ファクターX的な話
東アジア、特に日本ではコロナ感染の割合や重症化率(特に若年層)が欧米に比して優位に低い理由として「何か」があるはず。その何かを京大の山中教授が「ファクターX」と言って広まったと記憶している。
現状、ファクターXの要因と言われている報告がいくつかあるので既知のものをまとめておく。
①季節性コロナ(主に東アジアで流行る風邪の一部)との細胞性免疫の交差反応(理化学研究所)
②日本人の“Natural”な唾液IgA抗体がコロナに反応(神奈川歯科大学・帝京大学・EPSリサーチセンター共同)(※注:欧米との比較がまだないので有意差を生む理由かどうかはまだ不明)
③BCGによる訓練免疫(交差反応)(シドニー大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンなどなど)
①季節性コロナとの交差反応
2021/11に査読通過。論文投稿は2021/4。
日本語のプレスなので読んでもらえれば特に説明することもないんだけど、専門家を自称する某媚びてナビする団体の医師がコメントを求められて「今更基本的な」と言いながらも査読通るまで"知らなかった"もの。
基本的なのに査読に7カ月もかかるとかどうなってるんでしょうね…
あとチーム内で確認すると言って以降コメントないのもどうなんでしょう。
(彼が推進インフルエンサー医師内ではまだマイルドになったのはいい変化だと個人的には思ってるけど。最近はたまに割とまともなことも言うし。)
論文本体はこちら
免疫の概要調べる時に参考にしやすいページへのリンクがあるので宣伝しとく↓
こちらはウイルスのN蛋白抗体に対する免疫の効果だけど。
接種者と非接種者では感染時のN蛋白抗体の生産量に有意差があることはモデルナの第三相試験の結果からしっかり読み取れる。
だからといってN蛋白を抗原にするワクチンはこれまで失敗続きでADEの問題回避もできなかったそう。他にも様々な理由から仮にできたとしても感染したほうがマシというのは識者達の共通認識っぽい。
②日本人の“Natural”な唾液IgA抗体がコロナに反応
非感染者のうち52.78%(年齢平均。若いほど高スコア)の唾液中に含まれるIgAがコロナに反応するものだったという研究結果。
つまり粘膜ですぐウイルスに対して免疫が反応するため増殖を抑えやすく発症しにくいのではという可能性が考えられる。
ただし、欧米での研究結果がないため欧米でももし同様であればこれはファクターではない可能性ももちろんある。
(日本の若者が重症化しにくいという現実を説明する一つの要素にはなり得る)
③BCGによる訓練免疫(交差反応)
シドニー大学
↑の第二弾↓
インペリアル・カレッジ・ロンドン
流石に免疫学ゴリゴリの内容は一般人には荷が重いので、この論文を紹介している先生の解釈を信用して引用する。
ついでに見つけた内容がリンクする報告も貼っておく