中山金杯 調教全頭診断
アラタ
足捌きや体の使い方はある程度のレベルにあり仕掛けへの反応もまずまずだが、本当に良い時はもっと跳ねるような躍動感があるはず。調整後馬体重が前走から大幅増なのは成長分というよりは、太め残りの可能性がある。
また、昨年の夏から最終追い切り後は調整なしが定番メニューだったにも関わらず、今回は1/2[月]に坂路追いが追加されているのも裏付けになりそう。
陣営も正月は緩くなるなんて噂もあるぐらいなので、当日の馬体の張りや太さには要注目。
ちなみに追い切りでの内股の発汗はいつものことなので、この馬は汗っかきと覚えておくと良いかも?
ウインキートス
一週前も最終も舌ペロ追い切りで、どうも走りに集中できてないような印象だが、中山巧者なので一概に軽視できないという難しい馬になってしまった。
動きもチグハグには見えるし、良い時はもう少し芯がしっかりしているような印象があるので、調教からプッシュできる要素はない。
あとは当日の気配がどうか。
エヴァーガーデン
1週前の映像のみしか確認が出来ておらず、その1週前追い切りはリズムと折り合い重視の軽めの内容。
手前替えこそ少し手こずる様子はあったものの、軸のブレなどは少ないので悪くはなさそう。
映像はないが、その後にもウッドで終い重視の追い切りを2本こなしているので、体勢は整った印象。
カレンルシェルブル
最終追い切りの映像は一応坂路追いにはなっているが、これはあくまで調整程度の流したもので評価が難しいが、若干肩の動きに硬さを感じるような気はするものの体幹やリズムは悪くなさそう。
1/2[月]にウッド追いを消化しており、68.4-37.6-11.9にまとめているので数字的にはまずまずといったところだが、好走時にはもう少し坂路追いで時計を出しているのでその点は減点要素。
クリノプレミアム
コーナーワークに若干ぎこちなさはあったが、直線に向いてからは良いフットワークと柔軟な体の使い方で伸びていて好印象。
さらに一週前のウッド追いで81.7-64.5-49.6-35.9-11.5というこの馬の中でもトップクラスに速い全体時計に最後もタレずにまとめているのも評価できる。
ただし、この馬は単走よりも併せ馬の方が成績は良いので、当日のパドックでは気合乗りがどうかは要チェック。
コスモカレンドゥラ
前々走は福島記念で11着に比べると身体の使い方、特に前肢の伸びに柔軟性が出てきた。これによってストライドが伸びているように見えるが、おそらくこれが本来持っているフォームで、本質的には最後にいい脚を使えるタイプだろう。
ただその脚のレベルの高さが上級で通用するかと言われるとまだ疑問はあり、外的要因の後押しは必要。
ゴールドスミス
昨年8歳で初の重賞を含めて2回GIIIに出走するが、どちらも着外。今回の追い切りも前走と変わらず手前替えに手こずる場面があり、全体的に見ても上積みがあるとは言いづらい。
スカーフェイス
調教映像なし
ヒュミドール
手前替えに若干苦手意識がありそうではあるが、パッと見た動きはまずまず。ただし細かく見ると、一昨年の福島記念(2着)に比べると時計の違いのせいか首の使い方がやや硬めに映る点、タイムの割に耳を絞り気味で意外と余力がない可能性を踏まえるとあまり評価は出来ない。
フェーングロッテン
最終追い切りの映像はリズム重視の軽い坂路追いだが、1週前の追い切りが抜群で騎手の仕掛けに鋭く反応していてかなり好印象な内容だった。
菊花賞の1週前も良かったが、その時よりも全体時計が速く、反応の良さも鋭さが増しているので充実度は今回のメンバーの中でも明らかに上位。
また1/3(火)にも坂路で終い重視の追い切りを消化しており、体勢は万全。
フォワードアゲン
最終追い切りの時計だけ見るとかなり仕上がってるように見えるが、実際はウッドチップ馬場のかなり内寄りを回っているので思ったより緩い流れから終い重視の内容になっている点に注意。
福島記念(5着)と比べると少し頭が高い気がするのと、追い切りの負荷が弱めに感じるので前走以上、前々走未満ぐらいの出来。
マテンロウレオ
調教映像なし
ラーグルフ
人気馬の一角だが、この馬は調教では目立たないタイプなので追い切りで判断するのは危険な馬。
内容はリズム重視で終いを少し促してみせる程度のもので、余力を持ちつつ走りに集中している顔立ちなのでとりあえず及第点だろう。
コーナーワークでの首の動きがいつもより硬めには見えるが、前述通り調教で走らないので気にしなくて良さそう。(今後、傾向が分かる可能性はある)
この馬を狙うなら当日のパドックは要注目で、⑴落ち着いて周回。⑵集中した目つきで雰囲気がある。⑶馬体のハリツヤの状態。この3点は気にして見て欲しい。
ラーゴム
約1年ぶりにダートから芝へ再転向してきた本馬。追い切りの比較映像は地方のものばかりで確認できてないことは断っておきたい。
2歳や3歳春とダート転向前や今回の比較にはなるが、馬体が出来上がるにつれてフォームの軸がしっかりとしてきた一方で首と肩の連動性や柔軟性の点では硬さが出てしまったのかなという印象。
気合い乗り、前進気勢はあるのでレース向きな性格なのは間違いなさそうだが、芝で結果を出してたときとは別の馬として評価しなくてはならない。
レインカルナティオ
昨年初の重賞出走も11着と苦渋を舐めた本馬。前走と比べると手前替え直後の反応こそいまひとつではあるが、他馬を意識する前向きさや長めに追っても終いを11.6をマークしている点などを見ると普通に悪くは無いなと思わせる内容。あとは能力がどこまでか。
レッドランメルト
昨年夏の札幌できっかけを掴んでから三連勝で臨む上がり馬。初の重傷なので比較映像がないことは断っておきたい。
最終追い切りは馬場の半ば辺りを通ってきているので、その分少しタイムが良くなっているのは注意。
動きの方はまずまずだが、手前を替えてからギアが入るまでの反応が今ひとつな上に騎手もかなり促しているので内容はあまり強く推すことが出来ない。
ワンダフルタウン
昨年秋に約1年ぶりにターフに戻ってきた本馬はダービーで5番人気に推されたこともあった。
ただブランクの影響は大きく、前進気勢に身体がまだまだ追いついてこないので、バタバタとした走りになってしまっている。
どこかで良化してくるとは思うが、今回はまだまだ良かった時には戻れていない。