絆4(2次小説:類つく)
〜永遠9歳〜
ケイがハワイに住むようになったのは12年前なんだって
大きな会社の経営者だった旦那様が亡くなって後継者争い?が
大変だったらしい。10歳上の旦那様と2人で起業しどんどん業績を上げて
特許もいくつも持っていたから、その業績を横取りしようって親戚が大勢
旦那様のお葬式に押し寄せて来て人間の醜さを見たって話してくれた。
それでハワイのオアフ島に移り表舞台からは姿を消して人間観察をしながら
会社を守った。みんなはマダムKって彼女を恐れているんだ
でも僕には甘いからママに「ケイは永遠を甘やかし過ぎよ」って注意されてる
ママはケイの秘書さん。
ケイ「つくしは私の息子よりも信頼出来る人なんだよ。あの子との出会いが
私の人生も変えたかもしれないね。」
永遠「ママもハワイに住んでいたの?」
ケイ「私が初めて会った時はバイト学生だったよ。
ハイスクールの子かと思ったいたんだ」
今はハワイ島に大きな家があって、ケイとママと僕。
メイドが3人と庭師で住んでるよ
ママは僕が生まれる前の話を何もしてくれない…
時々、すごく寂しそうな顔で僕を見つめている事がある
なんだか僕じゃない誰かを見ているように…そんな時は
「僕がママをずっと守るね」ギュッと抱きつく
つくし「それは頼もしいね」笑顔で髪を撫でてくれるから安心するんだ
**回想**
〜つくし19歳 大学2年〜
2年生になり授業は少し楽になった
牧野家はこの春ちょっとした事件があった
つくし「え?栃木に住む?」
千恵子「そうなの、パパがこの前道に倒れていた人を助けたでしょう?
その人がいちご農家のオーナーだったのよ」
パパはお人好しののんびりやで営業なんて向いていないのに
今回も転職で営業職。
売り上げで給料が変わるから家計は苦しくて
ママも私が高校を卒業して学費がなくなり少し楽になったけどパートに
明け暮れていた
人を助けた話は聞いたけど…
晴男「その人がパパを気に入ってくれてね、いちご農家で働かないかって
誘ってくれたんだよ。何人も横を通り過ぎて行ったのにパパは見捨てなかったってね。その人は会合で東京に来ていて食あたりで苦しんでいて、パパは救急車を
呼んで病院まで付き添っただけなんだけどさぁ〜わざわざ家までお礼に来てくれて、いろいろ話しをしたら自分の所に家族で来いって誘ってくれたんだ」
千恵子「あんたは忙しそうだったから私達と進で日曜日に栃木に行って来たの。
ご高齢のご夫妻2人で大きなビニールハウスをいくつも持っているのよ」
進「すごい美味しい苺だったんだよ〜」
3人は大乗り気で話がトントン拍子に決まり、進は栃木の農業高校に編入もして
引越して行っちゃった。
私は千石屋の奥様に紹介してもらい小さなアパートに引っ越した。
道明寺には引っ越しが終わってから報告したけど、やっぱり怒鳴られた
「俺がマンションくらい用意してやったのに」思った通りの反応で
笑ちゃったよ…
類はアパートの大家さんに了解をもらいドアに新しい鍵を2個付けてくれた
今までと同じようにバイトの終わり時間に迎えに来てくれたけど
アパートの下まで来ると私が部屋に入るのを見届けて帰って行った
類「1人暮らしの部屋に恋人以外が入るのはダメでしょ」
そう言われて胸がチクッと傷んだ。
類は3年になって単位もほぼ取り終わって講義も週に4単位だけ
西門さんも美作さんも同じような物で大学で顔を合わせる事も少なくなっちゃた
あきら「この頃は会社に呼ばれる事も増えた。イギリスに留学しろなんて
話も出て参るぜ。類だって同じようなもんだろう?」
私と類がお茶している所に美作さんが来てそんな話しをしていた
つくし「類も留学の話があるの?」
類「俺?俺は無いよ」
普通に答えてくれたからホッとしちゃった。
5月…
今日は花沢邸で英語のレッスン。志乃さんと類のおかげで英会話はだいぶ上達したと思う。類には内緒で講義のない日に外資系のカフェでバイトも始めたの
昼間だけだしもらった給与で類と志乃さんにプレゼントしたいと思ってる。
ここは海外のビジネスマンが多いから面接も英語だったけど採用されて
ちょっと自信がついた。
お屋敷に着くといつも迎えてくれる志乃さんの姿がなく
メイド「志乃様から聞いております。類様もまだですのでこちらでお待ち下さい」
通された部屋で本を呼んで待っていた…