床清掃は年何回が良いの?
定期清掃とは?
定期的に床面をワックス掛け清掃をする。
このことを通常定期清掃や定期床清掃と呼んでいますよね。
その回数や清掃方法は今どのように決められていますか?
“う~ん、予算的に言って・・・年2回かな??”
“施設開設時や前担当者から引き継いだまま、あまり考えたことがないんだけど・・・”
などなど、そのような感じでしょうか?本当に効果的な清掃回数と清掃方法はどのように決めれば良いのでしょうか?予算が許せば、毎月ワックス掛け清掃をしたほうがキレイになるのでしょうか?
現状のご不満
そもそも、今のワックス清掃に対してこのようなご不満はありませんか?
・ワックスが乾くまでは入れないし、ワックス掛け清掃が終わるまでは危険だ。
・何の薬剤を使用しているのか、よくわからない。(環境にはどうなのだろう?)
・定期的にハクリ清掃が必要だから、そのコストが掛かる。
現在多用されている床清掃方法は30数年前より変わっていません。それはこんな感じです。
洗浄⇒ワックス⇒洗浄⇒ワックス⇒洗浄⇒ワックス。。。床の黒ずみ⇒剥離清掃⇒振り出しに戻る。
多くの清掃業者では床清掃時に洗浄後ワックスを毎回塗ります。塗りまくります。
これだけ技術革新の進んでいない業界があるでしょうか?
そもそも何故ワックスを塗るのでしょうか?得たい効果とは何でしょうか?
大きくは床材の保護です。
それに加え美観(光沢をだす)のために塗り続けるのです。
床が黒ずむ原因とは?
ところで、床を清掃しても清掃しても黒ずむ原因って何だかご存知でしょうか?
答えは…ワックス掛け清掃をすることです。
「えっ!キレイにするために床清掃してもらっているのに、ワックスがけ自体が床が黒ずむ原因なの(*_*)??」
と思われたことでしょう。
もう何が何だかわからない!
そうなんです。
ワックスを塗り重ねていくと、洗剤によるワックス自体の変色(黄変)と洗浄でどうしても100%落とせない汚れがワックスでサンドイッチされていくことになります。
仕様書どおりにワックスを塗り重ねていくと自動的に真黒な床になっていくことが多いです。
恐ろしいことですよね。施設管理担当者も清掃業者も契約通り忠実に仕事しているだけです。
でも得たい効果(美観)を得られなくなっていく。やはり清掃回数と清掃方法は予算以外の要素をよく検討されたほうが良いと言えます。
では、どうすれば?
その際に一番考えなければならないことは、『床材』と『日常清掃の品質』です。
『床材』といっても、さまざまあります。
塩ビの長尺シート、塩ビタイル、カーペット、セラミック、石材・・・などが主でしょうか?でも塩ビシート中でも現在は多種多様な材質感を出しています。天然木と見紛うようなものも多数あります。
そして見た目の良さとメンテナンスの難しさが反比例していくのが普通となってきました。タイルも一昔前まではピータイルで一発理解だったのが、『コンポジションタイル』と『ホモジニアスタイル』などという風に種類が変わっています。
種類によってはワックスが密着しない(密着不良)などという問題を引き起こします。また、取れないヒールマークがあります。表面がざらざらしている材質でおこる現象です。よく、ヒールマークが取れないと聞きますが、ほんとにそれはヒールマークかわからない場合があります。ヒールマークに似て、床材が何かが擦れた摩擦熱でとけて固まったものかもしれません。
この凸凹した床材表面の一番上のラミネートが取れないヒールマークの原因かもしれません。
また、よくある質問として本物の石なのか、木なのかホモジニアスなのかわからないといわれます。そんな時はルーペがあれば一発解決。もともと印刷なので新聞のカラー写真のようにドットが見えます。ですが、やはり確認が必要です。
このように床材を一つとってもどのようにメンテナンスを行っていくのか、どの清掃方法が一番適しているのかを検討しなければなりません。
きちんと清掃会社なら、床材を見ればどの程度汚れていくのかがわかります。
間違っても、『定期清掃 年○○回ね、よろしく~』で清掃見積もりを取ってはいけません!
必ず後悔するのは、あなた(お客様)ですよ!
『日常清掃の品質』によってワックス掛けの年回数が変わります。
その日常清掃の品質を見るポイントですが、清掃状況が良い、悪いもさることながら、
私達が施設に訪問させていただいた際は、以下のような観点も気にします。
日常清掃の品質を見るポイント
①清掃スタッフに笑顔がない。
②モップを掛けると(なぜか)臭くなる。
③トイレが臭い。
④清掃スタッフの身だしなみがだらしない。
⑤清掃のやり方が人によりバラバラだ。
⑥清掃は清掃スタッフだけがしているようだ。
⑦職員さんの休憩室が散らかっている。
⑧ベッド下が汚れている。
⑨手順書やタイムスケジュールがない。
⑩設備の破損が放置されている。
上記観点から問題なくても、それでも清掃状況が悪いということは、
基本的な清掃技術に関する問題が大きいと言えます。
あるいは『組織品質』に問題があると言えると思います。
このように『床材』と『日常清掃の品質』によって床ワックス掛けの回数を決めていくのが良いかと思われます。
ワックス掛けの回数を減らすために、特殊な床材を使用する方法を検討する。例えば、高耐久性のフローリング材料や、ワックスを必要としない特殊なコーティングを施した床材を導入することで、ワックス掛けの頻度を減らすことができる。
ワックス掛けの代わりに、床の定期的な機械洗浄を行う方法を検討する。これにより、ワックス掛けに伴う問題やコストを解消することができる可能性がある。
日常清掃の品質向上のために、清掃スタッフに教育を行うことを考える。適切な清掃手順や道具の使用方法、衛生管理の重要性などを徹底的に指導することで、清掃の品質が向上し、ワックス掛けの回数を減らすことができる。
環境への配慮を重視するために、環境に優しいワックスや清掃薬剤を使用する方法を検討する。これにより、施設の環境負荷を軽減し、安全性や健康性に配慮した清掃が可能となる。
床材として、ワックス掛けが不要な自己補修機能を持つ素材を使用する方法を検討する。例えば、傷がついたり劣化した部分を自動的に修復する素材や、定期的なメンテナンスが不要な素材を導入することで、ワックス掛けの頻度を減らすことができる。