パズル27(2次小説:類つく)
このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…
道明寺司 29歳誕生日パーティー当日
メープル東京ロイヤルスイート 翼控室
つくしは深くため息をついていた…
つくし「ま…まさかさぁ、こんなに盛大だとは思ってもいなかったのよ。メープルを貸切で招待客が1500人以上…取材はホテルの外にまでいるし…無理!やっぱり場違いだよ。私はここで待ってちゃダメかな?」
翼「つくし〜これは『ぎょーむめいれい』だっておばあさまに言われたでしょ?大丈夫だよぉ〜僕がそばにいるから。 それにさ…僕だってみんなの前でお祝いのピアノを弾くんだよ?つくしがそばにいてくれなかったら僕…失敗しちゃうかもしれない。」
翼が私の手をギュッと握って不安そうに見て来る…
つくし「ごめんね、そうだよね!でも翼はたくさん練習したから失敗しないよ。頑張って弾こうね、側にいるから」
翼「うん!あ…つくし、今日のドレスすごく似合ってるね!きっとお父様も喜ぶと思うなぁ〜」
つくし「え?なんだかこの頃…翼のペースに乗せられててる気がする。もう5歳だものね…」
翼「そんな事ないよぉ〜僕、ドキドキしてるんだよ失敗したらどうしようって」
つくし「いつものように弾けば大丈夫!そういえば…昔、道明寺の誕生日に下手なピアノを弾いた人がいたけど、その人より翼はずっと上手!自信持ってね」
そんな会話を2人の様子を見に来ていた西田は聞いてしまい、昔を思い出してプッと吹き出してしまう。いつも無表情な彼の意外な所を見た山中は不思議そうだった。直ぐにいつもの無表情で
西田「山中、ちょっと」
翼の控室には数人のSPが控えていたので、2人はそっと廊下に出て
西田「打ち合わせで話したが、今日のパーティーにはあの娘夫婦も招待されている。もちろんメイン会場に入る事は許されてはいないが…つくし様が気づかぬように十分注意して下さい。」
山中「はい。あの女がつくし様に近づくような事があれば気づかれぬうちに排除します。命に換えてもお守り致します。沖縄で司様と一緒の所を見たはずなのに
ここにやって来るとは、つくづく傲慢な女ですよ。許せない…」
西田「君の気持ちもわかるが…今日は始まりの日ですから静かに見守りましょう」
山中「はい。すみません…」
*いよいよパーティーが始まる*
メープル全館を使用した今回は大ホールがメイン会場になっていて、特別な招待状を受け取った者しか入れない。その他のホール、レストランには大画面のモニターが設置されていてそこから彼の姿を見る事が出来た。 それでも招待されただけで一流企業と認められた証で皆、喜んで参加しているようだった。
金城夫妻の招待状は2階のカフェの地図が載っていた。この場所にいるのはほとんどが桜か金城興産のような類の会社ばかり…他の企業に迷惑がかからぬようにと西田が手配していた。
着飾って会場に入った金城達は西田の用意したレンタルゲスト達と和かに会話し自分の名刺を配っていた。琴音も最初は夫の隣でニコニコしていたが経済界の話などを質問され会話にも入れず料理のワゴンの前でポツンと料理を皿にのせていた。華やかな音楽と共に大画面がステージを映し出した…
ステージには道明寺楓社長、司専務ともに公の場に初めて出て来た翼の姿があり、招待客達の注目を集めた。
客「あの子がJrの翼様ね。お父様によく似ているわね…すごく利発そう。その後に立っているのは?奥様とは離婚していたわよね?」
客「あぁ…どこかで見た気がするなぁ。彼女が噂の翼様の教育係だろう。ステージの上に上げるくらいだから専務との結婚もありかな?」
そんな声が聞こえ画面を見て…琴音は手に持っていた皿を落としてしまった‥ ガシャ〜ん大きな音で注目され恥ずかしくてその場を離れてしまうが夫は気づいてもくれない。廊下に置かれたソファーに座りそこからも見える画面を見つめた…
**ステージ**
翼「お父様 お誕生日おめでとうございます。」壇上に用意されたピアノの椅子に座り、つくしの持つマイクに向かって挨拶をするとハッピーバースデーの曲を弾いた。画面には真剣に弾く翼、嬉しそうな顔でそれを聞いている司と楓。そしてピアノの横で翼を見つめるつくしの顔が映し出された。練習通りに上手に弾けた翼がペコリと壇上から挨拶をすると大きな拍手が鳴り止まなかった…翼は満面の笑みで側にいたつくしに抱きついた。つくしも翼を抱きしめて頬ずりをする。 そんな自然な姿をカメラマンが映そうとしたが西田と山中がそれを遮った。司はヒョィと翼を抱き上げステージの正面で
司「ありがとう。何よりも嬉しいプレゼントだ」と笑顔。そんな司を見た事もなかった招待客は拍手喝采だった。つくしはそんな姿をステージのそでで涙目で見ていた。
*****
スクリーンを見ていたゲスト達も道明寺専務親子の姿に拍手喝采で、
「Jrの側にいた綺麗な女性は専務の恋人かな?息子さんとも仲が良さそうだしな」「あの舞台に一緒に立っているんだから間違いないだろうな」
つくしの事も噂していた。
琴音『やっぱりあの女、生きていたんだわ…でもどうして道明寺様の所にいるの?類様が死んで乗り換えたって事?そういえば…あの女は保母になるつもりらしいってパパが言ってたわ。きっと息子を懐柔したのね…あんなに綺麗なドレスを着て私より華やかな場所に立っているなんて許せないわ。あの女のせいで私は類様と結婚出来なかったのに…』
琴音がスクリーンを睨みつけながらそんな事を考えていたら
滋「あなた…ずいぶん顔色が悪いけれど大丈夫なの?」
優しく声をかけられて振り向くと…美しい女性が立っていた
琴音「あ…もしかして大河原滋様ではないですか?」
滋「えぇ、そうだけどどこかでお会いしたかしら?」
琴音「はい。留学先のハワイで学生主催のパーティーで何度かお目にかかりました。お話もさせてもらったのですが覚えていらっしゃいませんか?」
滋「ハワイ?あぁ…友人に頼まれて出たパーティーかしら?あのパーティーでは誰とも交換先も交わしてないのよ。一般家庭の方が主催だったでしょう?(滋心の声:よ〜く覚えているわ!類君とつくしの仲を邪魔した女の顔を忘れないように参加したパーティーだもの!)」
パーティーはまだ続きます…