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絆29(2次小説:類つく)
〜永遠 9歳〜
次の滞在先は東京。
ケイ「帝国ホテルには1度、泊まりたいと思っていたのよ。
サービスは超一流と聞くわ」
羽田から車で向かう。
高速道路からの景色は北海道と全然違う
永遠「あの赤い塔が東京タワー?」
つくし「そうよ。夜はライトアップもされて
とても綺麗なのよ。昔、登った事があるわ
ママが懐かしそうに言う。」
永遠「ママは東京に住んでいたの?」
つくし「小さなアパートに18歳まで
4人で住んでいたの。
私は永遠の部屋の1/3くらいの部屋で弟と寝てた」
ママが自分の家族のことを話すのを初めて聞いたかも
ここでもホテルはスィートルーム。
ケイ「ここにはベッドルームが2つある部屋が無いのよ
広い方の部屋を2人で使いなさい」
ケイは隣のダブルのスィートに入っていった。
つくし「こんなに広いベッドなんだから、私と永遠で
一緒に眠れるのにね?」
僕はもう9歳だし一緒はちょっと恥ずかしい////
永遠「でもリザーブしてるから変更するのは困ると
思うよ?」
『それもそうね…』ママは言ったけど、今までも
1ベッドルームのホテルもあったけれど3人で寝てた
なんかケイもいつもと違う感じがしたんだよね…
東京には2泊して新幹線で静岡に行く。
それから大阪、京都を回ってまたここに戻る日程
永遠「ママは明日、1人で出かけるんだよね?」
北海道に来て3日目くらいだったかなぁ…
***
ケイ「つくし、報告書が届いたわよ」
ケイがママに書類を渡していた。
つくし「ありがとうございます。
優紀、千葉に住んでいるんですね…」
永遠「ユウキって誰?ママ」
つくし「ママのお友達なの…」
ママはその人に連絡をして明日会う事になったみたい。
電話の時に何度も『心配かけてごめんね』泣きながら
言っていたから気になるけど… 僕はケイと留守番らしい。
〜つくし 29歳〜
ケイに【会いたい人は本当にいないの?】と聞かれて
思い浮かんだのは優紀…彼女なら彼らには黙っていて
くれると思い、何処にいるか調べてもらったの
彼女は昔からの夢を叶えて看護士になり
26歳で結婚して【田端優紀】になっていた。
旦那様は同じ病院に勤めるレントゲン技師で2歳の
娘がいるみたい。思い切って優紀の実家に電話を
かけたらすごく驚いていたけど覚えていてくれた。
北海道のホテルの電話番号を伝えたら、直ぐに
連絡をくれた…
優紀「つくし?本当につくしなのね…」
私の声を聞いた途端、涙声になるから私も涙が出ちゃう
会いたいと言ってくれて、東京に近い千葉の駅前で
待ち合わせをした。
ドキドキしながら待っていたら優紀が走ってやって来て
優紀「つくし〜会いたかった!もうすごく心配したんだよ」
ゆっくり話しがしたいからって優紀は車で来てくれて
彼女の家に招待してくれた。部屋の中には家族で写った
写真がたくさん飾ってあってすごく幸せそう。
つくし「優紀、結婚おめでとう。娘さんは?」
優紀「ありがとう。娘は保育園よ。
それで?今まで何していたの?どこにいたの?」
つくし「うん…あのさ、これから話す事は優紀の胸
だけに留めて欲しいの。」
優紀「わかった…つくしが消えて暫くは西門さんや
桜子ちゃんから連絡もあったけれど、今は誰とも
連絡も取ってないよ。そもそも世界も違うし…」
優紀の事は信頼出来るけど、どこまで話せば良いか
まだ悩んでいるのが伝わったみたい
優紀「どうして消えたか聞かない。つくしの事だから
何か訳があったんだろうしね。でも今、どうしてるか
それは教えて?」
つくし「うん…ありがとう。私ね、あの頃誰にも内緒で
外資系のカフェでバイトしてたの。そこでハワイの店で
働かないかって頼まれたんだ〜もちろん最初は断った。
でもさ…自分を変えようと決心してその話しを受けたの。
それからずっとハワイで暮らしている」
優紀「ハワイ?私達ハネムーンで行ったんだよ〜
ハワイで働いているの?結婚は?」
つくし「うん。ハワイで知り合った人の会社で働いてる。
結婚はしてないよ。今度、ハワイに来ることがあれば
案内するから教えてよ〜優紀の旦那様、優しそうだね
子供もかわいい〜旦那様似かな?」
飾られた写真を見ながら話す
優紀「私ね、看護士になれてさぁ〜嬉しかったけど
実際は失敗ばかりのダメダメでさ…いつも屋上で
凹んでたの。彼は同じ病院のレントゲン技師なんだけど
彼に悩みを話すとスッキリ出来るって言うか…
包み込んでくれる感じで惹かれた////」
つくし「夢を叶えて凄いよぉ〜
娘ちゃんはいくつ?」
優紀「この前、2歳になったの。イヤイヤ期で大変。」
つくし「自我が芽生える頃なんだよね〜何でもイヤって
言うし目が離せないし…でも寝顔は天使だよね」
優紀「つくし…ずいぶん詳しいね?」
つい永遠の事を思い出してしまっていたの
つくし「同僚の子がそれくらいなのよ」
保育園のお迎えの午後4時になるまでおしゃべりし
一緒に迎えに行った。
優紀「娘のメグよ。」
つくし「メグちゃん、こんにちは」
車でそのまま駅まで送ってもらいお別れ…
優紀「また会いに来てね。私も連絡するから」
10年ぶりに再会出来て楽しい1日だった
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