パズル78(2次小説:類つく)
結婚式から約10ヶ月…
お腹も大きくなりいつ産まれても大丈夫だとDrにも言われている
心配性の類はつくしのそばを一時も離れようとしない
Drから万が一の事を考えて出産はロンドンの病院が安心だと言われて
今日はチャーター機で向かう。もちろん類と亜里沙も一緒
産後も1ヶ月はメープルに留まる事になっていて楓はスイートルームを
改装して準備満タン。
ロンドンに着き部屋を見てつくしも類もビックリしていた
つくし「部屋まで改装してもらっちゃって申し訳ないね…」
ロン「ずっとここで暮らして欲しいって魂胆じゃないの?」
ロンもホテルのロビーでつくしの来るのを待っていて
類「ロンこそなんでいるの?」
ロン「僕も明日から経過観察で10日ほど入院なんだよ」
ロンが心臓の手術をした病院でつくしも出産する予定
ケビン「まったく…みんなつくし信者だよなぁ」
そう言って笑うケビンも今日は朝から仕事にならずソワソワしていた
類「ケビン、俺も一緒の部屋に泊まれるように病院に頼んでくれた?」
ケビン「それはやっぱり無理らしいんだ。ルーニーでも例外は認められないって
女王陛下だって病院に従っているんだよ。
そうだロンの部屋ならどうにかなるかも知れないよ」
類「ゲッ…なんでロンの部屋で泊まるのさ、お断りだよ」
ロン「俺だって嫌だよ」
つくしはそんな会話をクスクス笑いながら聞いている。
ケビン「特別室だから面会は自由なんだよ。入院だって3日くらいだから
ルーニーも我慢出来るだろう?」
類はソッポを向いて返事をしなかった笑。
そしてNY
楓はロンドンメープルのスイートをもう一つ極秘に改装していた。
翼は今はロスの椿の屋敷で暮らしていて楓もNYと行ったり来たりの生活をしているが、あと1年後の9月からは日本で言う小学生になる。
椿は自分たちの子供と同じ所に入学させると思っているようだったけれど…
楓「翼、つくしさんがロンドンに着いたらしいわ。きっともうすぐあなたの
未来の花嫁に会えるわね。」
つくし達は生まれてからの楽しみだと性別は聞かないでいたけれど
この2人は女の子が生まれると信じているようです。
翼「はい。早く会いたいなぁ〜お父様もロンドンに行くためにずっと
お仕事休まず頑張っているんでしょう?僕も連れて行ってもらえるよね?」
楓「もちろんよ。今日はおばあさまとNYに帰って知らせの来るのを
待ちましょうね。でもね、まだ学校の事は誰にも秘密ですよ
お部屋の事もね」
翼「はい。大丈夫です」
楓「翼は司よりも頼もしいわね。」
何やらこちらも動いているようです。
こちらは日本
桜子「先輩にLINEをしたら、今日ロンドンに着いたらしいです。
メープルの部屋が改装されていて赤ちゃんのためのお部屋も出来ていたそうですわ。私もロンドンに行きたいです」
あきら「この時期は親父がアジアを回っているから俺が日本を離れるわけには
行かないんだよ、悪いな。」
桜子「そうですよね…今回は翼君には勝てそうもないので諦めます。
先輩が少なくとも2人、女の子を産んでくださる事を願います」
あきら「もし、男の子が生まれたらうちが娘を産んでも良いと思うぞ?」
桜子「まぁ/// 」
こちらもいろいろ考えているようです。
ロンドンに来て3日ほどが過ぎ今日も類と一緒にホテルの中庭をお散歩
類「結構暑いけど歩いて平気?」
つくし「Drも仰ってたでしょ、適度に歩かないと難産になっちゃうのよ」
ルーニーは有名人だけど手を繋いで仲良く歩く姿はオーラがあって
そばに寄ってくる人もいない(もちろんSPが守ってます)
類「ママさんも来れたら良かったけどね」
つくし「亜里沙さんがいるから安心だって言ってたよ。
生まれたら見に来てもらおうかな。飛行機が苦手らしいけどね」
類はつくしのお腹に優しく手をあてて
類「早く出ておいで…」と囁く
そんな姿を見てしまったホテルの客達は冷たい物を飲みにラウンジに
急いでいた
その夜…
いつものようにスプーンポジションでつくしを抱きしめて眠っていた類に
つくし「る…い 」
小さな声が聞こえた気がして目覚めた
類「つくし、どうしたの?お腹痛い?」
つくし「う…ん まだ15分以上間隔はあるけど…陣痛始まったみたい」
つくしの言葉に類は慌ててしまうが…
つくし「大丈夫、まだまだだから。類は病院に連絡してくれる?
遅い時間に申し訳ないけどお母様とケビンにもお願い」
痛みが治るとつくしは自分で着替えてベッドルームから出て来た。
流石のケビンもちょっと落ち着きがなくソワソワ…
亜里沙「類、落ち着きなさい。もう車の手配は出来ているはずだから
降りましょう。つくしちゃん、歩ける?」
つくし「はい。まだ15分はあるので…」
男達を尻目に歩き始めた
つくし「深夜に起こしちゃってすみません」
亜里沙「何言ってるの、そのために着いて来たのよ」
亜里沙がしっかりとつくしの手を握って励ましている
つくしに用意された特別室のベッドで苦しそうに顔を歪める姿を見て
類も辛そうな顔で腰をさすったりお水を飲ませたりと甲斐甲斐しく動く
ケビン「NYと日本に連絡して来るよ。」
亜里沙「私も千恵子さんに電話して来るわね」
類「つくし…痛いよね…代われるものなら代わりたいよ…」
つくし「ありがとう、もうすぐ私達の天使に会えるんだから大丈夫よ」
明け方になり類も立ち合い分娩室に移り…
大きな産声が廊下にも聞こえて来た
ナース「おめでとう 女の子よ」
バスタオルに包まれたベビーをつくしの横に寝かせてくれる
つくし「かわいい…」
類「うん…つくしありがとう。愛してるよ」
つくしは類の涙をそっと拭きながら、この日の事を一生忘れないと思った
つくし「類…私も愛してるわ」
もちろん周りにはナース達もいたけれど2人の世界を邪魔しないよう
息を殺して眺めていたらしい…眼福