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「もぉ~、しょうがないなあ。」――11月11日、丸11年を迎えて思うこと

今日は私たち夫婦の結婚記念日である。

息子が朝から「今日はさ、ポッキーの日でしょ。あとパパとママの結婚記念日!だよね?」と確認していたので、何かあるとは思っていたが、まさか音読カード(毎日の宿題とかのチェック欄の他に、担任とちょっとしたコメントのやり取りなんかもできるカード)のコメント欄に『結婚記念日おめでとうございます!』と書かれてくるとは思わなかった。

なんとなく恥ずかしかったが、何も反応を返さないわけにもいかず、『ありがとうございます』と書いた。

私は、昔から記念日には疎く、また「記念日なんだから何かしなきゃ」という空気が苦手だった。
もしフラッシュモブプロポーズとかされたら、いたたまれなくなって逃げ出してしまうと思う。


話を元に戻すと。

今日という日を迎えて思うことは、「よくもまあ、ここまで一緒にいるなあ」である。

夫とは、友達期間を合わせると、かれこれ20年近くの付き合いになる。


夫は超がつくほどのマイペース人間であり、自分のルーティーンは絶対に崩さない。
付き合う前は長らく友達だったし、彼の性質は理解しているつもりではいたが、やはり生活を共にすると「いやいや、そこは合わせてよ」とか「今それやるの!?」とか、あくまでも我が道を行く夫にイライラすることも増えた。

結婚したばかりの頃は、私も若かったので、不満に思ったらすぐ口に出していたし、その場で白黒ハッキリさせておかないといけないと思っていた。
私の気持ちに共感してもらえないと「もう夫婦やっていけないかも…」と暗い気持ちになったり、夫の小さな嘘や隠し事が発覚すると、裏切られた気持ちになったりした。

何度か離婚して!と思ったこともあった。
本人に向かって言ったことも。


でも結婚して丸11年、なぜか今も一緒に暮らしている。


2カ月ほど前、受講しているキャリアスクールのイベントで、コピーライターの阿部広太郎さんの『I love youの訳し方』という講座に参加したときに、『愛は赦す(ゆるす)こと』という解釈があって、それが自分の中ではいちばんしっくりきた。
赦すという言葉をスマホで調べると、『①過失や失敗などを責めないでおく。とがめないことにする。②義務や負担などを引き受けなくて済むようにする。』とある。

私は10年と少しの時間をかけて、夫のことも自分のことも赦すことができるようになったのだと思う。

赤の他人同士が一緒に暮らして、軋轢が生まれないことのほうが珍しいのに、そんな簡単なこともわからなくなるなんて。
記念日苦手とか言っといてどんだけ結婚に夢見てんだ、私は。


夫にはこれからも勝手に期待してしまうし、勝手に失望して、勝手に暗い気持ちになることもあるだろう。

でもその度に、「もぉ~、しょうがないなぁ。」と言いながら過ごしている自分でいたい。

それが私なりのI love youだ。



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