8月前半の日記
8月8日
8月の頭に最後の養成所ライブがあって、その準備期間は日記を書く気になれず、諸々終わってから思い出しながら何千字か書いたのだけど、今読み返してみると大分噓くさいというか、なんか手が入っちゃってる感じがして全部消した。そういうのが書きたい訳じゃない。時間が経つとダメね。
代々木八幡にある「かかん」という店に行く。麻婆豆腐が美味すぎて一口目で脳が痺れた。脳内からハッピーな物質がドバドバ出てるのが分かって、これが出たとき自分はそれに対して永遠と異常な程の執着を見せることがよくあるので、僕は「かかん」に死ぬまで通うと思う。食器がめちゃよくて、食器のよさで気分が向上するのが初めての経験だったのでびっくりした。食器買いたい欲が出てきた。入口に鎮さんのTシャツが置いてあって可愛かった。
帰り道、古本屋を見つけて入る。イッセー尾形の「都市生活カタログ」というネタの台本と諸星大二郎の「暗黒神話」を買う。タモリさんの「愛の傾向と対策」という本が置いてあって立ち読みすると大分おもろくて、店員さんにいくらか聞くと8000円と言われ断念。
ご飯の写真とかもう撮るの辞めることにした。麻婆豆腐を目の前にした時、見た目からあまりに美味そうで感動したのだけど、それを遮るように「写真撮らなきゃ!」って思ってそれと同時に「え?なんで?」とも思った。撮らなくていい。生活がSNSと直結してるのマジでヤバい。これからは本当に撮る必要がある時にしか風景もご飯もなにもかも撮らないことにした。まずその場を楽しむことが大事。じゃないと人生そのものがステマになる。自分が「おもしろい」と思う人って自分が大切に思える時間を誰にも言わず確保してることが多い。マジで大事なことだと思う。
8月9日
しんどい思いをしてまで続けなきゃいけないことなんて俺達にないよって思う。自分として生まれた以上無条件で自分を最高だと思っていい。自己肯定感が低い人って、自分を肯定することが簡単だと舐めてるから「自分を意図も簡単に肯定していいのかな?」と自分を認めていい理由を自分以外から探しはじめるのだと思う。自分を無条件に肯定するってマジで難しいと思う。でもそれ以外は極論「死」だよ。生きたいと願うなら認めていい。俺は俺を許す。楽しく暮らしてえ。毎日バトルだわ~。
8月10日
先月誕生日プレゼントでもらったエアマックスココの履き心地が素晴らしすぎて、気分がよい。ネットで注文した無印良品の靴下の丈感が求めていたものすぎて、さらにテンションが上がる。
養成所で平場の授業。今日で明確に「自分は上手く会話に入れているのではなく、無理矢理入って流れを一時停止しているだけだ」と分かる。前回のSMLと大学お笑い対抗戦くらいからなんか平場が上手くいってない感じがしていたので原因が分かってよかった。仲の良い人達からよく「落合はしゃいでる時が一番つまらない」と言われる。マジ気を付けようと思う。ゆっくり話す練習と「自分より全体がよくなること」を意識して向こう1年間は過ごそうと思う。向き不向きが分かってきた。性格は一番前を張りたいタイプなのに、得意なお笑いはそこではないという矛盾を抱えているっぽい。
帰りに初めて「一番前で、はしゃいでる時の自分を好きか?」と自問自答した結果、実は昔から「無理してるピエロみたいだ」と思っている節があって、そんな好きじゃないかもと思った。まだ自分でも気づけてないことってあるんだ。治そう。
8月11日
日曜日コースの人達と授業を受ける。ネタ見せの際、椅子が並べてあっておもろかった。平日は地べたに座る。思わず「椅子に座れんの!??」と言ってしまった。派遣バイトでプラカード持ちをやっていた頃、珍しく僕達にも「感情」を持って接してくれる不動産に当たった時にも同じことを言ったのを思い出した。
帰りにありんこキング、蝉ファイナル、春山英次と二時間くらい雑談した。平日コースと日曜日コースで、他人への踏み込み方が全然違うのがおもしろかった。平日の僕達は素手で他人の心に触れるようなことを結構する。日曜はそこに至るまでに細かい気遣いとか、礼節があって、どちらも居心地がよいなと思った。
ストリートファイター6のeスポーツワールドカップを見る。立川がマジで勝つ人の顔をしていた。素晴らしい大会だった。
8月13日
スト6を久しぶりにやったら結構勝てた。見るって大事だ。急に上手くなる。
養成所が夏休みに突入している。バイトしかない二週間。もし所属できたら結構この感じだろうな~と思う。かなり意識的に自走しないと、そのままボ~っといつまでもいれてしまいそうで怖い。
梅原大吾の過去のラジオを聞いていたら「若い頃自分が世界一になった時に、だからと言って空を飛べるわけじゃないんだなと思った。当たり前だけど。」と言っていた。
それが分かってからもウメちゃんは何十年も第一線にいる。そしてずっと練習してる。未だにトレーニングモードで目を閉じながら1時間昇竜拳を打ってる。何百万何千万回も打ってきた昇竜拳を。あまりにもかっこいい。大須さんがCRカップで集中するウメちゃんの顔を見て静かに涙する意味。
「マジ」にしか俺はもう反応できない。他人にも自分にも。
梅原大吾の目的は自分が強くなることだから折れない。例えこれから自分が賞を取りまくったり、お金を稼ぎまくったり、地位名誉を手に入れたとしても日々は恐ろしいくらいに淡々と続く。だから毎日やる。青い炎を燃やす。おもろくなりたい。
8月14日
ちりニキと山口慎太朗と三人で夜中にAPEXをやる。二人の動きが早すぎて付いていけない。背中を負いながら二人が積上げてきたものをビシビシ感じる。自分が恥ずかしくなるくらいに。もう認めるけどAPEXは落合りょうという人間が持つ性質と相性が悪すぎる。俺はこのゲームがマジで苦手だ。下手な理由は教習所で最初に受けた適正テストで健康面以外最低ランクだったのと全く同じだと思う。車の運転はしないと決めているのだけど、APEXをする度に「道路に出なくてよかったな~」と思う。瞬間的に発生するマルチタスクが基本的に無理で、一つのことをはじめたらそれを辞めることができない。
このゲームは死ぬとデスボックスという箱になる。おもろ。なんで箱になるの?で、この箱の中身は敵が死ぬまでに身に付けていた装備で、相手を倒したらそれを漁るのだけど、その漁っている最中を狙って次の新たなる敵が来ることが多々ある。普通だったらすぐに漁るのを辞めて戦闘へと切り替えるのだけど、僕はその意識の切り替えが中々できない。毎回と言っていいほど敵に撃たれているのに、いつまでもデスボックスの装備を漁っているし、どの装備にしようか悩んでいる。で死ぬ。ちりニキに「何も細かいことを考えないで使えて、かつチームのためになるような俺に向いてるキャラってないかな?」と相談すると「ローバじゃない?」と即答され笑った。ローバとはみんなのために武器のお店を開くという必殺技が取り柄のキャラだ。可愛い。
俺はAPEXを諦めない。ってかこのゲーム上手くなったら平場もっと上手くなると思う。マジで。思えば最近の俺の平場って害悪オクタンっぽいわ。
長尾と久しぶりに会う。近況報告とか今後の話とかをする。とーやにも会いたかったけど旅行に行っちゃってるらしい。公園を散歩したりして解散。元気がもっと出た。ファミマに「ひなーの」のステッカーを発見。ハイチュウ3個で1つのステッカーと交換らしく、ぐちやまと自分の分を買う。
グミとかこの類のお菓子って、楽しい時間が若干だれかけたり、そのだれかけたりしてるのすら楽しい時に、人からもらうものだと思ってるから、ハイチュウ6個を自分で買って新鮮な気持ちになった。
8月17日
夏休みだからと約一週間遊んでみたけど飽きた。なんかYouTubeショートとか見ちゃって余暇の質すら下がってる。自分は追い詰められてる時に精神が最も安定するから、そういう環境を自らもっと作る練習をしないといけない。
養成所は次の卒業ライブで終了。振り返るのはまだ早いけど、できなかったことを一つずつ潰せていけた一年だったなと思う。特に最後にやったネタは、入学する前からずっとできないと思っていたことができたネタだったからよかった。できなかった理由はテクニックどうこうだけの話じゃなくて、性格からくる問題でもあった。ライブ前の最後のネタ見せで「展開」についての指摘がなかった時、自分の番が終わったあとガチで泣きかけた。その日、帰宅して山口慎太朗に「ぐちやまがいなかったら一生ふざけれなかったと思う」と速攻ラインした記憶がある。ぐちやまは、出会った時からふざけることの難しさとそのやり方を教えてくれた。ぐち山なしではできなかったネタだ。感謝。
なんとなくだけど自分がやりたいかつやるべきスタイルが掴めてきたから、それを擦りまくる日々になりそう。
バイトが終わってドトールで作業。最近シールが欲しいと思う。パソコンにシールを沢山貼って作業する度にテンションをあげたい。あと可愛い食器が欲しい。養成所の近くにダルトンがあるので、今度同期と一緒に行って、なんかお皿とか買おうかな。とにかくテンションを上げたい。帰宅したらスト6をやろう。昨日のSFL開幕戦のウメさんすごかったな。相変わらず、ずっとかっけえ。
最初のCRカップの「令和の背水の逆転劇」もそうだし、今回のSFL開幕戦での「一瞬千撃」もそうだし、なんかゲームそのものだったり、業界自体のぶち上げをこの人が「プレイ」で毎回担ってるの偶然とかじゃないと思う。涙が出るくらいにカッコイイ。
落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。