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創作者の脳内ってどうなってるん?~認知と創作に関する研究~①目的と方向性の提示

本を読むときれいな言葉がそのまま頭の中をぐるぐると回り、会社への通勤中は脳内で延々とおしゃべりが繰り広げられ、小説を書くときにはまず心情が言葉として流れてくる……それが普通、みんな同じだと思っていた。

しかし、実はそうではないらしい。

ある人は本を読みながら流れるようなアニメーションが浮かび、通勤中は脳内で静かに映像が流れ、脳内の映像を小説に描写する。またある人は頭の中は凪いでいて、頑張って外界から見つけ出した言葉や絵が形になるという。

私にとってこれは衝撃的なことだった。

身近な友人たちに話を聞いてみると、どうもインプット→思考→アウトプットの過程で、人間の脳が映し出しているものは人によって大きく異なるらしい。それなら、その傾向を分析すれば、自分の創作の強み・弱みを把握し創作物のマンネリ化から脱却できるのではないか。あわよくば神字書きになれるのではないか……!!

この研究は、大きな疑問と野望を抱いた私が様々な創作者たちのインプットからアウトプットまでの脳内を分類・分析し、傾向を探る研究である。
初めに断っておくと、筆者は脳科学や心理学の知識はゼロだ。大学時代はゴリゴリの人文系で、今はただのたまに絵を描く文字書きオタク兼会社員である。そのため、知識不足はご容赦いただきたい。

アンケート内容とざっくり集計について

今回、Googleフォームにて認知と創作に関するアンケートを行った。ありがたいことにツイッターで拡散いただき、およそ5,000人強の回答が集まった。

アンケートは早々に回答の受付を終了してしまったが、アンケート内容が知りたい、結果が気になるという声を多くいただいたので以下に質問事項とざっくりとした集計結果を添付する。

「あなたは何らかの創作をされていますか?それはどういったものでしょうか」(創作ごとに分類するための質問)
Googleフォームの単純集計によると小説・絵をかいている人が圧倒的に多く、次点でマンガを描いてる人が多かった。複数選択可だったが、2つ以上の創作をしている方も多く見受けられた。

回答1


「ぼーっとしているとき(特定の何かに集中していないとき)、あなたの頭の中には何が流れていますか?最も近いものを教えてください」(通常の脳内の様子を伺う質問)
グラフによると映像が流れる・言葉が流れる人が同じくらい、次いで音が流れる人、何かが浮かんでは消えるがはっきりとはわからない人、という結果になった。

思考回答


「創作をされる方に質問です。創作物に落とし込む前に、頭の中に浮かぶのは何ですか?最も近いものを教えてください。」(アウトプットの際の脳内の様子を伺う質問)
先ほどの「ぼーっとしているとき」の脳内とは変わり、こちらは映像が流れるという人が圧倒的に多いという結果になった。

創作脳内


「絵のない小説を読んだ時に、頭の中には何が思い浮かびますか?最も近いものを教えてください」(インプットの際の脳内の様子を伺う質問①)
小説を読んだ時もアニメや実写の映像が浮かぶ人が半数以上と非常に多い結果となった。私自身はうまく映像を作ることができないタイプなのでこの結果は衝撃的だった。

小説読んだ時脳内


「日本語の歌詞つきの曲を聴いたときのことについて、最も近いものを教えてください」(インプットの際の脳内の様子を伺う質問②)
曲を聴いたときについて、こちらはメロディが入ってくるが歌詞が聞き取れないという人が圧倒的であった。
音楽については創作の過程とは関係ないように見えるが、個人的にずっと気になっていたことだったため、関連性を探る意味も含めて今回質問に加えた。

歌脳内


続いては、脳タイプと日常での得意・不得意にどのくらい関連性があるかどうかという参考用に答えていただいた質問である。現時点の集計を見ても「へえ~」という感想しか出てこないが、上記のアンケート結果と関連付けられて何か特徴が見いだせれば万々歳だ。

その他回答


「「本田35式認知特性テスト(https://overpass.dokkoisho.com/cognitive/)」をやったことのある方は、一番高かった要素を教えてください(例:4言語抽象)」
最後に本田35式認知特性テストを受けたことのある方にその結果を記載していただいた。私が実施したものよりはるかに精密な「認知特性」についてのテストで、こちらの結果を照らし合わせることでより今回のアンケートの精度が上がると考えた。こちらは今後の分析の中で集計を進めていく。

今後の分析の方向性

上で記載したものはあくまでもGoogleフォームで単純に数を集計したものなのだ。これから創作者さんたちの脳内を調べるにあたって、私は今回集めたデータをもとに、下記の手順で分析を進めたいと考えている。

①創作の種類ごとに分け、それぞれのインプット→思考→アウトプット時に脳内に浮かぶものについて、数を集計する。
②インプット→思考→アウトプットの過程で大きく「映像タイプ」「言葉文字タイプ」「絵タイプ」「音タイプ」などに分け、それぞれに振り切っている人、総合的に組み合わせている人などで分け、分布図をつくる。
③ ②で作成した分布図の極端な位置にいる方々の作品を拝見し、表現方法の特徴を分析する。
④インプット→思考→アウトプットの脳タイプごとにそのほかの特徴がないかどうか探る。
⑤まとめ~認知・思考方法と創作物表現との関連性について~

こちらはあくまでも現時点で思い描いている青写真のため、分析していく中で変わっていく可能性が十分あり得ることはご了承いただきたい。

以上が、今回の研究を始めた理由とアンケートのざっくりとした集計結果、そして今後の分析の方向性についての報告である。
これからしばらくの時間をかけてnoteで中間報告をしてくことになるので、どうかお付き合いいただけると嬉しい。


※告知・連載について

貴重なデータをたくさんいただいたため、ツイッター等で安易に出さず、結果はすべてこちらのnote上で行うことにします(一部ツイッターで流してしまった件についてはすみませんでした)。
現状、ツイッターのアカウント分け等は考えていないため、アンケート結果を知るためだけにツイッターをフォローされた方は、こちらのnoteをフォローいただいた方がいいかもしれません。
仕事の合間を縫っての集計・分析になるため、最後のまとめを出すまでかなり時間がかかってしまうかもしれません。暖かく見守っていただけると嬉しいです。

皆さま、この度はアンケートにご協力いただき本当にありがとうございました! お礼になるかわかりませんが、きちんと分析して報告という形でお返しできればと思っています。引き続き何卒よろしくお願い致します!


2021.6.22 続き更新しました〜!


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