絆10(2次小説:類つく)
〜永遠 9歳〜
つくし「永遠、週末はジョージの家族が来るの。私達はお出かけしましょう」
夕食の時にママに言われた
ジョージはケイの息子でNY本社の専務さん、ケイはNYにもお屋敷があるけど
旦那さんが亡くなってハワイに来たんだって、今はジョージ親子がそこに
住んでいる。
ケイ「あんた達が気をつかう事はないよ。2、3時間で帰るだろうからね」
ジョージは1人で時々来るけど、僕にもママにも必ずお土産をくれるし優しい。
つくし「ありがとう。
永遠のサーフィンもあるからランチをして帰るわね」
ママが席を立つと
ケイ「レィジィはキツイからね…永遠も何か言われたらちゃんと言うんだよ」
永遠「僕は大丈夫だよ。ご挨拶はした方が良いよね?」
ケイ「エレノアも来ると思うわよ」
永遠「ちょっと遠慮する」
ジョージの奧さんのレィジィさんはママの事があんまり好きじゃないみたい
ビリーは12歳だけど、いつもレィジィさんにベッタリくっついている。
妹のエレノアは8歳で…僕のお嫁さんになりたいと言ってる
レィジィさんによく似た顔立ちで僕は好きになれないけどね。
**現在**
〜ケイ(ケイティ・コックス) 60歳〜
コックス社の経営は多岐に渡っていて不動産部門が1番有名かしらね
主人が亡くなって私は表舞台から姿を消したの…2人で大きくした会社は
子供と同じ。
でも主人が亡くなってコックスの親族達が動き出したから社長を信頼出来る
人間に任せて引退するふり。
ハワイでのんびり暮らすふりで影で全てを統率していたのよ。
そんな事を知らない人間が乗っ取ろうと動き出したから、あぶり出して
一網打尽!
会社の業績はますます上がって私は『マダム・ケイ』なんて呼ばれて恐れられているわ。そんな私のところに時々やって来る長男の妻レイジィと孫達…
魂胆はわかっているの。ここ10年、つくしは私の秘書として十分な働きをして
くれているし表に出ていないのに評判が良いの。そして…永遠。
彼は9歳とは思えない頭脳明晰な子で教えた事を全て吸収しちゃうのよね〜
私が彼女達をそばに置いて信頼してるから心配なんでしょうね。
**回想**
〜ケイ 49歳〜
オアフ島の別荘で暮らし始めて2年近く、会社の騒動もどうにか落ち着いて
私はここで仕事をしている。アメリカでそこそこ大手の会社が外食産業部門で
提携したいとの報告が私の所にも来た。社からの報告では売り上げも悪くないが
カフェ部門が気になったの。ちょうどワイキキそばに店舗があったから私は
低所得者のお婆さんに見えるように変装して店に通い出した。
1週間でこの店は見込みが無いとわかったけれど新しく入って来た女の子に
興味を持ったの。
やる気のない従業員の中でいつも笑顔でどんなお客でも同じ対応。
コーヒー一杯で粘る私に時々そっとサイドメニューを出してくれる
注意深く見ていたら自分の財布で支払っていたんだから驚いた。
そんな彼女に興味を持って店の外で声をかけて話しをするようになった。
日本人で『牧野つくし』なんだか訳ありでハワイに来たみたいだけど
自分の事は何も話してくれない。彼女は休みもろくにもらえず働いていて
どんどん痩せていったから心配で内緒でいろいろと調べさせた
その報告書を読み、私が決意して店に行った時に店長が私に怒鳴り出したの
慌てた彼女が私に謝罪しに来た時は顔色も悪く…頭を深く下げた途端に倒れた。その彼女を店長は怒鳴りながら他の従業員に命じて「奧で寝かせておけ」だと!もう我慢出来ず私は少し離れた所で待機しているBGに電話し
彼女を連れて家に戻ったわ
直ぐDrを診察をしてもらったら極度の疲労、栄養不良…そして妊娠。
報告書に有名な名前が載っていたけどそこまでは予想できなかったわね。