絆20(2次小説:類つく)
〜類 30歳(現在)〜
類「相変わらず忙しそうだね。
楓社長以上の冷徹って噂はまだ払拭出来ないの?」
司「それより…まだ見つからないのかよ?
お前の親父は本当に何も知らないのか?
お前こそゲイだって噂が世界中に広がってるぞ」
類「余計なお世話。俺は牧野以外の女性には興味ない
もちろん男にもね。
社長は…牧野が消えた後のことはおそらく何も知らない。
監視を付けてるけどあの人も彼女を探してるみたいだし」
司「監視をつけてるのかよ!お前まだ許せてないんだな」
***回想***
〜F4 25歳の頃〜
牧野が消えて5年が過ぎた頃、俺達はお互いが
嘘をつかれていた事を知った。
あきらが間を取り持ってくれて俺達はNYで4人で集まった。
あきら「このメンツで飲めるなんて2度と無いかと
諦めていたが良かったぜ。」
総二郎「お前らって正反対に見えてよく似てるよな
直ぐに俺たちに確認してくれれば良かったのにな」
俺も司もはじめは無言だった…
総二郎「牧野はなんであんな嘘を付いたんだろうなぁ
こんなにみんなが探しても見つからないってあり得ないよな?」
司「あの手紙の後、ばばぁが直ぐにあいつの渡航履歴を
削除するよう頼んだらしい。俺には偽の書類を見せたぜ
パリ便に名前があった。頭が真っ白になった…
花沢を潰そうってばばぁに言ったら鼻で笑われた
【それじゃぁ一生、類君には敵わない】だとよ
暴れたし…女と手当たり次第あそんだ…でもよ、
その度にばばぁの言葉を思い出す。だから仕事だけは
絶対に負けないと頑張った
なのによ…類はいつも無表情な冷たい顔で雑誌に
載るからすごい腹が立った」
総二郎「じゃぁやっぱり司のお袋さんが隠してるのかよ?」
司「いや…それは違うと思う。」
あきら「俺は楓社長と直接会って話した。確かに
最初に細工したのは彼女だ。でも司があまりに
酷くて後悔して探したって言ってた。
あれは嘘じゃ無い」
類「牧野が消えた原因は花沢社長だとわかった。」
黙って聞いていた俺の突然の言葉に3人は驚く
あきら「何かわかったのか?」
類「あぁ。志乃が調べてくれた
牧野が屋敷に来る予定の日、俺は急遽会社に呼ばれ
志乃も親父の用事で外に居た。帰るとまだ彼女は
来てなくて電話したら…友達に呼び出されて行けなく
なったって言った。いつもならそんな時はLINEが
来るからおかしいとは思ったけど…
その日から会えない日が続いて会えた日にNYに行く
って言われた」
あきらには話したけど…司の前では詳しくは話さなかった
類「覚悟はしていたけど突然で…俺も真っ白になって
全てを忘れるつもりでパリに行ったんだ。
牧野が笑顔なら良いって思ってたけどやっぱり辛かった
あきらと話してから気になって志乃に聞いたんだ
あの日、本当に牧野は来なかったのか?って
そしたら…いつもいるメイドは他の用事を言われ
入ったばかりの新人メイドに牧野の出迎えを頼んだ
事がわかった。そいつら直ぐに辞めてたんだ。
志乃が調べて1人の消息がわかった。」
3人とも真剣な表情で次の言葉を待っていた
類「そいつら…親父に金をもらって牧野に
聞こえるように俺がパリ大学留学の事で親父と
ケンカした事や牧野のせいで道明寺HDとの
関係が悪化するとかって噂話しをしてたらしい。
きっとそれを聞いて牧野は…」
司「は…あいつらしいな。自分のせいで類や花沢が
困った事になるって思ったんだな
それにしても逃げ足が早過ぎないか?」
類「たぶん2週間くらいで全てを準備したんだと思う」
総二郎「親父さんが手を貸したのか?」
類「いや…彼女は親父には会った事は無い。
あの人はただ俺から牧野を離したかっただけで
深く考えもしないでメイドを使って噂話しをさせた
彼女の気持ちなんか何も考えてないんだ
俺はあの人を許せない…」
総二郎「牧野は真面目で他人の気持ちばかり考えるって
知らなかったんだろうな。」
あきら「類の一方的な想いだって思ってたのかな?」
類「この前、メイドの事を問い詰めたらそんな言い訳
したたよ。【全てお前のためを思っての事だ】だってさ
ふざけてるよね…傲慢だよ」
その日、俺たち4人はお互いが胸につかえていたものを
吐き出し深夜まで飲んだ
司「俺も初めはババァを恨んだ。ニセの報告書を作り
俺が調べても何もわからないようにしてたからな。
あきらがNYに来てババァの気持ちも理解出来た
あの頃の俺は牧野の気持ちを考えていなかった
あいつを追い詰めた責任は俺にもある」
あきら「司、大人になったな」
司「俺様はお前らより大人だ!」
総二郎「でもよ…類らしくない行動だったよな?
もしあいつがNYに行くって言ったら、お前なら
辛くても…笑って牧野を見送ると思ったぜ」
それはあきらにも言われたけど…
あきら「それだけ突然だったって事だろ」
あの日あった事を知ってるあきらがフォローしてくれた。
類「最後に会った日に…俺を好きだって彼女が言って
くれたんだ。だけどやっぱりNYに行くってね
思った以上にショックで…冷静じゃなかったと思う。
今考えればおかしな行動がいくつもあったのにね…
親父の計略があったなんて思いもつかなかった。
まんまと俺はパリ大学に留学しちゃったしね…」
志乃にメイドの話しを聞いて親父の言い訳を聞いて
俺は屋敷を出て1人暮らしを始めた。
今は花沢物産の社長と専務だけの関係だと割り切っている