「誘い文句から消えた」
昭和から平成にかけて、男性が女性をナンパする時の誘い文句は、「お姉さん、俺とお茶しませんか?」だったとゴシップ雑誌に書いてあった。それはあくまで、導入に過ぎない。ナンパなどしたら通報されてしまいそうな、いたいけな私にも分かることだ。目をギラギラさせて茶室に行く輩など、どうかしている。時は令和である。働いても生活はきついまま、余暇もなく預貯金もなく、買い物は安価に済ませたい。国民の切なる願いである。消費が落ち込み、市場規模は縮小され、企業は淘汰されるのみ。グローバル化した社会では、より合理的に効率化が重要視される。余暇であった茶しばきも、見直され、あえて機会を設けないと、ゆっくりお茶も飲めないこんな世の中じゃ、POISON反町が泣いている。労働しても衣食住が満ち足りない。この社会を変革する程の力があるだろうか。令和の誘い文句を考えてみよう。「お姉さん、俺がアンチョビ効かせたお茶漬け作りますんで、ヒモにしてもらえませんか?」今の男に、支払い能力を期待してはならない。
そくらてつお