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爪の皮が白く硬くなって、痛みすら感じる冬。
すっかり夏の暑さを忘れてしまった。

夏が好きな私は毎日俯きながら、乗り換えの電車まで歩く。そんな日々を繰り返す。

最近買ったお弁当箱。
冷凍食品の詰め合わせ。
稀に昨晩作ったおかずを入れている。

本当はかわいいキャラクターのふりかけを事務所のデスクに忍ばせて、毎日なにをかけようか悩みたかった。

だけど今は、家にあったごま塩を最後まで使い切ることが小さな目標。

相変わらずの生活の中で、日々駆け足で過ぎ去る時間の中で、今年は幸せなことが起きました。

私のような人間が、結婚したいと思える人に出会えたからです。


この秋、私は結婚しました。

入籍日に撮影しました。雨上がりでした。

結婚相手は私の楽しさや忙しなさや苦痛や可愛さに、いつもぴったりな名前をつけてくれる人です。とてもありがたい存在です。

第二の人生がはじまる予感にすっかり浮かれていた私でしたが、ふと足元を見ると、絶妙に浮かびきれない爪先が地面にそっとくっついていました。

さて、末次どりるのこれからの話。

あなたもふわっと認識しているように、末次どりるはアイドルでも役者でもアーティストでもありません。

しかし、今までそう言い切ってきたけれど、やっぱりアイドルだし、役者だし、アーティストかもしれない。自意識過剰だけど、そう意識してきた部分がちょっとはあります。

(そうじゃなきゃ、そもそもダメだし。会社員なんて肩書きだし。)

だから、私が私を好きでいられる時間をミスiDを通じて得て、「あぁ、幸福な人生でした…」そんなところまで辿り着いたことがほんとうに奇跡です。10年前の自分に肩をさすって伝えてあげたいです。

今、力を入れている、舞台「月まで」。
お話の中で、自分と重なる部分がいくつかあります。

推すこと、推されること、愛すこと、愛されること、信じること、信じてもらうこと。

言葉にできないもどかしさも、慰めにもならない共感も、人生と人生が交差したことがたしかにあったこと。それが自分の人生を変えるくらい強く心に残ってしまったこと。

これが最後と言いたくないけれど、現状、最後だと思ってやり切るつもりです。

次のフェーズに進むための希望となるように。
次へ。次へ。がんばります。

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