私の側を離れられたように私も自分の足で進みたいの」
司「翼はほんの少し、ここを離れて遊びに行くつもりでロスに行っただけだ…」
その言葉に涙が出てしまう。翼を言い訳にするなんて私…
つくし「ごめんね…」
司「あ〜悪りぃ。こんな事を言うつもりじゃなかったんだ!泣くな…昔からお前と類の間はなんか不思議な空気があったよな…俺はそれが悔しかった。 お前がルーニーに類を感じるならそうなのかも知れないって俺も思う。だから自分の目で確かめて来い。翼なら心配いらないから気の済むまで行って来い。」
つくし「ありがとう…週明けに美作さんと一緒に向かいます。道明寺には本当に感謝してる…ここは私の安心出来る場所だったよ」
涙を拭いてにっこり笑って挨拶出来た…『牧野』 道明寺が不意に私を抱きしめ
司「もし…自分に納得が出来て…類じゃなかったら…俺の元に帰って来てくれ。結婚してくれなくたっていい…ただそばにいてくれるだけで…俺はいつまででも待つから」
抱きしめられた腕が震えていたの…道明寺の気持ちが伝わって苦しい。私だって…道明寺の事は大切な人だって思っている。でも…応える事が出来ないの
私の体を離すと
司「悪い…気にするな。俺もこっちでもう一度調べてみるから、何かわかれば知らせる。頑張って来い」
そう言って私を部屋から出した。自分の部屋に戻るとまた涙が流れて止まらなかった。それから出発する日まで道明寺と顔を合わせる事は出来なかった