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海は立てるもの

朝から洗濯機を3回転して
明日からの下着をなんとか確保したナッツォです
いやー、今日も天気が良くて善哉々々

時刻も正午を回った頃合いで
特に目的はなかったけど浜の方へ向かう
東北中央道を東進して相馬市へ

そこから県道を北上すると
右手奥の方に太平洋が見える
気温も上がってきてたのでちょっとした初夏の気分

昔はここから海なんか見えなかったのよ
点々とある漁港近くには漁師町があって
海なんか見えなかった

案内標識に海水浴場と出てきたので右に折れる
堤防がわりの道路を越えて小さな漁港へ
そのとなりに小さな海水浴場があった

人影はまばら
家族が数組そこかしこにいた
あれから13年経っているが
海岸を訪れる人はめっきり減ったね

わたしが砂浜に来るとすることがある

流木を立てるのだ

なぜ?
最初は面白そうだから立ててみた
流木を立て
ぐるぐるバットの要領で砂に突き刺していく
自立するまで10回転はする
当然目が回るけどね

ほんとに意味なく始めたのだけど
あちこちの浜で立ててると
意味づけされてくものだね

鎮魂

宗教的なものではないし
誰にも言っていないけれど
なんかそういう気持ちで立てるようになった

このあたりはね
条例で家を建てられなくなったんだよ
だから今でも遠くから海が見える

人が住んでいたんだよ
生業もあった
荒野(あれの)にポツンと建っているのは
遺構になってしまった小学校だけ

もう誰も住んでいない

だからぐるぐる回って流木を立てる

変だよね
遠くから見たらおかしなおっさんだよ
そんなことはよく分かってる

でもここには
人が住んでいたんだ

日没後、家に着き
洗濯物をたたんだ

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