見出し画像

電線にっ♫

電柱や電線を避けたがる写真家が多い。
でもね、電線が全て地中化されたら途方に暮れてしまうかもしれない、わたしは。

漫画家の高橋留美子氏も昭和後期発行のムックで「電柱があると画面が締まる」のようなことを言っていた。同感だなぁ。

青空を撮る時、本当に空だけを撮ってしまうと、無邪気な幼稚園児が青色クレヨンで画用紙を塗りつぶしたようになってしまう。
気持ちはわかる。だけど、もうちょっと何かを表現しようよ。

電線、電柱ってさ、生活に直結するものでしょ。現代文明の動力源の「電気」を想像させるんで。
上の写真から電柱などを無くしたら、まぁちょっと弱い写真になるよなぁ。
でも、無数の線が画面を横切ることで、人が住む町での出来事だと分かりやすくなるし。

それと、電線、電柱は複数であるものだから、画面に静的な動きが表現できます。
等間隔で並んでいるもの
奥に向かって徐々に小さくなっていくもの
それらを目で追うことで、画面内の回遊性が上がり長い時間見てもらえる。
それは、願ってもないこと。
いい写真は長時間見ていていても見飽きないものだから。
(わたしの写真がいい写真だとは言ってない)

土地から離れられない電柱と
天上の飛行機
よれた配線と
一直線の飛行機雲
そして、電線と飛行機雲が一点に向かって収束していく


真っ白い観音様の聖性と
電柱の俗性
電柱の並びによる奥行き感と
それによる観音様の巨大感

やはり、写真を理解するための補助線として、
電線は愛おしい存在だなぁ♡

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?