うろ
うろ。ご存じですか。私は友人から教えてもらったゲームのおかげでなじみがあります。うろでは光の羽の子がいたり、瞑想をしたり。キャンマラをしたり…。さて話が逸れましたが、今回は“うろ”についてのレポートです。
1.うろとは。
漢字で書くと「洞」。漢字からもわかる通り、内部が空になっている所のことです。木のうろには動物が巣を作っていることもあるそうで、よくよく考えてみると数年前に家の敷地でスズメバチが巣を作っていた場所も木のうろでした。
そしてこのレポートは、「ダーウィンが来た!」のシジュウカラ特集に起因しています。シジュウカラが鳴き声を組み合わせてコミュニケーションをとっていることや、木のうろなど、どのような所でも巣をつくる習性があることなどを放送していました。そして、ふと「なぜ“うろ”はできるのか」、疑問が出てきました。シジュウカラ特集を見ていたのにシジュウカラのレポートではありません。もしシジュウカラの鳴き声にも興味がある!という方はこちらも併せてご覧ください。
それでは、なぜうろはできるのか、その謎に迫ります。
2.木のうろ、形成過程とは。
Wikipediaでは、「樹木の幹は、表面に樹皮があり、その下に皮層や師部・形成層がある。それより内側の木部の細胞は、水を吸い上げたり木を支えたりといった働きは担っているが、細胞そのものは形成層の内側を除けば大部分がすでに死んだ物である。太い枝が折れた場合、その断面の表面部分は生きた細胞から成るので次第に傷が埋まって再生が行われる。しかし断面の中央部分はそのままになり、場合によってはそこから菌類などが侵入して分解が始まる。その結果、太い枝の内部に空洞を生じ、これが木の洞(うろ)になるのである。また、非常に太くなる大木の場合、年月がたつと根元の中心部分は時間がたちすぎて分解が進み、大きな洞となる場合もある。」と書かれています。
つまり、こう。
うろの周りをよく見てみると、付近の幹が肥大化していることがよくあるようです。これは空洞の周りを補強しようと盛んに細胞分裂を起こしたためと言われています。細胞分裂って動物だけじゃないのかと一瞬思いましたが植物も細胞があるので当たり前ですね。植物の生命力を感じます。ただ私は「頑張って補強したから通常より太くなっちゃった」なんて、不思議で恐ろしいなとも思います。はい。
参考:http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/tobira/15-2/4katsuyama.pdf
3.まとめ。
うろがある部分にはもともと太い枝や傷などが存在していたことが分かりました。そして枝が腐り落ち、木は盛んに細胞分裂をして傷口を塞ぎながら菌に侵されにくい物質を分泌して防御壁を作る。菌は腐った部分から木部という柔らかい部分に入り、分解していく。分解できるすべての場所が分解された結果、うろができるという訳です。ただし枝が折れても菌の侵食より圧倒的に木の生命力が強い場合は綺麗な幹となり、うろは出来ません。人が入れるくらい大きなうろでは、樹皮の覆う速さに比べて菌や虫が木部を分解する速さが速かったのだろうと考えられます。木の生命力と菌や虫の侵食。丁度よいバランスの先にうろが発生することが分かりました。
おわり