そんなもんだ族のはなし
「そういうものなんだよ。」
訳もなく、誰かの口から放たれるこの言葉が昔から苦手だった。きっとずっと、これからも苦手だと思う。
みんながやってるから。
昔からそうだから。
自分も通ってきた道だから。
それが常識だなんて、思いたくないな。
押し付けられたくもないし、押し付けて偉ぶるのも違う。
周りにいる人たちの顔色はいいと言えたものではないし、私もいつかああなってしまうのかと思うと居ても立っても居られなくなる。
同調圧力を感じさせる、暗黙の了解をよしとする空気感。そういう場所にいるほど、頭の中は悪い言葉で埋まっていく。
このままでいいはずがない。
お昼ご飯も食べないまま働いて、帰ってぐったり横たわれば最後、知らぬ間に日付けが変わる。
たった24時間の世界がそんな風に使い果たされていく。
これを美徳としている人は、一体なにが美しく、何が立派だというのだろうか。
そんなもんだよと言われ、そうなんですねと笑って返すものの、頭の中では文字通りの「?」マークが次々と浮かぶ。
笑うのが辛いと思う瞬間に出くわすことが増えた。
どうやらこの世には、そんなもんだと口癖のように発する、「そんなもんだ族」という生き物がいるらしい。
彼らのいうそれを決して信じきってはならない。
諦めや強要の詰まったそれを、鵜呑みにしてはならない。
そうして私は、ひそかに闘いの決意をするのだった。
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