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夜間救急に担ぎ込まれた話(犬が)
ほとんど電話のかかってくることのない私のスマホが鳴ったのは、子どもたちがベッドに入ろうとしていたときだった。
着信画面には、義母の名前。
義母は、息子である夫に連絡を取りたいときは、いつも私に電話する。
(夫はケータイを携帯しない人なのだ、昔から)
電話に出ると、聞こえてきたのは義父の声だった。
「もしもし、○○(夫の名)いるか?飲んでるか?」
この問いかけで、すでに私は何が起こったかだいたいわかってしまったが、とりあえず夫にスマホを渡す。
通話を終えて電話を切った夫によると、夫の実家のミニチュア・ダックスフント(メス12歳)が誤ってビニール袋を飲み込んでしまったので、救急病院に連れて行くのに車を出してほしい、とのことだった。
このダックスちゃん、1年半ほど前にも同じようなことをやらかして夜間救急に担ぎ込まれており、そのときの電話も同じようなやりとりだったため、私もすぐにピンときたというわけだ。
夫に酒を飲んでいるのか聞いたのは、実家の両親+姉が飲酒してしまっており、誰も車を出せなかったからである。
『夫だって今帰ってきたばかりで、夕飯食べている途中なのにな……』
私は少しモヤっとしながらも、夫を送り出した。
それから1時間ほどして夫が帰ってきた。
聞けば、割と遠くの夜間救急センターまで行ってきたらしい。
ダックスちゃんは病院ですぐに処置してもらえたため、大事には至らなかったそうだ。
「無理やり吐かされて、ぐったりしてたけどね~」と夫。
「よかったね」と答えながら、私はモヤっとした疑問を夫にぶつけてみた。
「でも、お義父さんたちも、タクシーとか呼んでくれてもいいのにね」
すると、夫いわく、
「いや、呼んだらしいんだけどさ。動物は困るって断られたみたいなんだよ」
そこで初めて、動物は乗車拒否される存在なのか!と思い至った。
冷静に考えれば、衛生面で問題があるということなのか?
はたまた、動物アレルギーのある客を乗せることもあるからか?とかそれらしい理由も思い当たるが。
それにしても、である。
だって、義父たちのように飲酒してしまっているとか、そもそも運転免許や車自体持っていないとか、そういう人たちが飼っているペットが急病になったらどうすればいいのだろう。
気になって調べてみたら、こんなページが。
地域限定ですが、ペットの救急搬送を請け負っている会社もあるのですね。
私自身も実家で犬を飼っていたことがあるのだが、幸いにして救急搬送が必要な事態になったことがなかったので、知らなかったというか思い至らなかった。
ペットを飼うということは、命を預かっているということ。
そういう場面もあり得ると想定しなきゃだよな、という気づきになったできごとであった。