見出し画像

12月20日 無名芸人

バイト先に行くと、スタッフやお客さんから「M-1見たよ~」と言われた。
出てねえわ、二回戦負けだわ、と思いながらもなんか嬉しいような感じがした。

今年プールサイドは、キングオブコントとM-1共に二回戦で敗退している。それから僕は無所属、無名コンビが二回戦を突破するために必要なことがなにかということをよく考えるようになった。
無名こそ単純明快で、誰しもが無視できないおもろさを爆発させるに限るという結論になった。分かりやすくて好みだ。
アベレージをはかることが不可能な芸人は、その日の一撃で全てが決まってしまう(まあみんなそうなんだけど)。「不調」ではなく「面白くない人達だった」で終わってしまうのである。
来年マジで楽しみ。特にキングオブコント。

R-1のエントリーシートを今日バイト先で書いた。ピンネタにはいい思い出が一つもない。数年前マセキのオーディションで鬼スベリしてから、一切ピンではライブに出ていない。そうゆえばあの時、楽屋で一人で隅の方にいたら「どうも!」みたいな感じでママタルトの大鶴肥満さんが話しかけてくれたのをマジで今思い出した。その日のママタルトもめちゃくちゃおもしろかった記憶がある。
下北沢のライブでピンネタをやった時、僕だけお客さんから拍手がなく強制暗転で終了したとか、色々な記憶が蘇る。
ネタ合わせがないのと、責任やらなんやらが全て自分で終始するのは大分気楽でいい。プルサイは、ネタは俺が作っているのにやるかやらないかの判断をとーやがやっている。そこになんの疑問もないが、わりとすごいことだなとは思う。

病院の売店でバイトをしている。
今日、患者さんと付き添いの看護師さんがレジ前にやってきて、
「え~朝日新聞読むんですか~~!知的~!」
「いやいや、朝日が一番読みやすいから。」
「そうなんですか~~」
という会話をしていた。
「朝日新聞読むんですか~!知的~!」という発言には、なんの意味もない。空虚で、そこに意味というものが存在していない。
でも看護師さん自身は上手に会話ができていると思っているに違いない。
本当は知的だなんて思っていないのにも関わらず、テキトーなことを喋って、爺さんはしっかりとそれに乗っかる形で「朝日新聞が一番読みやすい」と謙遜をする。なくていい時間だなと思った。なにも思わなかったのなら、黙っていればいいのに。

最近バイト先に新しく入って来た社員さんは礼儀というものをマジで履き違えている。段ボールを畳んでいる時に「畳みましょうか?」と言ってきて腹が立った。俺は一人で段ボールを畳むことができる。その人にとって重要なのは段ボールを代わりに畳むことではなく、「畳みましょうか?」と聞く姿勢を見せることである。これまで彼と関わって来た人たちが、そういった姿勢を評価したせいでもある。馬鹿にしないでほしい。
謙虚な姿勢だったり、前のめりな姿勢を人に見せる時、内心が透けて見えることに躊躇がない人間は、基本的に人のことを下に見ているんだと思う。
無難な言葉遣いと、テンプレート化された振舞いは「手抜き」に過ぎない。「死ね」という言葉で、最大限の愛を表現することだって不可能ではないことを知るべきだ。
上手い下手関係なく「会話」ということを真剣に考えていない人間と話したくない。ど阿呆め。


久しぶりに昔作った映像をみた。コントと漫才を行き来することを目指して作った。機材も演技もまだまだだけど、やっぱりこれ新しい。
よかったらぜひ。僕達は映像コントを作ってます。


落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。