4月28日
久しぶりにとーやに会った。車で迎えにきてくれたのだが、少し照れくさい気持ちになった。間を埋めるようにしてネタの相談をした。長尾もやってきた。長尾の楽しそうな顔を見て申し訳ないなと思った。でもおセンチになっている暇などなく、俺頑張るわ、って気持ちに切り替える。
三人で豚山に行くことになり山口慎太郎も誘って、結果的に4人で食べた。
そのあと、深夜の新宿とか渋谷を車でドライブをして、真っ暗な東京タワーを見にいって、ぐち山の家で談笑した。
「今君がすべきことは楽しく生きるっていう、とても簡単なことだ」ととーやに言われた。できそうだわ。ありがとう。
5月3日
久しぶりの連休。6日まで休み。賞レースもオーディションのネタ映像も、とにかく一回戦的なものは尺が2分であることが多い。2分あれば大体なことが分かるだろうって考えだと思う。4分とかより全然難しい。
フリップネタをやってみることにした。単純に文脈を無視できるのとボケ数を増やせるからである。ひとまず粗品さんとか真空ジェシカのかわきたさんがやっているような、大喜利の暴力で全てを解決する感じのネタを作った。自分で動画を撮影して見てみたら、超つまんなかった。僕の人間性がネタとマッチしていないんだと思う。それが自分にバレちゃってたし、お客さんにもバレちゃう。粗品さんがパジャマを着ていたり、かわきたさんの頭にブーメランが刺さっている意味がよく分かった。他の感じで進める。
5月4日
ノートパソコンが数字だけ打てなくなった。6だけ打てる。つまりこれは、パソコンを開くことすらできないという意味である。パスワードを6666にしておけばよかったと後悔する。外付けキーボードが家にあったのを思い出し接続。これからは数字を打つためだけにノートパソコンと一緒に外付けキーボードを持ち運ばなくてはいけなくなってしまった。
なんかいい感じのフリップネタが2本くらいできた。現状だといい感じって意味。おすすめのイーゼルを調べてAmazonで購入。フリップをセリアに買いに行った。いいハンギョドンが描かれているネックストラップが打っていたので、バイト先ように買った。いいハンギョドンとは主に色のことだ。
絶妙な青と水色の中間。
5月5日
ネタがお利口さん過ぎて困った。もっとふざけろよ、と思う。
ダイエットを本格的に始める。割と得意。
部屋の大掃除をする。厚紙画用紙に印刷したA3サイズの用紙を貼っていく。フリップが70枚くらいあったので、2時間くらいかかった。
イーゼルを組み立てる。この前三脚の組み立てをした時もそうだったけど、毎回プルサイのことを思い出す。こうゆうのはいつも2人にやってもらっていたから、なんか1人だな~って思う。機材関係のことをやっていると、めっちゃ気持ちがぐううううってなるから不快だ。
5月6日
早朝ネタの練習をして、駅の近くにあった会議室でネタを2本撮る。何度も嚙んだりして、その度に散らばったフリップを集めていく。イライラが募る。裏面にあらかじめ順番の番号を振っておくという、自分らしくないファインプレーによりなんとか時間内に終わらせることができた。
見返したら自分の顔色が悪すぎて引いた。こんなやつ売れる訳ない。もうちょっと精神的にゆったり生きることにする。行動は急いでおちぴ!!
ネタを撮影する会場選びに苦戦している。防音が備わってるスタジオ程、音を分散させるのでものすごく反響してしまう。今のところ会議室がベストなのだろうか。自分が審査員だったら、会議室で撮影した動画を見た瞬間落とすけどな。悩ましい。
5月7日
宮崎駿の本を読んだ。ジブリはあまり見たことがないのだけど、宮崎駿と鈴木敏夫に興味がある。
ものすごい重要なことがたくさん書いてあった。宮崎駿ってすげえってなった。「世の中がしんどい、人間は無力、薄汚い」ということは誰しもが自分を見れば明らかなので、わざわざ言う必要もない。終わっている人に終わっていると言っても仕方がないじゃない。みたいなことを言っていて、すごい戦い方をしているなと思った。暴力的な面と優しい面、人間にはどちらもあることが分かり切っていて、重要なのはその振り幅ではなく、どちらの方を今向いてるか、だ。
ニヒルな人ってやっぱり楽な生き方してるよな。
鈴木敏夫の情熱大陸を見た。めっちゃ面白かった。個人的には綾野剛以来の衝撃だった。綾野剛は完全に「やってた」けど、鈴木敏夫は「やりまくった」結果本当にそういう人になっちゃったって感じだ。画面越しに「100%悪人」であることが伝わってきた。自分のアトリエにスタッフを大勢呼んで感想を言い合うというシーンで、鈴木敏夫はお誕生日席みたいな位置(スタッフ全員が鈴木敏夫の顔を見れる場所)で自分用の小さな畳の上であぐらをかいて半分横になりながら煙草吸っていて、その時の恰好が和装だったのが個人的にはおもしろかった。
「思い出のマーニー」のキャッチコピーを作るときも、女性スタッフ2人に感想を話し合ってもらって、それを聞きながら鈴木敏夫が筆でなんか「言葉」を書いているっていう、超おもしろいシーンがあった。最高。
宮崎駿はあそこまでピュアでいれるのは、鈴木敏夫が悪人だからだと思う。
鈴木敏夫の本も読んだ。同時期のことを話している宮崎駿と鈴木敏夫の言っていることが食い違っていたりしておもしろかった。
アングリーコントロールの本を読んでみた。分かり切っていることが書かれすぎていて、腹が立ってきて破り捨てそうになった。
5月8日
大学時代からお世話になっている美容師(以下だいごろうさん)さんに誘われて、演劇の授業みたいのを受けにいった。おもしろかった。自分は知らない人達の前で平気で演技をすることができる人間であるということが分かった。快感だった。
そのあと、だいごろうさんと下北のBlue Mondayでお茶をした。付き合いは長いけど、こうやって面と向かって話すのは初めてだった。いつもは背後を取られている。
色々相談すると「自分に自分で遠慮してるんじゃない?没頭することを恐れているんだよ。」と言われその瞬間に自分がどうしていけばいいか分かった。もうそれだけで最高な日って感じだった。でも今日の最高はそれだけでは終わらなかった。だいごろうさんが新宿ピカデリーで20時35分からの「RRR」に誘ってくれた。
そして映画は最高だった。ほんとに最高だった。途中から「もうなんでもいいから、あんたらがやりたいと思っていること全部ぶつけてくれよ!!!」と思わせてくれる映画だったし、全部ぶつけてくれた。
あとBLが好きな人達の気持ちがちょっと分かった。「関係性の尊さ」ってそうゆうことだったのかと納得。ナンダムーリ・タラーカ・ラーマ・ラオ・ジュニアのファンになってしまった。
だいごろうさん、外に連れ出してくれてありがとう。この恩は売れて必ず。
↓このシーン最高だからみてほしい。
5月12日
突然おしゃれがしたいという気持ちが湧きたってきた。おしゃれをしたいという気持ちとそんなものはしなくていいという気持ちが交互にやってくる。
どうしておしゃれをしたいのか?ということを考えていくとよく分からない。例えばすれ違う見知らぬ人達に「あの人イケてる~」と思わたいから、というのも純粋な理由の一つになると思うのだけど、正直よく分からない。でも「ダサいな~」とは思われたくない。結局「おしゃれ」だと思われても、僕の賞レースの最高戦績は2回戦であるし、お笑いだけで飯が食えている訳ではない。
当人にとって「やらなければならないこと」が未だに達成できていないのにも関わらず、さも「達成している人」かのような恰好をするのはみっともないことなのではないか?という考えを拭うことができない。
「お前が仮におしゃれだと思われたとしても、本当はおしゃれではない。なぜなら目標を達成できていないからである。身の丈という言葉を知りなさい。着こなせば着こなすほど、2回戦敗退という事実を隠蔽しているということになります。」
という訳の分からない思考が頭の中を渦巻いている。間違えている考えなのは分かるけど、なんか気持ちよくできないというのでムズムズしている。
プルサイ時代、とーやによく僕の服装のことで怒られたが(理由も分かる)その度に「2回戦敗退でそんな服装へのこだわりとか見せて恥ずかしくないの?」とも思っていた。
「おしゃれですね。」ともし言われることがあったら、「いや服装には一応こだわりは見せてはいるのですが、自分が真剣に取り組んでいることの関してはまだまだ未熟なんです。実力と見かけが釣り合ってなくてすいません。ただのハッタリでしかないんです。」ときちんと答えたい。
こんなどうしようもない、いまにも蛆が沸いてきそうなことを考えているから、俺はいつまでも経ってきったねえ恰好をしているのだと思う。
そう思ってVANSのスニーカーを買いました。ぐち山とかにあとで服を教えてもらおう。
5月13日
「千と千尋の神隠し」を見る。数年振り2回目。なんでもないシーンで涙が出てきた。風景がすごい。宮崎駿が「この映画のクライマックスは電車のシーン」と言っていてその意味が分かった。「10歳の女の子が一人で電車に乗る」ってことがこの映画の全てだ。ファンタジーだけど、動機が現実に置かれているし、宮崎駿のインタビューを読む限り彼はそういう作り方をしている。最後に出てくる靴の絵は、日テレでジブリの広報を担当している人の娘さんの靴らしい。彼女が遊びにきたときに川で靴を無くしてしまったらしく、というかそもそも宮崎駿は、その子のため「千と千尋の神隠し」を書いたと語っていて、現実への足の付け方や生き方、それを昇華させる技術に感動した。
スタジオジブリ×5lackの「One summer's day」よすぎた。やっぱり俺は5lackが一番好きなラッパーなんだと思う。
5月14日
最近Twitterで自分を構成する42枚ってタグがながれてくる。「こういう風に思われたい」を42回やられてもな、ってのばかりだった。それを隠すために選ばれている曲とかも伝わってきちゃう。やるなら照れるなよ。自分を構成する曲が最低でも42曲以上ある人達って世の中にこんなにいるんだな。と思った。それだけ。
落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。