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レビヤタンシステム 秘訣 5 Fractalsを極める
はじめに
Fractalsの実戦的な使い方について解説する。
必要ならば、以下の過去記事を読み返していただこう。
レビヤタンシステム 第3講 Fractals
レビヤタンシステム 秘訣1 Fractals
Fractalsで目線を固定する
「安値-高値-安値」の3つのフラクタルによって形成される
1-2-3パターンがスイング(サイクル)の最小単位であった。
A-B-Cパターンと呼んでもいい。この最小単位が積み重なって
上昇トレンドが継続する。
下落の1-2-3パターンは「高値-安値-高値」の3つのフラクタルだ。
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YouTuberらが「ダウ」だとか「スイングハイ、スイングロー」だとか
しゃべっているが、レビヤタンシステムではフラクタルで可視化する。
エリオット波動論やSupply & Demand Zonesなど難しい勉強をしなくても
フラクタルの1-2-3パターンだけ見ていれば、実戦には事足りる。
買いなのか、売りなのか、常に目線を固定することを心がける。
Bill Williams on Fractals & Elliott Wave pic.twitter.com/31HlBMI53F
— 落ち穂 (@U6H8sxoAx2Z7bY5) August 29, 2022
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点灯したフラクタルとヒットしたフラクタル
点灯したすべてのフラクタルがエントリーのシグナルになるのではない。
それがヒット(ブレイク)したときはじめてエントリーする。
フラクタルはformed(点灯)時にAlligatorのRed Lineの上か下かではなく
hit(ブレイク)時にRed Lineの上か下かで、買い売りを判定する。
レビヤタンシステム 第3講 Fractalsでは説明不足だったようなので
ここでセットアップとトリガーの条件を明確にしておきたい。
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フラクタルの点灯がセットアップ
そのフラクタルがワニの歯(Red Line)の上でヒットしたときが
ロングのトリガー、ワニの歯の下でヒットしたときが
ショートのトリガー。
フラクタルをヒット(ブレイク)したローソク足と
アリゲーターの歯(赤ライン)の位置関係が重要ということだ。
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フラクタルの開発者Bill Williamsの娘で、後継者・継承者であるJustineによる
「Pulling Profits from Chaos」と題するセミナーからフラクタルシグナルに
関する部分を抜き出した映像を以下に示す。
— 落ち穂 (@U6H8sxoAx2Z7bY5) August 24, 2022
売買ルールは
点灯した上フラクタルよりのちに形成されたローソク足が
アリゲーターの歯(赤ライン)の上でヒットしたらロング。
点灯した下フラクタルよりのちに形成されたローソク足が
アリゲーターの歯(赤ライン)の下でヒットしたらショート。
ヒットする前に別の新しいフラクタルが点灯したら
前のフラクタルは無効。新たに点灯したフラクタルのヒットを待つ。
ヒットしたものの値が伸びず逆行した場合、つまりヒットがダマシだったら
もしまたそのフラクタルにヒットすることがあってもエントリーしない。
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実際には、AlligatorとAOをよく観察しつつ
さらに、大局的に買い目線なのか、売り目線なのかを分析し
トレンドの有無や勢いなども総合的に判断しながらトレードする。
因みに、これはレビヤタンシステムとは関係がない話だが
アリゲーターの赤ラインというのは、ほぼ21 SMAと同じ。
つまりは、ボリンジャーバンドのミドルラインと似た動きをする。
ボリンジャーバンドやMAを使う手法でトレードしている人は
この記事を参考にフラクタルを組み入れてみるのもいいだろう。
レンジの戦い方
だれの手法、どの手法であっても、トレンドフォロー系の弱点は
レンジ相場にある。ローソク足が横ばいで推移する局面だ。
最良の解決策は、レンジのときはトレードを控えること。
レビヤタンシステムでは、ワニが眠っているときはトレードしない。
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上位足の目線が買いなのか売りであるかをフラクタルの山谷で判断して
買い目線はロングのみ、売り目線ならショートのみと割り切るのもよい。
因みに、スイングの山を「peak」、谷を「trough」と言う。「trough」は
波と波の間の低い部分を指す。「波くぼ」と日本語では言う。
「南海トラフ」などというときの「トラフ」も同じ単語である。
高値を更新しつつ安値を切り上げて価格が推移することを
「peak-and-trough progression」と英語では表現する。ご参考までに。
トレードすべき通貨ペアや銘柄を選別するのであれば
トレンドと勢い(モメンタム)があるものを選ぶのがベストだ。
通貨強弱を参考にトレードする通貨ペアを決めるということである。
無料有料玉石混交、通貨強弱を計るインジケーターはあまた出回っている。
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HT FX というサイトは、無料で使用できるインジケーターを配布しているが
通貨強弱関連のものもいくつかある。お試しあれ。
以下の記事も参考になるだろう。
通貨強弱をひと目で見極める方法
さて、ここまではレンジの回避方法を記したが、ここからは
敢えてレンジでエントリーする場合の注意点とコツについて書く。
眠っているワニがいつ目覚めるのかを知るすべはない。
であれば、いつ起きだしてもいいように、ワニが眠っている時に
エントリーすれば、確実にトレンドの初動を捉えることができる。
ワニが眠っているのに敢えてエントリーを試みるのはこの理由による。
守りのレンジ戦法(保守的 Conservative)
極力ダマシを回避する。
戦法1 レンジ圏の最高値と最安値にラインを引き
そのラインをブレイクしたらエントリーする。
そのライン内で点灯したフラクタルは全部見送る。
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戦法2 通常はヒットした瞬間にエントリーするのが決まりだが
レンジ戦法のときだけ終値でブレイクを確認してからエントリーする。
攻めのレンジ戦法(積極的 Aggressive)
基本的ルール通りにエントリーする。つまり
ワニの歯の上でヒット ⇒ ロング
ワニの歯の下でヒット ⇒ ショート
エントリーしたのち逆方向のシグナルが出たら、ドテンする。
小さな損切りや同値撤退を繰り返しつつ、トレンドの初動に乗るまで
このドテンを淡々と機械的に繰り返す。
厳正な資金管理、正確なロット数計算、ブレないメンタルが求められるが
数回の損失は、1回の勝ちトレードで十二分に回収することが可能だ。
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証券会社によってはドテン注文機能があって、片道分のスプレッドや
手数料が免除される。少しでも損失額を減らすのに役立つだろう。
値動きの初動から終焉までを取りこぼしたくない欲張りトレードには
この戦法が向いている。その代償として小さな損切りを何度か重ねる。
エリオットの1波から5波ごっそりいただくトレードだ。
負け耐性がよわよわで、確実に勝てそうなところだけトレードするなら
ワニがしっかり目を覚まして口を開いてからおもむろに出動すればいい。
エリオットの3波だけで満足というトレードだ。