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家族の全ての話。もうこれで終わりにしよう。

ずっと、ずっと考えていることがある。俺の家族の話だ。
きっかけは、信頼している人からの言葉。
「君は自分の家族の話をおもしろおかしく書くけど、みんな引いてる。笑うかどうかの前に各々の倫理観を問うてしまうことになる。やっぱり君は可哀想な子なんだと思う(この言葉に悪意は全くない。)良い印象はないし、やっぱりズレてる。仕事も頼まれにくくなるから、もう少し扱い方を考えた方がいい。自分の発言を他者がどう受け取るか、その認識のズレを修正した方がいい。父親の自殺は君のものではない。」

大まかにこんな感じのことだったんだけど、めっちゃ納得した。納得したんだけど、どうしてかその場で涙が止まらなくなってしまった。わんわん泣いた。ただ俺の人生じゃんってなぜだか思った。

俺は事務所に入ってない。幸せなことにお笑い以外にも外部から文章のお仕事等を頂けることがある。フリーランスと立場は変わらないのである。
簡単な話で、無名なフリーランスは「社会性がある」ことをアピールする必要がある。というか分かりやすい実績がないので自ら「不安材料」を増やす必要はないということだ。
当たり前のような顔をして家族が全員自己破産していたり、実家がなくなったり、父親が自殺していることを書いたり話すような人って、一般社会にとって「不安材料」なんだって最近初めて知った。みんな俺のことを可哀想だと思うのかもしれない。俺は自分と母親の人生を「可哀想」だと思われることが一番イライラする。母親に直接「お前の人生は可哀想だ!」と言ったやつがいたら、俺はほんとに殺すと思う。今書いているだけで、涙がまた出そう。なぜだ!!!!!!

「理屈」と「感情」の間に突っ立っている。俺はいつもそう。この間で息ができなくて、できなくて、本当に苦しい。自分のことを頭がよくて超バカな奴だと思っている。
俺はね、自分の不幸を掲げているの。親父が自殺したことだって、本当は超悲しいんだよ。当たり前じゃん。全然好きじゃない人に自分の父親のことを笑われた時に、頭にきたことがあって、母親の財布からクレジットカード抜いたりするような人間のクズだと思ってたけど、やっぱり好きなんじゃんってこの前気が付いた。別居中に公園でキャッチボールしたこととか、母親に内緒で真三國無双2を買ってもらったりとか、忘れらない記憶がほんの少しだけある。もう本当は顔も声もあんまり思い出せなくて、忘れるのが怖いから何度も何度も思い出すようにしている。でないと本当に俺の中でいなくなってしまうから。
お墓参りが精神的にできなくて、場所も知らないし、遺書も怖くてまだ読めてない。
彼が我々家族にしたことは殺人に近いものだと思っている。母の人生を踏みにじった。お通夜の時にパニックになった父方の爺ちゃんに「お前が殺したんだ」と怒鳴られて、俺を車に乗せて二人で自殺しようとしたことがある。
彼女がその選択をギリギリで踏みとどまった時点で俺は生かされている。
母の職場にわざわざ来た向こうの親戚が「息子さんも同じ道を辿らないようにね」と言った。帰宅してめっちゃ泣いてた。俺も泣いた。
そうやって俺達は何度も何度もぶちのめされながら、生きてきた。生きることに俺達は自信がある。
「諒、どうしてだろうね?まっとうに生きてるのにね?」
母が電話で言ったことがある。知らねえよ!!!と必要以上に俺は怒った。
いいじゃねえか、俺が全部回収するから。運命を呪うな。俺の人生は俺が決める。

母親に対して異常な程の感情がある。遠目から見たらマザコンに思えるはずだ。というかもうマザコンなんだと思う。母子家庭ってそうなる。
俺は一人っ子だし、母親は茨城で一人で過ごしているから、連絡を細かく取る。じゃないと死んでるかもしれないから。二人目の父親は重い病気で言語障害と半身麻痺になってしまった。彼が10年間浮気していたことが最近分かって、別れた。それから母親からの相談の電話が増えた。彼が今まで担当していた役割を今は俺が担っているのだと思う。

先週母が追突事故にあって(もう去年と今年滅茶苦茶)、一昨日は加害者と警察との現場検証だった。
昼休憩の時にスマホを見たら午前中に母親から着信が入っているのが分かった。帰宅してから電話をすると、警察官の態度が最悪だったらしく「女だから舐められたんだと思う。」と彼女は言っていた。本当に伝わらない人には伝わらないと思うけど、マジで本当に「女だから舐める」男がこの世にはめっちゃいる。母子家庭になってからとても感じるようになった。「父親がいたらな」と思う瞬間が数えきれない程ある。俺は本当にそれが悔しくて悔しくてたまらなくて、水戸警察署に電話してその場にいた警察官を探した。徹底的に詰めた。全部説明してもらった。
最後に「お母様にもお体ご自愛下さいとお伝えください」みたいなことを言われて、くたばれって思った。俺とお前はどこまで行っても対等なのに。

お分かりの通り、俺は母親に呪われている。
「マイホームを買って」「奥さんは専業主婦で」「男の人が稼がなきゃ」「安定した職業を」とか散々言われてきた。これは彼女が自分の夫にしてもらえなかったと思っていることの全てだ。一番叩き込まれたのは「嘘を付くな」ということ。
母親は俺のことを今でも銀行員だと思っている。実際にそうだったけど二か月で辞めた。「母がいなかったら好きに生きれた」と思いたくなくてこっそり辞めた。もし俺と同じような環境で育ったり、家族の縛りが強くて身動きが取れないと感じている人がいたら、自分の好きな選択をするように進める。家族を恨むことになる。家族を言い訳にして生きてはいけない。それは親のせいではなく、自分の弱さだと気付くべき。本当に自分で好きなように選択して、自分が思うように人生を進めることが、誰にでも許されていることを知ってね。

家族の話は当分、書いたり話したりしないことにした。
だから最後に書きます。
俺は「父親の自殺」を掲げています。元を取りたいと思っているので。
歪んでるかもしれないけど、なにかにずっとやり返したいと思っている。
母から「自殺したことや、自己破産の話はしないで」と言われている。なぜか?と聞いたら「恥ずかしいことだから。」と彼女はいつも言う。「なんにもしてあげられなくてごめん。結婚式の費用も出せない。」と言われる。
だからこそ俺は掲げている。親父が自殺したのも、家族が全員自己破産してるのも、実家がないのも、その時に感じた痛みや流した涙もやっぱり全て俺のものだ。
俺は母と父のもとで育ってよかったと心の底で思っている。恥ずかしいと思ったことなんて一度もない。二人目の親父にも思ってるよ。だから許してるってこの前ラインした。
痛々しくみえても関係ない。俺達は笑ってる。ぶちのめされても立ち直る。俺が上京してから母親が首都高を運転できるようになったこととか、涙が出るんだ俺は。
可哀想とかほんとにふざけんな。俺達はまっとうに生きています。だから恥ずかしくなんてないよ。
自分の、自分達が送ってきた人生の全てを誇ります。
それを証明する人生だと本気で思っている。

無敵のファミリー










落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。