拙者、マクロが苦手──
約ひと月前、テーブルフォトについて書いてまして。テーブルフォトというより飯テロ、という趣でしたが。お食事前にパチリ、というやつです。
その時に、いや、iPhone13を使っている頃から感じてたんですよ。
撮りにくくなったな、って。
iPhoneもひと桁台のころはそんなに気にならなかったのよ。普通に撮れば、普通に写った。でも、ここ数代はそうもいかなくなってきた。背景がボケるのよ。
ユーザーの要請で、大きなカメラのように背景がボケた写真が求められているのはわかるんだ。撮影モードに「ポートレイト」なんてのがあるくらいだから。背景をぼかして情報量を減らし、被写体に目をいかせる手法だね。
詳しいところはわからないが、どうやらiPhoneのカメラは大型化しているらしい。撮像素子がちょっと前のコンパクトデジカメぐらいに。おかげで、ピントの合う範囲がせまく、つまり、背景がボケやすくなってしまったってわけ。それはある面いいことなんだけど、手前から奥の山までピントが合った、パンフォーカスという写真が撮れなくなったってこと。フルサイズのカメラほどはもちろんボケないけど、なんか知る奥が悪くなったような写りになった。
もう一つ、ここからが本論なのだけど「近いところが撮れない」のだ。
繰り返しになるけど、大きいカメラは、ピントの合う範囲がせまい。先にあげたのはピントが合う奥行き方向の幅、被写界深度が狭いという話。今度は近くが撮れない、最短撮影距離が長い話。
これまた昔のiPhoneなら、レンズ前数センチからピントが合ったのだ。ところがiPhone13以降はからっきしだめ。手元の15PROで言うと30cmより近くはダメ、といった印象。
え? もっと近くでも撮れるんだが?
そうね、撮れる、撮れるのよ。近くを撮ろうとすると、画面の左下に黄色いチューリップのアイコンが出て「マクロモード」になる。レンズ前数ミリまで撮れるね、すごいよ。
だけど、それはカメラが超広角カメラに切り替わっているの。広く撮れて近くまで寄れるカメラで撮って、センター部分を切り出しているの。だから、画質がちょっと甘い。スマートフォンの画面上ではそんなに気にならないけど、少し拡大すると、がっかり。
もう一つガッカリポイントがあって、今度は背景がボケなくなっている。次の写真を見てほしい。
上がiPhoneのマクロモードで撮ったもの。下が今回紹介する方法で撮ったもの。カップの水滴は双方いい感じに撮れているけど、背景のボケ具合を見てほしい。マクロモードで撮ったものはほとんどボケていない。輪郭がシャープだ。なぜかというと、超広角カメラは撮像素子サイズが小さい上、それから切り出しているため、ものすごく小さいカメラで形になっている。大きいカメラはボケやすく小さいカメラばボケにくい。よってマクロモードでははっきり写ってしまう。
下の写真は、広角カメラにあることをして撮っている。なので、カメラが大きい分は異形がボケているのだ。立体感が出て、上質な感じがしない?
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