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西洋医学と東洋医学の違い「その4」
西洋医学と東洋医学は、考え方や治療方法に大きな違いがあります。歴史的・政治的背景や生命・病気に対する考え方の違いから、それぞれ独自の発展を遂げてきました。ここでは、西洋医学と東洋医学の特徴を比較して、良い面・悪い面を説明していきます。
西洋医学は、外科学や疫学に優れ細菌やウイルス感染症への多大な貢献によって、現代の医療を担っています。病気の臓器や原因となる細菌・ウイルスなどを、手術や投薬によって直接アプローチして治療します。身体を部位の集合体としてとらえ、人体を消火器・循環器などのように細分化して、その一つひとつに対して治療をしていきます。また、検査や臨床実験などの科学的根拠をもとに、多くの人に効果のある治療方法を重視します。感染症や外科手術で回復するような症状には強い反面、自覚症状があっても、検査数値が正常値の範囲内だと、原因となる異常が発見できず、明確な対策法を提供してくれません。
東洋医学は、病気の原因をアンバランスだと考え、身体のバランスを整える全体的な治療を中心に行います。精神も含めて身体全体を一つのものとし
て捉える医学です。鍼灸・あん摩・漢方などを使い、心身のバランスを図り、本来その人の身体の内にある自然治癒力を高めることで、病気や症状の改善を目指します。また、個人差を重視し、体質や季節などを考慮しながら、一人ひとりの状態に合わせた治療を行うことができます。東洋医学は、慢性疾患や長期間変化のない症状及び病気として明確な症状が現れていない「未病」といわれる状態にも、治療を行うことができます。現代医療が得意とするウイルス・細菌・毒・脳血管障害・がん・骨折など、手術が必要なものには、アプローチしにくいです。
西洋医学と東洋医学のどちらが優れた治療なのかということではなく、どちらも得意・不得意があります。西洋医学と東洋医学の得意分野を把握して、
症状によって使い分けるまたは併用することが大切です。特に最近は、ストレス社会で、原因のはっきりしない不調症状を抱えながら生活している方が
多く、西洋医学と東洋医学の併用が効果的な場合があります。
以上が、西洋医学と東洋医学の違いになります。