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Volume Profile 出来高プロファイル 実践的トレード手法5

出来高が集中して高い山を形成する箇所を「High Volume Node」といった。逆に、出来高が薄くて谷間ができる箇所を「Low Volume Node」といった。出来高がプロファイル全体のどこに偏っているのかを見極めることで、需給の強弱、買い勢力と売り勢力の拮抗、買い方と売り方の不均衡などを分析することができる。基本的な型は3つ。これにあと1つ加えて4つとする考え方やさらに1つ足して5つという考え方もある。

基本形を解説する前にひとつ言い添える。少し前に以下の記事を書いている。

記事では、30分足チャートに日足のローソク足を重ね描きし、さらに日足の出来高プロファイルを表示することについて書いた。今回説明するプロファイルの形状を踏まえて日足の出来高プロファイルの連なりを分析することで、優位性のある環境認識ができることに気付くだろう。

1.D-Shape D型

もっとも一般的な形。出来高が標準偏差的に分布している。いわば売りと買いの均衡が保たれている状態と見て取れる。マーケットが「fair value」に甘んじているということだ。トレンドフォローのトレーダーにとっては旨味なし相場といえるだろう。

High Volume Node(特にその中でもいちばん重要なPOC)と Low Volume Node がサポレジゾーンを形成する。たとえば Low Volume Node で反転したらエントリーして High Volume Node で利確といった戦法を取る。

2.P-Shape P型
プロファイルの上部に出来高が偏向している形状。当然買いの勢いが売りより強いと考えられる。

上昇相場はP型プロファイルが連続的に出現することによって継続する。

3.b-Shape b型
P型の逆で売り圧力が買いを上回っているときに出現する形状。bは小文字のbである。プロファイル全体の下部に出来高が集中している。

下降相場においてはb型が連続して出現することが多い。

これに加えて大文字のBの形状を4つ目とする考え方がある。B-Shape(B型)だ。

ほぼ同等の High Volume Node が上下に2つあってその間に Low Volume Node がある。「巨乳型」という不謹慎な呼び名で呼ぶ人がいるのも頷ける。正式名称は「Double Distribution Profile」

ほとんど出来高を伴わず縦に長細い形状を5番目に数える考え方もある。経済指標など突発的な急騰急落に際して見られるプロファイルの型である。

相場はこんなに簡単明瞭ではないことを百も承知でざっくり言ってしまうと、D型はレンジ局面、P型は上昇局面、b型は下降局面という分類ができるだろう。

P型が続いたあとにD型が出現すれば上昇トレンドの弱まりを想定することができる。b型が出現したらトレンドの転換を疑ってもいい。

b型が続いたあとにD型が出現すれば下降トレンドの弱まりを想定することができる。P型が出現したらトレンドの転換を疑ってもいい。

30分足に日足の出来高プロファイルを表示させて分析している場合には、陽線のローソク足がb型プロファイルを示したら、売りが捕まっている状況だと判断できる。逆に、陰線のローソク足にP型プロファイルであれば、買いが捕まっている。日足でなくても任意の時間足に出来高プロファイルを表示させて、その時間軸における "trapped sellers" や "trapped buyers" を炙り出すことが可能だ。

日や週の出来高プロファイルを使って環境認識を行う際に知っておくべきことがもうひとつある。価格が一度もタッチすることなく素通りしていったPOCを "missed POC" とか "virgin POC (VPOC)" という。これはピボットなどと同じ考え方だが、価格は将来的にそのPOCにタッチするために戻ってくる習性を持つ。それが数時間後のこともあれば数日後数週間後数カ月後のこともある。

さらに昨今流行りの「Supply & Demand Zones」を客観的に見つけ出すことができる。30分足に日足の出来高プロファイルを表示する。大局観を見ることが目的なので、ローソク足は消す。

出来高プロファイルのValue Areaの上限から下限をボックスで囲みそれを右に延長する。Value Areaが広い(縦に長い)ときは、POCを中心にHigh Volume Nodeをボックスで囲む。

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